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【EDH初心者向け】統率者戦で頻出する汎用的な多色土地

・はじめに

よくEDHのデッキ構築は自己表現と言われるが、マナベースに関してだけはきちんと望んだ色が出てカードのプレイに支障が出ないようにしなければならないのでこんなところに個性を出している暇はなかったりする。
(その分好みのイラストレーターで統一したり、SLD版やボーダーレス版なんかを使って個性を出している人が多い印象だ)

もちろん統率者との兼ね合いで誰もが採用しないような土地を採用することもある。
しかしそういう例外土地もデッキに数枚あればいい方で、基本的には《統率の塔》のような明らかに強く汎用的な土地で枠を埋めていくことになる。

デッキ構築のためにストレージを漁ったり、カードリストやwikiを読み漁ってカードを探していくのもEDHの醍醐味ではあるのだが、今回は「初心者が強い土地を探す手間を省く」という意味もこめて頻出する多色土地をまとめてみた。
パッと思いついたものを挙げているだけなので「◯◯が入ってない!」と思うかもしれないがその点はご容赦を。
(また単色、無色はまたの機会があればということで)

基本的な考え方は『アンタップインで置ける多色土地の重要度は高く、確定タップインだとどれだけ色が多く出ても重要度が大きく下がる』である。

何もすることがないからタップインで置くだけなら別にいいのだが、本当は動きたいのに強制タップインなせいで動けないとなると他プレイヤーに遅れを取ることになってしまう。

あるいは手札が強制タップイン土地のみだと、もっとも強い行動のひとつである「1ターン目に《太陽の指輪》プレイ」ができないと言えばその理由は伝わるだろうか。

よってデッキ内の土地は可能な限りアンタップイン土地でまとめていきたい(もちろん資産的な問題もあるだろうからこれは努力目標である)

・5色土地

《統率の塔》

統率者戦専用の最強土地。説明不要の1枚。
大量のイラスト違い版が印刷されており、本当に多種多様なイラストがあるので一番好みのものを選ぶと良い。

《宝石の洞窟》

1番手だったり初手に無いときに色マナが出ないのが弱いが、それを差し引いても十分すぎるほど強い。
その理由としてまず挙げられるのが「先置き能力が使える可能性が高い」ということ。
4人対戦は自分が先攻プレイヤーでない確率が3/4もある。よって先置きできる確率は2人対戦の1.5倍だ。
更に統率者領域にいつでも何度でも使える8枚目の手札があるため、手札1枚の追放コストが2人対戦のときよりも幾ばくか軽いのも使いやすさを上げている要因と言える。

《真鍮の都》《マナの合流点》

かつてスタンダードに存在したときは「ライフの支払いがキツいのであえて採用枚数を抑える」ということもあったが、初期ライフ40の統率者戦ならライフ1点のコストは非常に軽いので何ら問題にならず、ダメージランドのフル投入が肯定される(…とはいえ流石に3枚も4枚も並ぶと痛かったりするが)
3色以上の多色デッキで有力なのはもちろん、2色デッキでも積極的に採用したい1枚。

《風変わりな果樹園》《産業の塔》

条件付き5色土地。
確定アンタップインで3色以上出る土地はかなり貴重なので3色以上のデッキでは高い採用率を誇る。
特に《風変わりな果樹園》は多色の多い卓なら2ターン目には概ね5色土地として扱えて非常に強力。
一方2色デッキではどこまで行っても2色土地でしかないので序盤の不安定さから採用されないこともままある。

《禁忌の果樹園》《色あせた城塞》

デメリット付き5色土地。
確定アンタップインではあるものの、軽々に無視できないデメリットを持つため採用するかどうかは使用する統率者やプレイヤーの考えで変わってくる。

《風変わりな果樹園》や《産業の塔》は採用しない理由を見つけるカードだが、こちらは採用する理由を見つけるカードという印象が個人的にはある。

《魂の洞窟》

統率者が除去耐性を持っていて対処しづらかったり、統率者のプレイそのものが勝ち手段に繋がっていたり、着地するだけでも大きく有利になるタイプのデッキでは統率者に対して打ち消しがガンガン飛んでくるので部族デッキでないにも関わらず採用される。

統率者着地後もゴブリンやウィザードを指定して《波止場の恐喝者》《タッサの神託者》を押し通したり、ならず者を指定して《敵対工作員》《フェアリーの黒幕》を確実に着地させるといった小技がある。

とはいえ通常呪文用の色が出ないことも決して無視はできない。
そのため統率者が適度に弱く、打ち消しがそうそう飛んでこないデッキでは統率者を守るためだけに採用するようなことはあまり無い。

《英雄の公有地》

一言で言えば《手付かずの領土》+《モックス・アンバー》といった感じの土地。
盤面に伝説が居ればという条件付きとは言え、どんな呪文にも使える色マナが出てくるというのはこの手の土地にしてはかなり珍しい。
呪禁と破壊不能をつける起動能力も起動コストは重いが無いよりは全然いい。除去の飛び交う卓では活躍の機会もあるだろう。

一方で序盤に色マナが出ない問題点は完全には克服されておらず、伝説のパーマネント(多くの場合で統率者)が着地するまでは単なる無色土地でしかない。

1ターン目に色が出ないというのは即ち初手《悟りの教示者》や《吸血の教示者》によるサーチができない土地であるという意味でもあるので採用するかはじっくり考えたほうがいいだろう。

・2色土地

フェッチランド・デュアルランド・ショックランド

すべてをセットで採用するので一括りにした。
フェッチから2色土地を持ってくるプレイの強さは説明するまでもないので割愛するとして、EDH特有の強さに《汚れた契約》をプレイしやすくなる点が挙げられる。

特に《タッサの神託者》と組み合わせて勝利を狙う場合はデッキの底まで掘りきらなければならないのだから《汚れた契約》を使うのなら基本土地まで含めて完全ハイランダーにした構築が必須だ。

EDHでは余程特殊な構築でない限りは土地を30枚ほど採用するのが一般的だと思われるが、フェッチランドとデュアルランドを採用するとそれだけで土地枠の1/3~1/2ほどを賄うことができる。
30枚弱の土地を名前が被らないように(そしてマナベースが破綻しないように)どこかから調達してくるのはフェッチ・デュアランなしではなかなか難しい。

自分は青黒じゃないから《タッサの神託者》絡みなら関係ないな、と思うなかれ。

《再活性》《動く死体》などのリアニメイトカードや《敵対工作員》、《法務官の掌握》などを用いて対戦相手の神託者コンボを行うことが稀にあるのだ。
これをケアしておくことで自分の勝利手段をひとつ増やすことができる。

フェッチから多色土地を持ってこれるかどうかはかなり重要なので、デュアルランドがない場合はバトルランドや諜報ランドで代用したい。

クラウドランド

基本土地タイプを持っていないことが有利に働いたり不利に働いたりするので一概にデュアルランドの上位互換とか下位互換とはいえない。
確定アンタップイン(※)で色マナを出すのにコストもかからないので統率者戦においては最上級の2色土地だが、3色以上のデッキではあえて需要の低い色を採用しないこともある。

※厳密には条件付きだがこれがタップインになることはまず無い。

ダメージランド

「確定アンタップイン、2色出る、無色マナならライフが要らない」と実はEDHでもかなり上位の2色土地。
昔から何度も再録されてきたおかげで値段が安いのもありがたい。
2色デッキなら確実に採用するし、3色以上でも多く欲しい色のものを採用することがある。

キャノピーランド

対抗色(と緑白)にしかない。ズルい。

ダメージランドと違ってライフを支払わずにマナを出す手段が存在しないのため、完全上位互換というわけでもない。
が、基本的には強い方のダメージランドという認識でいい。

統率者戦は教示者によるサーチが頻発するため、このドロー能力が勝負を決定づけることもしばしばある。

小道

確定アンタップインだが置く瞬間に色を1つに固定してしまうので3色以上のデッキでの採用はかなり厳しい。
ほぼ2色デッキ専用土地と言っても過言ではない。

ファストランド

序盤なら確定でアンタップインかつマナを出すのにコストが無いというのは条件付きアンタップイン土地の中では最上位の使いやすさ。
採用可能な多色土地の種類が少ない2色デッキではよく採用される。
条件が反転した土地にスローランドがあるが、こちらは序盤が確定タップインなのがテンポロスに繋がることが多いためファストランドよりも優先度は低い。

フィルターランド

単独では無色マナを出すことすらできないが、無色マナを有色マナにロス無く変換できるという唯一無二の能力があり、それが求められるデッキで採用される。
例えばマナコストが白黒赤の《二天一流、一心》は初手に《太陽の指輪》を置いても統率者のプレイになんら寄与しないが、フィルターランドがあれば加速になる。
つい最近サイクルが完成したのであらゆるデッキが入れ放題になった。

《次元間の標》や《城塞の大広間》といった特殊版もある。

ハイブリッドランド

単独で無色マナが出る代わりに変換できるのが色マナになったフィルターランド。ただし好きな組み合わせで色が出る。
テキストはフィルターランドと似ているが、用途が微妙に異なる。
フィルターランドを採用するデッキがハイブリッドランドも採用するとは限らないし、その逆も然りだ。

サイクルの存在しない土地(青白以外)

未来予知の緑白と赤黒は後にサイクルとして正式採用となったので含まない

どう呼んでいいかわからなかったので適当に呼ぶ。ここでは未来予知の《涙の川》《燃え柳の木立ち》《雨雲の迷路》と指輪物語の《滅びの山》を指す。

実質ノーデメリットの《燃え柳の木立ち》と、赤黒2色デッキなら《マナの合流点》の完全上位互換とも言える《滅びの山》はかなり使いやすい。

《涙の川》は黒の安定供給に難があるが、相手ターン中に構えておきたい青マナの方が常に出るので使い勝手は見た目ほど悪くない。これが逆だったらかなり弱かっただろう。

《雨雲の迷路》だけは積極的に採用したいカードではない。
確定アンタップインとはいえ色がかなり出しづらいため、青白の2色デッキですら採用するかは怪しいところがある。

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