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東南アジア放浪記~淡い死の香り~

亡き中国人達が眠る墓地。
奥へ進んでいくと、1匹の野野犬が前から吠えながら全速力で向かってきた。しかし、俺は奴らの対処法を知っている。背を向けて走って逃げようもんなら奴らは狩猟本能で追いかけてくる。そして嚙まれてしまう恐れがある。こんな時の対処法は、恐れを見せず、背を向けず、ゆっくりと遠ざかること。野生の勘で自分より弱いものだと認識されてしまうと襲い掛かってくる。日本のペットショップで見かける犬や、友人の飼い犬”五郎”とは程遠く、戦闘態勢に入った奴らは恐ろしい。噛まれてしまうと死に至る狂犬病に感染してしまう恐れもある。長生きはしたいと思っていないが、早死にはしたくない。俺は走って逃げてしまいたい気持ちを抑え、動揺を見せず、奴らより強いことを態度で示した。すると奴らは俺から5メートル程手前の場所に止まり、吠えて威嚇を始めた。俺も負けじと威嚇をしながら後退してなんとか難を逃れた。奴らの縄張りに足を踏み入れたことが運の尽きだった。

ネットで調べてみると有名な動物博士の野犬の対処法の話を見つけた。その博士は親切にも対処法を詳しく話してくれている。どうやら襲ってくる犬の大半は、飢えや不安、狂犬病のどれかだと考えられるらしい。まずは野犬と目を合わせないことが大事。野犬が走って向かってきたら、できるだけ動かず、犬が背後にいかないようにしてくださいと博士は言う。そして、背を向けたり低い姿勢を取ると、自分より弱い相手だと認識してしまうため危険だという。さらに、犬に向かって投げる石や棒があればリーダー格と思われる犬に投げつけ、護身用スプレー、ナイフ、銃などの武器があるならいつでも使えるように備えてください。万が一噛まれてしまった場合はできるだけ早く傷口を石鹸で洗い、すぐに病院へ行き、狂犬病ワクチンを必要量、必要回数打ってください。と博士は言った。

野犬を甘く見てはいけないと、有名な動物博士が言うと説得力がある。
野犬を撃退する護身用のスプレーの所持も考えるきっかけとなった。
これからも気を付けて旅をしていきたい。

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