野蛮な早稲田と上品な慶応

昨日今日と国公立大学の入試でしたね。お疲れ様でした。僕が大学入試を受けたのは20世紀の話であり、すいぶん前のことなのだけど、よく覚えていることがあります。今朝、電車で偶然出会った同僚にその思い出話をしたのでした。早稲田と慶応を受験した時のことです。

早稲田の試験が終わってホッとしてキャンパスを歩いていたら、「精神統一なんとか会」と書いてあるはちまきを着けた薄汚い男が、「わー」だか「ぎゃー」だか叫びながら、ぼくの目の前でいきなりズボン&パンツを脱いだのです。当時、北海道から出てきたばかりの素朴かつ純朴な少年には、あまりにも衝撃的な出来事でした。なんと野蛮な大学なんだと幻滅した思い出があります。

慶応では試験が終わって駅に歩いていたら、財布がないのに気づいてパニックになりました。慌てて三田に戻って探していたら、いかにも東京的な洗練した雰囲気をまとった綺麗で親切なお姉さんが、いたく同情して一緒に探してくれました。おかげさまで、受験会場の自分の椅子の下に落ちていた財布を無事に見つけました。あの人は、学生なのか職員なのか、いまだに分かりません。当時、北海道から出てきたばかりの素朴かつ純朴な少年には、あまりにも素敵な出来事でした。なんと上品な大学だと感激した思い出があります。

要約すると、野蛮な早稲田と上品な慶応です。明快なコントラストです。北海道から出てきたばかりの素朴かつ純朴な少年は、野蛮な早稲田と上品な慶応というスキーマを形成したのでした。

もちろん、いまでは早稲田が野蛮でないのは良く知っています。素晴らしい人がたくさんいる大学ですね。ただ、結果は、早稲田は不合格、慶応は合格でした(入学したのは違う大学ですが)。




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