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衆院選比例ブロックの過去結果から、議席獲得な得票率をまとめ(⑨中国ブロック編)


まえがき

「衆議院比例代表の各ブロックの選挙結果(過去6回)から、1議席獲得に必要な得票率をまとめる」シリーズの第9回です。

衆議院における比例代表選挙では、
47都道府県を11ブロックに分割しています

比例代表はドント方式といって、一定の得票率を獲得することで1議席得ることができますが、ブロックによって定数が異なるため、
当選(1議席獲得)に必要な得票率も異なります。
各ブロックごとの状況を、過去6回分算出しましたので紹介します。

前回まではこちら

01.比例区中国ブロックの定数

岡山県・広島県・山口県・鳥取県・島根県県が対象エリアとなります。

中国ブロックの定数(当選枠)は、10議席です
第49回までは11でしたが、次回からは1議席削減します。

11ある比例ブロックでは、北陸信越と並び、3番目に少ないです。
北陸信越ブロックと共に、1議席減らされました。

1議席獲得には高めの難易度です。
そのため、れいわは力を入れていないブロックのうちの1つです。

次回以降は更に難易度が上がります。
目下、1議席目を目指しての戦いです。
(後述しますが、平均7.16%の得票が必要になります

過去の定数は11議席でしたが、
本ページでの分析は10議席だったものとみなして話を進めます。

02.比例区中国ブロックの傾向

02-01.過去6回の全党の得票数

過去6回(2005年の第44回~2021年の第49回)の全党の得票数です。

備考:表の読み方

表は左から、以下のようになっています。
◆過去6回の衆院選の回次と開催年
 下に行くほど新しくなります。
◆割る数
 ドント方式では、得票数を自然数で割った値を使用します。
◆政党名と各党の得票数、獲得議席と得票率
 [1]の値が実際の得票数であり、[2]以降は、得票数をその数字で割った値になります。
 (補足1)
 全ての政党で2.3.4….と割った値を算出して、以下のように色付けしています。
 (補足2)
 ・「民主党」として1まとめにしていますが、
  2014年までは"民主党"、2017年からは"立憲民主党"です。
 ・「維新」として1まとめにしているものは、
  2012年は"日本維新の会"、2014年は"維新の党"、2017年から再び"日本維新の会"です。所属議員は一部入れ替わっていますのでご注意ください。
[人]の値のうち、上側は当時の当選者数、下側は現在の定数10で計算し直した場合の当選人数です。

◆ボーダー当選の値と、前後の値
 ドント方式による計算によって、1議席獲得に必要となる「ボーダーライン当選の数値(つまり、最下位でもいいので当選するために必要な票数)と、その前後(「ブービー当選」「次点」)の値を示したものです。
◆有効票と1議席ボーダー
 ・「有効票」は、各政党が得た有効票の総数です。
 ・「1議席獲得に必要なボーダーライン」は、「次点の数値に1を足したもの」を「有効票」で割ったものになります。
 1を加算していますが、実質的にはほぼ無視できる差分になりますので、次点の得票率と近似します。
 (以前は「ボーダー当選の数値」を「有効票」で割っていましたが、変更しています)

02-02.過去6回の主要政党分の得票率と獲得議席

表2は、議席を獲得した政党+れいわ新選組などの主要政党分を抜粋したものです。

【注意事項】
47回までは定数が11ですが、
定数10をボーダー(最下位当選)とした場合
で計算し直した数値となります。
で記したものは議席が減る党です。
49回以前は11位は当選でしたが、次回からは落選します。

当選枠が多い場合、1議席獲得に必要なボーダーラインは下がることになりますが、近畿においては
最も低い得票率でも当選できたのが、2009年の6.62%。
最も高い得票率が必要になったのが、2014年の7.63%。
6回平均では7.16%でした。
なお、小政党が乱立するとボーダーが下がります。

02-03.読み解ける地域的特徴

表2で黄色・青色部分に着目すると、
自民党・公明党
では過半数。
他党で残りのうち、立憲と維新が分け合う状況です。

前回2021年は自民が6、立憲が2、公明が1、維新が1でした。
共産党は、2014年に1議席獲得したのみで、他は0です。

02-04.10位当選の得票数

表3は、表1における10位当選に相当する得票数を抜粋したものです。

この数値は定数を10としたときの最下位当選となる得票数なので、これより得票数が少なくても当選は可能です。
(次点よりも1票でも多く取っていれば当選はできるため)


03.れいわ新選組の状況

03-01.れいわ新選組の得票状況

れいわの過去の中国ブロック内における得票率ですが、
2019年/参議院選挙は、96,867票/3.49%
2021年/衆議院選挙は、94,446票/3.03%
2022年/参議院選挙は、97,624票/3.45%でした

得票数は9万票台、得票率としては3%台です。
得票率としては21衆議院では0.4%落とし、22参議院でほぼ元に戻しています。

他のブロック各都道府県の得票数・得票率は以下ページへ

得票率順位では岡山以外は、中間よりも下位で、全県とも平均以下です。
3県がワースト15に入っています。

7.16%をターゲットにした場合、
前回の参議院選挙比でも2倍程度の上積みが必要です。

このブロックについては、次回は2議席獲得が現実的な目標です

先述の通り、共産党でさえほぼ1議席すら獲得できないハードルの高いブロックですので、「共産を超えても、それで議席が取れるかは微妙」な世界です。れいわ新選組が議席を獲得するのは相当ハードが高いと考えるのが自然です。

03-02.れいわ新選組の候補者擁立状況

2023/09/24時点では、候補予定者は発表されていません。

ブロック内の選挙区数は以下の通り。

区割り変更に伴い、広島県、岡山県、山口県は1区減少します

過去、当ブロック内での選挙区の立候補者は以下の通り。
2021衆議院での小選挙区
・・・山口4区で立候補しました。
2022参議院では選挙区
・・・立候補していません。

・山口4区では現下関市議の竹村 かつし氏が選挙初挑戦。
中国ブロックとして唯一の候補者でした。
相手となる現職は安倍晋三元首相でした。

 立憲などの野党は候補を出すことなく、結果的には野党統一候補のような状態になりました(結果的には他に1名が立候補して3名)。

 竹村氏は落選します(候補者が少なかったため得票率は10%を超えますが、中国ブロックとしては届かず)が、1年3ヶ月後に行われた2023年2月の下関市議選に挑戦して初当選。
れいわ公認の地方議員、当選第1号となりました。

比例ブロックとして1議席獲得を目指した戦いです。
選挙区で数人・・・という戦略となりそうです。

都道府県別の得票率は先ほど示しましたが、
自治体単位での得票率まではまだ調べ切れていませんので、
後日更新することにします。

03-03.れいわ新選組の地方議員

2023/09/24時点での当ブロック内の地方議員は、上述の竹村議員1名のみです。
順次各ブロックについて考察を上げていきます。
候補者が発表され次第、本ページも更新予定です。

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