衆院選比例ブロックの過去結果から、議席獲得な得票率をまとめ（⑦東海ブロック編）
まえがき
「衆議院比例代表の各ブロックの選挙結果(過去6回)から、1議席獲得に必要な得票率をまとめる」シリーズの第6回です。
衆議院における比例代表選挙では、
47都道府県を11ブロックに分割しています。
比例代表はドント方式といって、一定の得票率を獲得することで1議席得ることができますが、ブロックによって定数が異なるため、
当選（1議席獲得）に必要な得票率も異なります。
各ブロックごとの状況を、過去6回分算出しましたので紹介します。
前回まではこちら
01.比例区東海ブロックの定数
静岡県・愛知県・岐阜県・三重県が対象エリアとなります。
東海ブロックの定数（当選枠）は、21議席です。
過去6回において定数は21のまま変わりません。
11ある比例ブロックでは、3番目に多いです。
1議席獲得自体の難易度は高くありませんが、
政党の多くが東京や大阪を中心に力を入れるため、疎かになりがちです。
ゆえに実際は議席が獲得できていたにも関わらず、
取りこぼしが数回発生しています。
れいわについても、その取りこぼしをしてしまった党の1つです。
次回は確実に、1議席目を確保する戦いです。
（後述しますが、平均7.05％の得票が必要になります）
過去の定数は17議席でしたが、
本ページでの分析は19議席だったものとみなして話を進めます。
02.比例区北陸信越ブロックの傾向
02-01.過去6回の全党の得票数
過去6回（2005年の第44回～2021年の第49回）の全党の得票数です。
備考：表の読み方
表は左から、以下のようになっています。
◆過去6回の衆院選の回次と開催年
下に行くほど新しくなります。
◆割る数
ドント方式では、得票数を自然数で割った値を使用します。
◆政党名と各党の得票数、獲得議席と得票率
[1]の値が実際の得票数であり、[2]以降は、得票数をその数字で割った値になります。
(補足1)
全ての政党で2.3.4….と割った値を算出して、以下のように色付けしています。
(補足2)
・「民主党」として1まとめにしていますが、
2014年までは"民主党"、2017年からは"立憲民主党"です。
・「維新」として1まとめにしているものは、
2012年は"日本維新の会"、2014年は"維新の党"、2017年から再び"日本維新の会"です。所属議員は一部入れ替わっていますのでご注意ください。
[人]の値のうち、上側は当時の当選者数、下側は現在の定数12で計算し直した場合の当選人数です。
◆ボーダー当選の値と、前後の値
ドント方式による計算によって、1議席獲得に必要となる「ボーダーライン当選の数値（つまり、最下位でもいいので当選するために必要な票数）」と、その前後（「ブービー当選」と「次点」）の値を示したものです。
◆有効票と1議席ボーダー
・「有効票」は、各政党が得た有効票の総数です。
・「1議席獲得に必要なボーダーライン」は、「次点の数値に１を足したもの」を「有効票」で割ったものになります。
1を加算していますが、実質的にはほぼ無視できる差分になりますので、次点の得票率と近似します。
（以前は「ボーダー当選の数値」を「有効票」で割っていましたが、変更しています）
02-02.過去6回の主要政党分の得票率と獲得議席
表2は、議席を獲得した政党＋れいわ新選組などの主要政党分を抜粋したものです。
【注意事項】
定数21をボーダー（最下位当選）とした場合の数値となります。
当選枠が多い場合、1議席獲得に必要なボーダーラインは下がることになりますが、東海においては
最も低い得票率でも当選できたのが、2012年の3.80％。
最も高い得票率が必要になったのが、2017年の4.15％。
6回平均では3.95％でした。
なお、小政党が乱立するとボーダーが下がります。
02-03.読み解ける地域的特徴
表2で黄色部分に着目すると、
自民党・公明党で過半数、立憲(民主)党など、他党で残り半分以下の議席を分け合う状況です。
前回2021年は自民が9、立憲が5、公明が2、維新が2、共産が1、でした。
共産党は、前回は議席を落としています。
02-04.10位当選の得票数
表3は、表1における21位当選に相当する得票数を抜粋したものです。
この数値は定数を21としたときの最下位当選となる得票数なので、これより得票数が少なくても当選は可能です。
（次点よりも1票でも多く取っていれば当選はできるため）
03.れいわ新選組の状況
03-01.れいわ新選組の得票状況
れいわの過去の東北ブロック内における得票率ですが、
・2019年/参議院選挙は、233,215票/3.92%
・2021年/衆議院選挙は、273,208票/4.06%
・2022年/参議院選挙は、288,775票/4.61%でした。
得票率としては順調に増加傾向です。
他のブロック各都道府県の得票数・得票率は以下ページへ
得票率順位では4県とも中間よりも上位です。
このうち愛知・静岡の2県がトップ10に入っています。
3.95％をターゲットにした場合、1議席獲得は確実。
2議席目は7.90％となるので、現状の得票率から3％程度の上積みが必要となります。
このブロックについては、次回は2議席獲得が現実的な目標です。
03-02.れいわ新選組の候補者擁立状況
2023/09/07時点では、候補予定者は1名発表されています。
第1号は、つじ恵氏が愛知15区に候補予定者として発表されました。
・X(旧Twitter)
ブロック内の選挙区数は以下の通り。
区割り変更に伴い、愛知県は1区増加します。
過去、当ブロック内での選挙区の立候補者は以下の通り。
2021衆議院での小選挙区
・・・愛知10区、愛知15区で立候補しました。
2022参議院では選挙区
・・・愛知県選挙区（定数4）に1名立候補しました。
つじ氏が立候補する愛知15区は、れいわとしては再挑戦となります。
前回は、現在豊橋市議となったすがや竜氏が挑戦しましたが、残念ながら10％に届かず落選（比例復活の権利も喪失）。
自民党の候補が当選し、立憲民主党の新人が落選したのですが、
次回の衆議院選挙では日本維新の会からの立候補となります。
従って、野党系候補が現時点ではいない状況でした。
選挙区での当選を第1目標とし、比例復活するための得票率10％は最低限のノルマです。
マスコミの政党支持率は上昇傾向ですが、比例ブロックとして2議席獲得に至るにはまだまだです。
比例単独候補も1名確保のうえ、選挙区で数人・・・という戦略となりそうです。
都道府県別の得票率は先ほど示しましたが、
自治体単位での得票率まではまだ調べ切れていませんので、
後日更新することにします。
03-03.れいわ新選組の地方議員
2023/09/07時点での当ブロック内の地方議員は3名です。
先述のすがや竜議員を含めて愛知県に3名、岐阜県には1名です。
愛知県内は豊橋、豊川、豊田と、3名とも三河地区に偏っています。
順次各ブロックについて考察を上げていきます。
候補者が発表され次第、本ページも更新予定です。
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