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マイナスイオンあふれる山〜奥多摩川苔山〜

GW、どこかの山にのぼりたい!
されどGWは道が混む。できれば電車で行けるところがいい。
ならばアクセスのいい東京都の奥多摩!
奥多摩は熊の出没率も高いので、春以降ひと気が少ないときはできれば避けたくGWなら人も多いからちょうどいいに違いない!
と、いささか単純な理由で以前から気になっていた標高1363.2mの川苔山を選択した。
川苔山とは、国土地理院では「川乗山」と表記される。
苔の文字が使われているのは谷で川のりが採れたことに由来するとあるが、漢字表記については両方が混在しているようだ。


ー ルート

ルートに関してはYAMAPのモデルコースを見てもいろいろある。
電車の場合は行きと帰りの場所が異なっても問題ないというメリットがあるので、川乗橋バス停からスタートし、JR青梅線の鳩ノ巣駅へと下山するルートを選んだ。一般的に人気のあるルートだ。
このルートの最大の魅力は『百尋ノ滝』を通ること。
40mもの落差がある滝が森の奥に潜んでいるなんて、それだけでワクワクするではないか!

登山ルート

ー アクセス

今回のルートの場合、川苔山の登山口へはJR青梅線の奥多摩駅から奥多摩駅バス停まで徒歩3分。そこから西東京バスで8駅の川乗橋バス停で下車。
平日週末ともにおおよそ1時間に1本の間隔で運行しているようなので、時間がわかっている行きに使うのが便利だ。
帰りは鳩ノ巣駅に下山するため、そのままJR青梅線に乗車できる。

車の場合、駐車場は鳩ノ巣駐車場がある。
登山口まで100m、2024年4月に無料から有料へ変更になったようだ。
車の場合は鳩ノ巣駅の登山口からピストンがいいだろう。

ー いざ、百尋ノ滝へ

川苔山のてっぺんにはお手洗いがない。
川乗橋バス停にもないので、下山口の鳩ノ巣駅までお手洗いはない。
今回はYAMAPによると7時間の山行なので、お手洗いは必ず奥多摩駅で済ませておきたい。
GWとあり、JR青梅線はほぼ9割登山やハイキングのいでたちの方ばかり。
バスは満席。
7:40 川乗橋バス停に到着。バスに乗っていた人は全員このバス停で下車した。安心する人の数。

川乗橋バス停
ゲートの脇から入っていく

ゲートを入り川沿いの舗装された林道をあがっていく。
夏日予報だが朝のうちはまだ肌寒い。

林道の下を川が流れる
気持ちの良い林道

50分ほど林道を歩くとベンチがあり、ベンチの先の橋をわたると川苔山登山口だ。

ツツジの赤が際立つ
ベンチの先の橋をわたると
登山道への標識
百尋ノ滝・川苔山方面へ
吸い込まれるかの如く森へと入っていく

ルートマップをみてもわかる通り、川沿いをのぼるのでいくつもの橋を越える。

いくつもの橋を越える

道は険しくないが細くぬかるみも多い。
ゲイターをつけた方が良かったかな。

ぬかるみも多い

奥多摩は東京都の山でありながら奥深く、いつも山に入ると森に包まれている感覚になる。
特に川が流れているので空気が潤い、若い緑から差し込む光で心の奥底まで癒される。

差し込む光が新緑と溶けあう
森の中の川から潤いをいただく

ずっとゆるやかだったが、百尋ノ滝の手前は岩や階段が増え息も荒くなる。
危険な感じはなかったが、濡れていると滑りやすいので注意が必要。
今回は累積標高が1200mを超えるので、疲れを溜めないようゆっくりゆっくりのぼっていく。

熊のひっかき跡?という噂
なんだか生々しい
急な岩もある

登山口から45分ほどで滝の音が聞こえる。
階段を降りると・・・

百尋ノ滝に到着!

なんというマイナスイオン!滝そのものも美しかったが、取り囲む森全体がひとつの世界を創り上げていて、私は幸せホルモンでいっぱいになった。
百尋ノ滝は今回の山行の目玉であり、目的の半分といっても過言ではない。
しばらくシャッターが止まらなかった。

妖艶にも思える
ちょこんと咲いている山吹の黄が彩りをくれる

滝をみると反射的にシャッタースピードで遊びたくなるのは私だけだろうか。

SS 1/10
SS 1/2000

ー 川苔山てっぺんへ

ひとしきり滝を堪能し、山のぼりへと戻ることにした。
滝の後は急にのぼったり、平坦なトラバースの道だったり、アップダウンもあり、岩に木の根っこに川に飽きない道だった。
平坦な道でもとにかくゆっくり慌てずに。

のぼるときは結構しんどい
トラバースの細くてゆるやかな道
いったんくだって川をわたる
5月でも落ち葉に埋もれた道
小さな息吹

百尋ノ滝から1時間半、最後の急登を越えると・・

根っこの階段

てっぺん!
ではなく分岐に到着。

てっぺんまでの最後の分岐

帰りはこの分岐から鳩ノ巣駅方面にくだる。
この分岐から10分ほどほぼなだらかな道を進む。

楽園ロード
ここからはほぼなだらか

川乗橋バス停から3時間15分、ようやく川苔山のてっぺん!

新しい感じの山頂標識
てっぺんからの景色

てっぺんからは奥秩父の大菩薩嶺や雲取山もみえている。
素晴らしい快晴で見晴らし抜群。ただ、ここから以外は山を見渡すことはできないみたい。
おなかも空いたのでここでお昼ごはん。
景色がみえるところは人がたくさんいたので、眺望はないけれど静かな場所でお昼セットを広げる。
相変わらずのカップヌードルだけど💦

風が強かったので倒れるんじゃないかと心配だった
気になっていたチリトマトのカップヌードル
下界ではまず食べないけれど、山だと本当に美味しい
これはちょっと辛いので、寒い日暑い日にもってこいだ
山ではスープを飲み干すため水少なめ(だからか美味しそうに撮れてない)

食後に珈琲も飲んだけれど写真撮るのを忘れてしまった。
久しぶりにゆっくりお昼休憩をとり、下山へ。

ー 鳩ノ巣駅へ下山開始

鳩ノ巣駅への道は最初広くて歩きやすいくだり。ベンチもいくつかあった。

のぼりの人には助かるであろうベンチ
あ〜、上から下まで美しい

1時間くらいくだってからは細いなだらかな道。
道はちょっと単調だったが新緑と溢れる木漏れ日がいくどとなく私を引き止める。

新緑の道はやっぱり気持ちがいい
見上げると苔むした石たちが転がっている
新芽のダンス
どこを切り取っても絵になる

しばらくなだらかなトラバースの道であまりくだっている感じがなかったが、最後の分岐で一旦林道に出てまた登山道に入る。

階段をおり舗装された道を少し進むと
再び登山道へ

そこからしっかりくだりのルートになった。
てっぺん近くはベンチが多かったけれど、下におりるにつれ休むところはなくなる。切り株は格好の休憩場所だった。
下山口近辺が急でくだりの中では一番歩きにくかったかも。
そしててっぺんからおりること2時間半、ようやく下山!
最後の10分くらいが車道歩きになる。

最後出てきたところを振り返ってみる
鳥居をくぐり
標識の方へ進む

川苔山は行きのコースが急な道もあったり、川をいくども越えたり、何より滝ありでマイナスイオンたっぷりで心もからだも潤った。
特にこの新緑の季節は最高だと感じる。
川苔山はツツジがたくさん咲くそうなので5月後半はますます見どころが増えると思う。
おだやかにのぼりたければ鳩ノ巣駅からのコースがいいと思うが、基本樹林帯で長く変化はあまりないので、川乗橋からのコースは是非ともおすすめ。

のぼりはやはりきつかったけれど、終わってみたら膝痛ゼロ。
疲労はあるが筋肉痛の感じはない。
ゆっくりと一定のペースでのぼっておりて、しっかり休憩も取ったのがよかったかなと思う。
ゆっくりのぼったが、標準タイムよりも早かったので筋力がまたついてきたのかな。今回はくだりの方が累積標高は大きかったのになんともない膝に「よくがんばった!」と褒めてあげたい。

行きに抜きつ抜かれつしていた女性と下山でも出逢い話しかけた。
「川苔山くらいが日帰りの限界かもです」という私に、
「私くらいゆっくりのぼれば、塔ノ岳も日帰りできますよ」と温かいエールをいただいた。
歳のころも同じくらいの印象だったのでちょっと勇気が湧いた。
夏山に向けて徐々に標高上げていこう!


距離:12.8km
累積標高(のぼり/くだり):1230m/1324m
タイム:6時間38分(休憩57分含む)



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