衆院選比例ブロックの過去結果から、議席獲得な得票率をまとめ（⑩四国ブロック編）

まえがき

「衆議院比例代表の各ブロックの選挙結果(過去6回)から、1議席獲得に必要な得票率をまとめる」シリーズの第10回です。

衆議院における比例代表選挙では、
47都道府県を11ブロックに分割しています。
比例代表はドント方式といって、一定の得票率を獲得することで1議席得ることができますが、ブロックによって定数が異なるため、
当選（1議席獲得）に必要な得票率も異なります。
各ブロックごとの状況を、過去6回分算出しましたので紹介します。

前回まではこちら

01.比例区四国ブロックの定数

香川県・徳島県・高知県・愛媛県の四国4県が対象エリアとなります。

四国4県を合計しても、315万。静岡県の有権者数（303万）を僅かに超える程度です。

四国ブロックの定数（当選枠）は、僅か6議席です。
2000年の第42回からは6議席のままです。

11ある比例ブロックでは、最少です。

1議席獲得自体の難易度は非常に高いです。
そのため、れいわは力を入れていないブロックのうちの1つです。

目下、1議席目を目指しての戦いとはなりますが、
現実的には優先度は1番下がってしまうでしょう。
（後述しますが、平均10.39％の得票が必要になります。）

02.比例区中国ブロックの傾向

02-01.過去6回の全党の得票数

過去6回（2005年の第44回～2021年の第49回）の全党の得票数です。

備考：表の読み方

表は左から、以下のようになっています。
◆過去6回の衆院選の回次と開催年
　下に行くほど新しくなります。
◆割る数
　ドント方式では、得票数を自然数で割った値を使用します。
◆政党名と各党の得票数、獲得議席と得票率
　[1]の値が実際の得票数であり、[2]以降は、得票数をその数字で割った値になります。
　(補足1)
　全ての政党で2.3.4….と割った値を算出して、以下のように色付けしています。
　(補足2)
　・「民主党」として1まとめにしていますが、
　　2014年までは"民主党"、2017年からは"立憲民主党"です。
　・「維新」として1まとめにしているものは、
　　2012年は"日本維新の会"、2014年は"維新の党"、2017年から再び"日本維新の会"です。所属議員は一部入れ替わっていますのでご注意ください。
[人]の値は当選者数で計算した場合の当選人数です。

◆ボーダー当選の値と、前後の値
　ドント方式による計算によって、1議席獲得に必要となる「ボーダーライン当選の数値（つまり、最下位でもいいので当選するために必要な票数）」と、その前後（「ブービー当選」と「次点」）の値を示したものです。
◆有効票と1議席ボーダー
　・「有効票」は、各政党が得た有効票の総数です。
　・「1議席獲得に必要なボーダーライン」は、「次点の数値に１を足したもの」を「有効票」で割ったものになります。
　1を加算していますが、実質的にはほぼ無視できる差分になりますので、次点の得票率と近似します。
　（以前は「ボーダー当選の数値」を「有効票」で割っていましたが、変更しています）

02-02.過去6回の主要政党分の得票率と獲得議席

表2は、議席を獲得した政党＋れいわ新選組などの主要政党分を抜粋したものです。

当選枠が多い場合、1議席獲得に必要なボーダーラインは下がることになりますが、四国においては
最も低い得票率でも当選できたのが、2005年の11.06％。
最も高い得票率が必要になったのが、2021年の9.79％。
6回平均では10.39％でした。
なお、小政党が乱立するとボーダーが下がります。

02-03.読み解ける地域的特徴

表2で黄色部分に着目すると、
自民党が3、公明党、立憲民主党、日本維新の会がそれぞれ1ずつ。

共産党は、2000年に1議席獲得したのみで、以降は議席獲得無しです。

02-04.10位当選の得票数

表3は、表1における6位当選に相当する得票数を抜粋したものです。

この数値は定数を6としたときの最下位当選となる得票数なので、これより得票数が少なくても当選は可能です。
（次点よりも1票でも多く取っていれば当選はできるため）

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03.れいわ新選組の状況

03-01.れいわ新選組の得票状況

れいわの過去の中国ブロック内における得票率ですが、
・2019年/参議院選挙は、54,722票/3.78%
・2021年/衆議院選挙は、52,941票/3.12%
・2022年/参議院選挙は、53,576票/3.66%でした。

得票数は5万票台、得票率としては3%台です。
得票率としては21衆議院では0.6％落とし、22参議院で0.5%回復していますが、2019年の水準には戻せていません。

他のブロック各都道府県の得票数・得票率は以下ページへ

得票率順位では愛媛が10位と健闘。一方で香川が46位、つまりワースト2位。
徳島、高知も中間からは下です。

10.39％をターゲットにした場合、
前回の参議院選挙比でも3倍程度の上積みが必要です。

10.39％得票となると、平均3.13％の得票で当選できる近畿ブロックでは、3議席は取れてしまう得票率です。
つまり、他ブロックの2議席目・3議席目が視野に入った段階でようやく四国ブロックについて議席獲得が目標となり得るのです。

先述の通り、他党を参考にすると共産党でさえ1議席すら獲得できないハードルの高いブロックです。
れいわ新選組が議席を獲得するのは相当ハードが高いと考えるのが自然です。

03-02.れいわ新選組の候補者擁立状況

2023/09/24時点では、候補予定者は発表されていません。

ブロック内の選挙区数は以下の通り。

区割り変更に伴い、愛媛県は1区減少します。

過去、当ブロック内での選挙区の立候補者はいません。

比例ブロックとして1議席獲得を目指した戦いです。
他のブロックを重視する関係上、
比例単独候補で1名立てるのが限界でしょう。

都道府県別の得票率は先ほど示しましたが、
自治体単位での得票率まではまだ調べ切れていませんので、
後日更新することにします。

03-03.れいわ新選組の地方議員

2023/09/24時点での当ブロック内の地方議員は、いません。

候補者が発表され次第、本ページも更新予定です。

次回は最後、九州ブロックについて考察を上げていきます。