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【EDH/統率者戦】比較的安価かつマイナーなマナ加速集

はじめに

統率者戦におけるマナ加速といえば《魔力の墓所》を筆頭とした高額な軽量アーティファクトが花形であり、安価に遊ぼうとすると高速マナ加速は行えないと思われがちだ。

しかし歴代の全エキスパンションが使える広大なカードプールを持つ統率者戦では有名なカード、高額なカード以外にも多くのマナ加速が存在している。

今回はそんなマナ加速の中でもあまり知られていないようなカードをいくつか紹介していきたい。

なおマイナーかどうかの判断は私が友人とプレイしていて「そのカード、何?」と聞かれたことがあるかどうかが主な基準となっている。
それなりに年季の入ったプレイヤーにとってはどれも有名なカードかもしれないが、統率者戦を始めたばかりのプレイヤー向けということでご了承頂きたい。

《Jeweled Amulet》


アーティファクト
(1),(T):Jeweled Amuletの上に蓄積(charge)カウンターを1個置く。この起動コストとして支払ったマナのタイプを記録しておく。Jeweled Amuletの上に蓄積カウンターが置かれていないときにのみ起動できる。
(T),Jeweled Amuletから蓄積カウンターを1個取り除く:最後に記録されたタイプのマナ1点を加える。

1つだけマナを貯めておける、マナ加速カードというよりはマナ貯蓄カード。

暇なときに再度ため直すこともできるが、基本的な使用感は1ターン目の《ブラッド・ペット》や《スカークの探鉱者》で使い切りの1マナ加速をするのに近い。

1ターン目に出すことで2ターン目に3マナがプレイできるというのは早期着地を狙いたい3マナ統率者にとってはかなり重要なポイントとなる。

また0マナのアーティファクトであるのも見逃せない点で、軽いアーティファクトを唱えることに大きな意義のある《最高工匠卿、ウルザ》《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》《練達飛行機械職人、サイ》のようなデッキではいつ引いてもそれなりの仕事ができる。

《Priest of Yawgmoth》


クリーチャー — ファイレクシアン(Phyrexian) 人間(Human) クレリック(Cleric)
(T),アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:生け贄に捧げられたアーティファクトのマナ総量に等しい点数の(黒)を加える。

アーティファクトを生け贄に捧げることでマナ総量分の(黒)が出せるタップ能力持ち。
能力が使い捨てに近いのに盤面に残り続けるようなアーティファクトとは特に相性が良い。
例えば《玄武岩のモノリス》なら(3)を出したあとに生け贄に捧げることで一気に6マナを用意できるし、《願い爪のタリスマン》の起動能力がスタックに乗っている間に生け贄に捧げることで2マナを出しつつコントロールを渡さず自分だけ《悪魔の教示者》を使えるといったテクニックもある。

《Soldevi Adnate》


クリーチャー — 人間(Human) クレリック(Cleric)
(T),黒のクリーチャー1体かアーティファクト・クリーチャー1体を生け贄に捧げる:生け贄に捧げられたクリーチャーのマナ総量に等しい量の(黒)を加える。

生け贄に捧げる対象が変化した《Priest of Yawgmoth》といったようなカード。

cipで(黒)(黒)(黒)を捻出する《ギックスの僧侶》は特に良い相方で、一気に黒6マナを稼ぐことができる。
また親和や想起のような「軽く出せるがマナ総量が大きい」生物とも相性がよい。

能力を使い続けるのは黒いクリーチャーが多めのデッキでなければ難しいが、自分自身を生け贄に捧げることもできるので最低でも2マナ加速と《暗黒の儀式》相当の働きが保証されているのが強み。

《Basal Thrull》


クリーチャー — スラル(Thrull)
(T),Basal Thrullを生け贄に捧げる:(黒)(黒)を加える。

色拘束が強く、自分自身しか生け贄にできなくなった《Soldevi Adnate》。
種族が強いわけでもないので基本的には《Soldevi Adnate》の下位互換ということになるが、それでも2マナ加速できるのは優秀なので黒単等でしばしば出番がある。

《モルグのヒキガエル》


クリーチャー — カエル(Frog)
モルグのヒキガエルを生け贄に捧げる:(青)(赤)を加える。

固有色が青黒赤になった《血の臣下》、あるいは《基底スリヴァー》。
3色以上のデッキでしか使えないので知名度は低いが、《血の臣下》と《基底スリヴァー》に頼るようなデッキでは3枚目の選択肢として充分に使える。

《オークの木こり》


クリーチャー — オーク(Orc)
(T),森(Forest)を1つ生け贄に捧げる:(赤)と(緑)の好きな組み合わせのマナ3点を加える。

森を生け贄に捧げることで(赤)と(緑)の好きな組み合わせ3マナが出る。
生け贄に捧げる森はタップ状態でも良いので1ターン目に出せば2ターン目には土地と合わせて5マナが捻出できる。

固有色に赤と緑を含み、リソースを吐き出してでも早いターンに重めの統率者を唱えたいようなデッキにおすすめ。
特に使い終わった《木こり》をドローに変換できる《フェイに呪われた王、コルヴォルド》とは相性が良好。

これは余談だが、このカードは再録回数が多い割に日本語版の入手難度が高めである。
もとが英語版しかないアイスエイジのコモン、1回目と2回目の再録が古い構築済みデッキ、3回目が英語版しか無いThe Listとなっており、英語版と比べると日本語版の価格がそれなりに高い。
日本語版にこだわりのあるプレイヤーは少々注意が必要だ。

《ほくちの壁》


クリーチャー — 植物(Plant) 壁(Wall)
防衛(このクリーチャーは攻撃できない。)
ほくちの壁を生け贄に捧げる:(赤)(赤)を加える。
(赤),ほくちの壁を生け贄に捧げる:これによってブロックされているクリーチャー1体を対象とする。これはそれに2点のダメージを与える。

強化版《ブラッド・ペット》といった使い勝手のカード。
1ターン待てばより大きなマナが使えるのはもちろんのこと、出したターンに使っても《炎の儀式》相当の加速になるという使い分けができるのが偉い。

2つめの能力は使用機会がほぼ存在しないインクの染みみたいな能力だが、一応タフネス2以下のクリーチャーによるアタックを抑制する意味があるので覚えておくといい。

ちなみにこれも《オークの木こり》と同じ理由で日本語版の入手難度が上がっているカードである。

《あと戻りの映像》


ソーサリー
あなたの手札のカードを1枚公開する。その後公開されたカードが戦場に出ているパーマネントと同じ名前を持つ場合、それを戦場に出す。

戦場に出ているパーマネントと同じ名前のパーマネントを無料で戦場に出せる。
奇妙なソーサリー呪文に見えるかもしれないが、要するにデッキの土地をほぼすべて基本《島》にした青単であれば青1マナで手札から《島》を戦場に出せるので弱めの《成長のらせん》として使える。
手札は減るが、1マナで土地を増やしているのでテンポを阻害しないのが強み。
基本土地多めなら2色デッキでも使えなくないかもしれないが、基本的には青単専用カードになるだろう。

《魔法使いの弟子》


クリーチャー — 人間(Human) ウィザード(Wizard)
(青),(T):(◇)(◇)(◇)を加える。

変な挙動で差し引き2マナ生むマナクリーチャー。
スペックもやってることも《パラジウムのマイア》の下位互換でしかないが、継続的なマナ加速に乏しい青単や青白のデッキで重たい統率者を出したいようなときは《マイア》共々仕方なく使うことがある。

結び

上で紹介したカードはマナ加速としての採用率は決して高いと言えないが、こういった選択肢もあるということを覚えておくのは大事なことだ。

ニッチなマナ加速カードは高額カードの採用を控えたデッキはもちろんのこと、場合によっては妥協をしないcEDHのデッキでも採用に値するようなカードもあるため、意外と馬鹿にできないものである。
この記事が新規プレイヤーのデッキ構築の一助になれば幸いだ。

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