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【EDH/統率者戦】負けても楽しかったゲームをできるように

はじめに

統率者戦をやっていて「ゲームには負けたけどすごく楽しかった」と感じたことは誰しもあるのではないだろうか。

「誰にも勝利の目があってギリギリで競り負けた」
「勝利まではできなかったがオリジナルのコンボを披露できた」
「散々みんなの妨害をして嫌がる顔を見れたので大満足」

理由は人によって様々だろうが、統率者戦ではしばしば満足できる敗北が得られることがある。

この「満足のいく敗北」はデッキ構築やプレイング指南ではあまり取りざたされることはないが、勝ち方と同じくらい念頭に置くべき概念である。

なんせ4人対戦の統率者戦では単純計算で4回に3回負ける計算なのだ。
負け方は勝ち方以上に重要である。

というわけで今回は趣向を変えて「楽しく勝つ方法」ではなく「楽しく負ける方法」を考えていく。

楽しく負けるために

・「ここにあと1枚土地さえ引ければ……」の手札は他がどんなに魅力的でもマリガンする

土地がまったく引けずに止まってしまい、他のプレイヤーがやり取りしているのを眺めるだけでゲームが終わることほどつまらない負けはない。

というか、勝った負けた以前にそもそもゲームに参加できてすらいないと感じてしまう。もはや悔しさを覚えることすら許されない感じだ。

ここで土地が引けなかったことを「運が悪かった」の一言で片付けるのは簡単だが、果たして本当にそうだろうか?

何度もマリガンして短い手札になってしまったならともかく、最初の7枚で「ここにあと1枚土地さえ引ければ……」と土地ドローを期待してキープしたのなら責任はプレイヤーにあると私は考えている。

確かに土地を引く・引かないを確率的に考えたらキープした方が合理的という判断になることもあるだろう。
しかし私はそういう場面でも絶対にマリガンするように心がけている。

なぜなら統率者戦が多人数戦だからだ。

1対1のマジックなら土地を引く方にベットして引けなかったときは潔く投了してさっさと次のゲームに行けるが、統率者戦では自分の手札が悪いからといって次のゲームに行くことはできない。
(まあ厳密には他のプレイヤー全員が認めてくれればできるが、勝手に土地のない手札をキープしておいてドローが土地じゃなかったからと再戦を要求するのはいくらなんでもマナーが悪いだろう)

トップドローが土地のときに取れる強い動きを考えるのもいいが、土地が引けなかったときにどういう動きになるのかも考えるべきだろう。
ゲームに参加できず眺めるだけの人になるリスクを背負ってしまうのならマリガンした方がたとえ勝率は下がったとしてもゲーム内容に満足できる確率は上がるはずだ。

・デッキに十分量の戦闘要員を用意する

かつて私がEDHを始めたときは「EDHは初期ライフが40なので通常戦闘ではほぼ負けない。ライフは潤沢なリソースと考えれば良い」と言われていた。

今と比べてしまうとクリーチャーの質はそこまで良くなかったし、なにより本流のセット(=スタンダード向けセット)で1対1のマジックをするために印刷されたカードしかなかったのでダメージ効率が悪かったのだ。

しかし現代では本流のセットを通すことなく最初から統率者戦向けに調整されたカードが数多く発売されており、更に年々インフレしていくクリーチャースペックの上昇も伴って、ライフ40を削り切られて負けるプレイヤーが出現するのは決して珍しいことではなくなっている。

もはや現代EDHでクリーチャーによる戦闘を軽視することは最初の脱落者になることに直結すると言っても過言ではない。

もしあなたが頻繁にライフで脱落してしまう自覚があるのなら、おそらくデッキに戦闘要員が足りていないのだろう。
戦場が貧弱だと「別にこれといってお前を殺したいわけではないのだが、かといって特に殺さない理由もない」とぽこぽこ殴られがちだ。
大量に生物を増やしてバチバチに殴り合うべきとまでは言わないが、最低限身を守るための壁はしっかりデッキに用意しておいたほうがよい。

・「なんとなく」でデッキの土地を削らない

統率者戦のデッキは100枚のシングルトンだからデッキを組むのは余裕、と考えるのは最初の一歩を統率者戦沼に踏み出した初心者プレイヤーだけである。
いざ100枚デッキを組むととてもじゃないがデッキは100枚に収まらないことに気づく。

どれもこれも必須パーツに見えてきて、なればもしや5枚ほどデッキ数え間違いをしているのではないかと思い立ちデッキ枚数をカウントし、やっぱり100枚ぴったりでがっかりするのである。

こんなとき「どのカードも抜きたくないから」「1枚だけなら誤差だから」と土地を減らしにかかるのはマジック初心者がやりがちな悪手だ。

上の方でも言ったが、土地をおけずにみんなのプレイを眺めるだけのゲームほどつまらないものはない。
理由もなく土地を減らすのはそんな最悪の負け方をしてしまう確率を上げる行為だ。

もちろん土地の枚数が多すぎるために抜いた方がいいケースもあるのだが、それは「減らした方がいいから減らす」のであって「他に抜くカードがないから抜く」わけではないことに注意しよう。

・雑談する

デッキの構築にもプレイングにも関係はないが、ある意味ではもっとも大事なことかもしれない。

友人同士はもちろんだが、店舗イベントで知らない人と遊ぶことになってもゲーム中は楽しく喋ろう。

競技マジックで対戦するときのように唱える呪文の名前や能力の対象なんかを淡々と告げるだけのプレイでも構いやしないが、どうせ参加費分の商品券をトップが総取りみたいな大会にはならないのだ。せっかく4人も顔を突き合わせて思い思いのデッキを持ち寄ったのだから「へ~そんなカードあったんですね」「すごい弱そうなコモンなのにその統率者とはめちゃくちゃ相性いいですね」などと雑談しながらプレイするくらいがちょうどいい。

それに無言で除去を打たれたら気分はがっかりだが、お気に入りのカードを「それ強そうなので除去します」と言われたらなんか褒められた気分にもなって「まあええか」くらいの気持ちになるというものである。

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