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フィギュアスケートから受け取った言葉

フィギュアスケートを見る機会は限られていますが、冬季オリンピックでは見入ってしまう競技の一つです。

と言っても細かに技を知っているわけでもなく、技の良し悪しや表現力を見極める目を持っているわけでもありません。

その動きがきれいで見入ってしまう競技なんです。

このフィギアスケートという競技では選手の演技をやり切る意識の高さを見せつけられる機会がたまに起こります。


それは、転倒です。


世界レベルの戦いともなると転倒イコール敗北となるのは想像に難くありません。

そんな敗北がよぎる頭の中では一体どんな精神状態なのかを考えてしまいます。

そう考えるようになったのは自分の仕事による影響でした。

写真はイメージです

僕は長年写真を生業としていますが、結婚式の写真なんかも撮っています。

儀式の一つでもある結婚式では、僕らが式中に「一旦ストップ!」と声をかけることが出来ません。

一方で、カメラは機械です。

肝心なシーンでの設定ミスや機械トラブルなんて当然のように起こり得ます。

また、人間である以上、思い込みや勘違いによるミスを起こしてしまうことも。

大きな失敗…。取り返しのつかない失敗…。


今でこそ気持ちの切り替えを即座にできるようになりましたが、駆け出しの頃から数年間は、失敗の大小に関わらず失敗を後に引きずり残りの撮影に集中できないことがありました。


そんな頃にフィギアスケートでの転倒シーンを見て、ふと

失敗を即座に認めて受け入れる

と言うメッセージを受け取った感覚を覚えたことがあります。

写真はイメージです

選手は長い時間をかけて技を磨いてきたり、体のピークを大会に合わせるために調整したりと様々な努力を重ねてきますが、転倒でそれらが全て台無しになってしまいます。

それでも演技を続けなければいけません。

負け戦であるにも関わらず、その後の演技にブレを感じさせません。

素人目でみるものなのでプロの目からすればブレブレになっていることもあるのかもしれませんが、それでも演技を最後まで続けます。

失敗ってどうしても尾を引くんですよね。

頭の中にその失敗が残ってしまうんです。

写真はイメージです

撮影中に機械トラブルに見舞われ、シャッターを押してもシャッターが切れないことがありました。

新婦のベールを上げ今まさに2人がキスをしようとしているその時に。

咄嗟に反対側にぶら下げていた、もう一台のカメラでカバーしましたが、ブレた写真、ドレスが白く飛んでディテールが写っていない…。

失敗した…。

デジタルカメラはモニターで写真をチェックできてしまうことが、さらなるトラブルを引き起こす要因になります。

失敗すると写真を確認したくなるんですね。

キスシーンの後には、結婚証明書にサインをする行程があります。

モニターなんか見ている場合ではないんです。

失敗した後は自分を安心させたい心理でも働くのか、見ている場合ではないのに見てしまいます。

これは周りの仕事仲間に聞いてみても同様の答えが返ってきます。素人玄人関係なく失敗後に心理的にやってしまう現象なんでしょうね。きっと。

ハッと気づいてシャッターを押し、間一髪サインを書くところを撮り漏れずにすみました。

こんな危ない思いをしたことが数知れず…。

写真はイメージです

フィギア選手が転倒した直後に考えることってなんだろうと思ったんです。

失敗した、仕方ない、次!

頭の切り替えが瞬時に行なわれていることが想像できました。

それには

失敗を即座に認めて受け入れる

これが瞬時にできてしまうのだろうなと…。


起こったことはもう取り返すことはできません。

ミスがさらなるミスを呼ばないように目の前のことに即座に意識を向けること。

そのためには、失敗を即座に認めて受け入れることが大事なんだと、選手の転倒後の演技を見て感じるようになりました。

それからと言うもの、ミスが起こった時には即座に認めることを意識するようになります。

これは僕にとって大きな大きな変化となりました。

カメラは壊れて当然。
失敗が起こったら次に何をすべきかを即座に考える。

そんな思考を持てるようになれたのですから。


フィギア選手から受け取った言葉

失敗を即座に認めて受け入れる

ミスが起こった時に自分を保つためのエールとなる言葉。


***

写真:ストックフォト


ここまで読んでくださりありがとうございます。

こちらの記事は、いいねの日企画室さんの企画に寄せて書いたものです。

始め全然思いつきませんでしたが、思い返してみるとエールをくれる言葉でてきますね。

他にも思いついたら書いてみようと思います。

#私にエールをくれた言葉





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