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マタニティリープマガジン vol.30 子供たちへの思い「根っこがわかると楽になる」食の探求そして移住、パートナーと築く新しい暮らしのかたち 2回/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は日々の暮らしを丁寧に優しく楽しくするHACHINAの木村陽子さんのインタビューの第2回(全4回)です。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 木村陽子さん

〜木村陽子さんのマタニティリープジャーニー〜(第2回/全4回)

現在、木村陽子さんには20歳と15歳の13歳、3人の子供がいる。昨年、東京から函南に移住し、パートナーと2人の子供と共に暮らしている。「食を通して子供と家族を守る」を人生の中心に置き、栄養士として、母親として学び、実践を続けてきた陽子さん。今、長年描いてきた夢が実現しつつあります。三人の子育てを通して何を学び、今、何を思うのか。第2回目の今回は陽子さんが三人のお子さんを育てながら、食の体験を通して探究していく過程を伺いました。

<第一回"子供から見てあげたいと小児栄養の道へ"はこちら>

庭に咲いた椿と家の脇に咲いていたムスカリ
花が好きなのと同じくらい花を活ける時が好きな陽子さん
自分に余裕がないとできないことのひとつ

母乳を守るための食の体験をとおして

ーーお子さんの授乳期に意識したことはありますか。
木村陽子さん(以下陽子)私はすごく母乳が出るタイプだったんです。家系的にそうなんですよね。すごく母乳が出るので、何を食べても母乳が詰まるんです。それで、とても食事に気をつけました。その時は、まだマクロビオティック(以下マクロビ)をやらず、西洋の栄養としてやってたので、油とか普通に使って、動物性も食べてたんです。そういうものを食べると、本当に濃度が高まって母乳が詰まるんです。それから小麦製品は良くないので、パンも控えたりとか、母乳を守るための食事が大変でした。

ーー栄養について色々勉強してきた陽子さん。実際にやってみてどうでしたか。
陽子 全然違いました。最初は西洋の栄養学として、母子栄養と小児栄養をやってきていたので、出産後はしっかり栄養をつけなきゃいけない、そういう考えでした。西洋の栄養学は食べるっていうことで体を整えるっていうのが強いんです。ですから調子が悪いときは何を食べれば良いかと考えます。例えば、ビタミンの多いものを食べるとか。逆に、東洋の栄養学というのは、減らしていく。この食べ物を取り除くとか、体の中の何かを取り除くとか、そういう考えなんです。私も当時は西洋の栄養学だったので、何を食べたら調子が良くなるんだろうという感じで、パンがダメだったら何がいいのかなとか、極端に油ものとかタンパク源を減らすと、体力が落ちる、でも母乳は出さなきゃいけないから食べると詰まる、みたいな繰り返しでした。なので、一週間に一回は母乳マッサージに通って助けてもらっていました。

ーーそうなんですね。その時の体験はその後の考え方に影響を与えてますか。
陽子 そうですね。二人目、三人目と経験して、三人目の時に東洋のマクロビの栄養学を学び始めて、あの時こうすればよかったんだなって、今はすごく思いますね、この経験はすごく大きいです。

ーー一人目、二人目、三人目と子供の状態、自分の状態を通して体験してきたのですね。
陽子 そうですね。一人目は29歳で産んでるんですけど、二人目を34歳で三人目が36歳で産んで、全然自分の体力が違うんです。こんなに違うのかというぐらい。産んだ後、赤ちゃんが一人なのか、上にお兄ちゃん、お姉ちゃんがいるかによっても、体の感じが違いますが、自分の体の状態もずいぶん変わってきていて、女性の体の変化っていうのを体験したのも勉強になりましたね。

りんごのタルト キウイと庭のローズマリーをのせて
基本的にお菓子に卵、乳製品、白砂糖は使わない

問題が起こるところには必ず根っこがある、マクロビとの出会い

ーーだんだんと、西洋ではないところに興味が広がっていってる感じがします。
陽子 問題が起こった時に、対処療法みたいに排除するというのが、昔から腑に落ちなくて。何か問題が起こるところには必ず根っこがある、そこがきちんと解決すれば、上の枝葉は落ち着いてくるはずだとずっと思っていました。それも小児栄養を学ぼうと思ったきっかけでもあるんです。そういう経験の中で、東洋には西洋では補いきれない何かがあるなというのを感じて、薬膳や中国医学を勉強してみたんですけど、そこでもないなと思って、ずっと模索していくうちに、マクロビに出会って、まさに根っこはこれだと感じました。

ーーとうとうマクロビに出会うのですね。
陽子 マクロビに出会ったのは、三人目を産む直前ぐらいでした。偶然見た雑誌に載っていたマクロビの先生の記事にすごく腑に落ちるものがあって、多分これだなと思いました。それと、当時、子どもたちが大きくなって少しずつ自分の傍から離れていく中で、いつまでも一緒に出掛けたり過ごしたり、手をつないで道を渡るわけにはいかない。どうやって子どもたちを守っていけばいいのか、と思っていました。でも、その時に、日頃の食事を整えてあげることで、感覚や気の流れが整い、守ってあげられる。離れていても、大きくなって世の中に進んでいっても、食が子どもたちを守ってくれる。マクロビにはそういう力があることにも感動しました。それから通信でマクロビの勉強を始めました。

ーー通信から始めたんですか?
陽子 そうなんです。お腹に一番下の娘がいて、教室に通うのは少し厳しいかなと思い、通信教育を調べたら、とても充実した通信だったので、これはやってみる価値があるなと思いました。それで、出産後細々ながらゆっくり始めていって、離乳食とか自分の食事で実践を始めてみて、それから二年ぐらいして、娘を保育園に預けるようになったので、吉祥寺の教室に通うようになりました。

ーーその間も栄養士としてのお仕事は続けながらですか?
陽子 はい、小児クリニックで栄養相談をしたり、大学の先生のお手伝いをしたり、市民講座の講師をしていました。あと、そのころは専門学校で栄養学を教えるようになっていました。お腹大きいのに東西線に乗って専門学校に週二日ぐらい教えに行ってました。

根っこがわかると楽になる

ーー根っこあるはずだと、ずっと学び続けてる、探求し続けている感じがします。
陽子 そうですね。私が修士論文を書いていた頃、小児の肥満はすでに問題になっていて、その原因について、いろいろな論文が出ていましたが、結局、堂々巡りなんですね。例えば、共働きだと揚げ物が多いとか、都心に住んでる子は運動不足が原因だという論文が出るんです。そういう論文も大切だし、いいと思うんですが、五年前にもそういう論文が出ているんです。ということは、いつも同じことが繰り返されている。何年もぐるぐる同じような論文が出てて、結局根本は解決できてないというのをすごく感じていたんです。根っこが解決すれば、同じような論文が毎年毎年出ることはないのではないか、という思いもあってずっと探ってきたというのはありますね。

ーーそれが今もずっと続いているというのがすごく伝わってきます。
陽子 根っこがわかるとすごく楽になると思うんです。根っこが治っていけば自然に上の枝葉は治ってくるので、それを見つける価値はあるのではないかと、いつも思ってやってきています。

ご近所の山椒の実や銀杏を乾燥させて保存する

励まし続けてくれた叔母の存在

ーー少し話が違いますが、三人のお子さんが育っていく中での育児体制を聞いてもいいですか?ご両親のサポートとか。
陽子 私が一番下だったので、両親が高齢だったのもあって、東京に引っ越してきてからは、すぐそばに住んでいる母の姉の叔母が、本当に可愛がってくれました。叔母にも娘が二人いますが、結婚していなくて、私を娘みたいにかわいがってくれました。私の母は割と固くて、箱入り娘を育てるようでしたが、叔母はもっと自由にしなさい、よく東京まで家を出てきたわね、偉い! という感じで、東京に来てからは叔母に助けられました。叔母抜きでは今の私はいないというぐらいです。

ーー陽子さんのよき理解者であり応援者だったのですね。
陽子 そうですね。私は、感覚のままに動いてしまう自由奔放な子でしたが、それを良しとして受け入れてくれるのが叔母だったので、本当に公私共に助けてもらいました。

ーーお子さん預かってもらったりとか見てもらったりみたいなことも?
陽子 叔母も高齢だったのと、少しリュウマチがあったので、預けることはしませんでしたが、よく遊びに来て、料理を作って持ってきてくれました。今はもう、半寝たきり状態なのですが、元気な時には、色々教えてもらいました。女性としてどう生きるべきかとか、これからの世の中、子供たちはどう生きるべきかとか。叔母は戦争中の大変な時期を過ごしてきて、自営業で叔父と必死になってやってきたので、そういう生き方みたいなものを本当に教えてもらいました。東京にきてからは叔母の影響は強いですね。

ーーようこさんの本質を理解して、励まし続けてくれた。それでいいんだよって。
陽子 本当にそうですね。いろいろな意味で支えてもらって、もうすぐ自分がその逆の立場になるんだろうな、というのをすごく感じています。叔母に助けてもらったように、周りにできたらいいなっていうのはかなりありますね。

ママ友や近所のつながりが支えに

ーーそれが、今の陽子さんを動かしてるんだということも感じますね。
陽子 そうです。叔母だけでなく、ママ友とか近所の人も、本当に足を向けられない感じで、ここまで来ています。

ーーどんなつながりだったんですか?その方たちとは?
陽子 今でもつながっているママ友がいて、ずっと応援してくれています。私が三人目の娘を産んで半年後、ママサークルを立ち上げた時に一緒に手伝ってくれたり、自宅でランチを出すようになった時も食べに来てくれたり、お料理教室してって言ってくれて、料理教室を初めてやったり。その後、小さい喫茶店みたいなのをやることになった時にも、食べに来てくれました。私は半分自営なので、もうダメかなっていうことも数知れずありましたが、そういう時でも、ママ友や近所の方に助けてもらいました。

ーー感覚のままに道を開いていく陽子さんのそばには、必ず叔母さんとかママ友とかがいた。
陽子 本当にそうですね。きっとどっかに答えがあるという思いがあって、でもそれは考えてるだけでは見つからないので、これかなあれかなと思いながらやり続けて、さすがにこのまま子供を育てていくのは少し厳しいかもという時が何度もありました。専門学校の講師の仕事ももうダメかな、病院や保育園で管理栄養士として働かないとダメかなと思った矢先に、お仕事の話をいただいて、これでまたやってけるかもしれないということもありました。ある意味綱渡り状態なんで、そういう方たちの繋がりがなかったら本当にここまで来てないと思いますね。

11月のお料理教室にて
季節に沿ってシンプルに、美味しいと感じる感覚を大切に

家族の変化を乗り越えて

ーーちなみに旦那さんは、その間はどんな感じでしたか?
陽子 私は本当に自由に動いてるので、旦那は多分ついてこれなかったんだと思います。文句は言わなかったけど、何をやってるのかな?みたいな感じだったと思います。旦那が心身の調子を崩したこともあって、子育てへの関わりはあまりありませんでした。私に旦那がついてこれなかったというのもあるでしょうし、旦那自身の精神力がもたなかったということもあると思います。

ーーそれで、関係を完了するという選択をされた?
陽子 そうですね。はい、今は関係は続いてないです。

ーーどういう結論を出すかというときにどんな思いがありましたか。
陽子 とにかく子どもの将来を守りたかったです。子どもは未来のために生きていて、大人の過去を引き受けたり、背負ったりするためではない。それぞれの子どもの個性を思い切り伸ばして広げてあげたい。それを全力で守れるのは母親、という思いがありました。その時も、本当に叔母には助けられました。人生経験がある方なので、いろいろ相談しても、大丈夫よこれは多分乗り切れるわよ、とか、うちの家系はそんな弱い女じゃないわよ、と励ましてくれました。

ーー叔母さんには、本当の気持ちを話したり、いろいろな相談をしてきたんですね。
陽子 そうですね。なので、長男が大学へ行って一人暮らしするのを本当に喜んでくれました。私がこういうふうに暮らしているというのも多分一番喜んでくれていると思います。

第三回へ続く


▪️編集後記


マタニティリープの活動をしていく中で大切にしていることは初めてのことでもまずトライしてみること。その中の一つがCanvaというツールを使ったデザインやinstagram のコンテンツづくり。以前から、何かを伝える、コミュニケーションをはかるには、デザインの力が大事だ、と思ってはいたものの、何から手をつけて良いのか分からず、少しやってはみるものの、上手くいかずを繰り返していました。

そんな時に救世主のように現れたのがツキノハ編集舎のさいとうゆみこさん。個人事業主や小規模企業のinstagram活用をマンツーマンで指導している。斉藤さんに、自走できるようになるまで伴走しますよ、と言っていただき、なんと心強かったことか。その中でCanvaや動画ツールの使い方も教わっていくと、もっともっと伝えたい、と思うようになっていきました。

すると、クラファンのチラシも作ってみよう、瞑想の動画もつくろう、アーカイブ動画も作ろう、夢中になって作り始めました。最初はつたなく、思い通りにならないものが、だんだんとみんなの想いを形に乗せられるようになってくると、試作品を仲間に見せるたびに、嬉しいフィードバックや新たな行動のアイデアが生まれてくるようになりました。デザインの力を借りる、形にするパワーをヒシヒシと感じます。デザインはプロにお任せするという選択肢もありましたが、自分でやってみたことで仲間との対話が進み、新たな喜びや可能性を感じることができました。

作成中のチラシ 
少しづつ想いを形にできるようになってきました
instagram ストーリー @maternity_leap
メンバーでの対話から生まれた言葉たちをようやく形に

いよいよクラファンに向けての準備も佳境に入ってきました。まだまだ未熟ですが、これからもデザインと発信を続けたいと思います。みなさん、どうぞ応援よろしくお願いします。


<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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