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同じエンツォはエンツォでも、ボナフェではなくフェラーリだった四角い眼鏡

イタリアの跳ね馬

天地幅の広いウエリントン型で、ボリュームのある智からつながるぶっといテンプルが特徴の“JMM”エンツォ

初見で、「なんて、直線的で荒々しいメガネなの♡」と、惚れてしまいました。

(もちろん、芯金が外側から見えるやつ)

モデル名の由来は、イタリアの自動車メーカーフェラーリ創設者エンツォ・フェラーリ氏から。

氏が、“JMM”エンツォと似たようなメガネをかけていたかどうか?は知りませんが、エンツォのエッジが効いた造形はフェラーリ F40のカクカクとしたシルエット(とくに、リアウィング周りの意匠)を彷彿とさせます。


このエンツォが2次流通市場に出ることはあまりなく、たまにメルカリ(まれにヤフオク)に出てもその価格は、新品・未使用品なら定価をはるかに超える15万円くらいをつけています。

メルカリは『値切り』の文化がある上に、売れなかったら徐々に値下げをしていって成約に至るパターンが定石っちゃ定石なので、最初の値付けを高めに設定しているだけの話なのですが…

(初値で売れたら儲けもん)



金角と銀角

そんなある日、メルカリで2人の出品者から2つの“JMM”エンツォが出品されているのを見つけるのです。

フレームカラーがノワールに芯金がゴールドのエンツォ(金角とします)と、

テンプルはブラック✕ホーン柄の生地に芯金がシルバーのエンツォ(銀角とします)。

その見た目のちがいは、ほぼ芯金の色だけ。


最近は、画像と商品説明文からただよってくる雰囲気で、なんとなくホンモノか?ニセモノか?が判断できるようになった気がするのです。

金角の出品者はこれまでに私物の“JMM”を複数本メルカリで売却している過去があり、銀角の出品者は“ベルルッティ”などの高額商品を多数取り扱っていることなども踏まえて、どちらも信用できるセラーだと思います。

というわけで、売価がそんなに変わらない2本ともMAX15%OFFの希望を入れて、これからの価格推移を見守ることに。

(ぶっちゃけ、安ければどっちでもいいので…)



嘘も方便

販売価格は、金角が銀角を追いかけていくかたちでジワジワと下がりはじめたのは予定通り。

結局、2本ともこちらの希望価格(どちらも11万円台)まで下がったのですが…1年前まで2〜3万円台のメガネを買っていた近眼でもない(老眼ではある)一般庶民が、実物を見ていない6桁のアイウェアをおいそれとポチる勇気が出ない。

しばし、待たれよ。

銀角が11万円を切ったところで、値下げ交渉を開始するのです。

短期間で価格を下げてきているので、なるべく早めに処分したいのは間違いなく、いくらまでなら下げられるのか?お伺いを立てると…5千円安の10.48万円を提案される。

(思ったよりも、下がらなかった…)

自分から尋ねておいてこのまま無視することはできないので、なんらかのアクションを起こす必要がある。

「検討します」と返せば、これ以上のこのエンツォにかかわれない気もするし、「それでは、〇〇円ならどうですか?」と、ほかの『値切り民』のように食い下がる交渉術も持ち合わせていない。

考えた結果、「決済につかうクレカの枠が、10万円しか残っていませんでした」と、買う意思はあるけれど(ひやかしじゃありませんよ)状況的に無理でしたという体で、一時退却を図ります。

すると…

「それなら、10万円でいいですよ」とのオファーが。

小心者が岸辺 露伴になれるはずもなく、

その申し出をありがたく受けるのでした。

じっくり見ると、鼻あての生地もホーン柄だった“JMM”エンツォのドーパミン放出は…

76%(冷静になって考えると、メガネに10万円はキツいって)。

主張が強いたたずまいゆえ、非日常のリゾート地などではその存在感を十分に発揮できるはずですが、普段使いするには一筋縄ではいかない協調性のなさのが、マイナスポイントのサングラスでした。


銀角から遅れること数週間。

金角にも価格交渉が入って、10万円まで落ちました。

横取りしたい衝動に駆られたのですが…ガマンできたのは成長の証(10万円だったからという説もある)。



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