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トラベラーのご紹介

 お久しぶりのアドベントカレンダー記事です。
今日の記事は私マッチ棒こと山内による、「トラベラーのご紹介」です。
 私の大好きなTRPGを紹介できる機会を得て大変うれしく思っています。TRPGという遊びは数あれど、最も広大な世界観をもち、最もシンプルで、最も強固なTRPG、Travellerを紹介させてください。

トラベラーって何?

 『トラベラー』(Traveller)は、ゲームデザイナーズ・ワークショップ(GDW)から1977年(!)に発売されたSFロールプレイングゲームです。
デザイナーはマーク・ミラーというアメリカの方です。
Travellerは、広大な恒星間国家〈帝国〉とその周辺宙域を舞台に、プレイヤーキャラクターが第二の人生を歩むTRPGです。

 ところで皆さんは「ここでは無いどこか」にいきたくなったことはありますか?
TRPGはさまざまなゲームシステムにてそれを実現させてくれる側面も持っていますが、その中でも最長不倒記録を持つゲームシステムがあります。それがトラベラーです。

ところでTRPGってなに?

 TRPG=テーブルトークRPGとは、『ルールのあるごっこ遊び』です。
 皆さんが御幼少のみぎり、「戦いごっこ」などしたことあれば、どんなに攻撃しても『バーリア!!バリアバーリア無敵!!バーリアバリア俺勝利!!』など言ってくる悪ガキが現れ、遊びにならなくなる経験があろうかと思います。
そのあたりを参加者共通のルールを作って解決し、大人のプレーに耐えるものに作り変えたものである、というのが、ざっくりとしたTRPGの解説です。

くらえセンス・オブ・ワンダー

 トラベラーとは、それまでの人生を全部投げ捨てて冒険に出る、宇宙と未知の惑星とを旅するTRPGです。
 氷の星や毒ガス惑星といったとんでも環境を、超能力帝国の敵国人や猫耳星人、イヌ星人、果てはヒトデ星人などと交流しつつ進みます。
センスオブワンダーの面白さを味わうならまさにこれ! の一品です。

 トラベラーでは、プレイヤーは第二の人生を始めるキャラクターを演じながら、サイコロ二個を振って出た結果をいくつかの表と簡単なルールに照らし合わせつつ、旅から旅の物語を紐解いていきます。
その移動距離はまさに宇宙レベルです。具体的には、参加者は一コマ1パーセクで表される巨大な地図を見ながら旅します。
 1パーセクって何かというと、光の速さで3年と3ヶ月掛かる距離です。
トラベラーではこれをワープ航法でおおよそ1コマずつ飛んでいきます。
ある時は旅客として、ある時は船員や船長代理として。そして、行く先々の星(世界)での面白風景、奇妙な風習、奇怪な生物などとの出会い!別れ! 冒険!を3時間ぐらいの短時間で遊びます。(短時間と言っているのは長時間やると疲れ果て、キャラクターの前にプレイヤーが過労で倒れるからです)
 トラベラーでプレイヤーが紡ぐのは遠い遠い未来の話です。訪れられる世界はあまたあり、いくつかは未開(恒星間飛行技術がない)の地域どころか、中世レベルまで文明後退している星すらあります。
 そんな世界群を、あなたは来訪者としておとずれ、時に挑戦し、時に無双します。一つの箱庭の中で、圧倒的自由度の中、オリジナルの風景やシチュエーションを組み立てられる。それが、トラベラーの魅力です。

トラベラーを遊ぶ簡単なコツ7つ

 というわけで、簡単にトラベラーを遊ぶコツをご紹介します。といっても、以下の7か条を守るだけです。

  1. このゲームは妄想力を試されるゲームである、と最初に言おう。

  2. いわゆるネットの言説は全て忘れ、卓内の決定が全てと言おう。

  3. なるべくぶっ飛んだ舞台で遊び、なんでこうなったかを想像しよう。

  4. 1〜3の話をした上でレフリーが編纂したサマリーを渡し、プレイヤーに読む時間を与えよう。

  5. レフリーを補完するものとしてサマリーがあり、サマリーを補完するものとしてルール本体がある。と言おう(これは他卓での言説を持ち込む輩への対抗策)

  6. ゲームの主体はプレイヤーである。と言おう。

  7. 6に基づきレフリーは誘導禁止。

 それ以外、準備はとくにありません。
プレイヤーのやりたい方向に併せて道ができていく、そういうゲームとして進行させることができます。

シナリオとか必要じゃないの?

 今風のシナリオと呼ばれるものはトラベラーでは必須ではありません。
というのも、トラベラーは1977年に発表されたTRPGです。正確に言えば、トラベラーは今で言うシナリオとかが存在しない時代に生まれたTRPGです。
 最近のTRPGでは初期設定や、PC間関係などを盛り込んだハンドアウトなど、あらかじめ作ってプレイヤーに渡すものを含めたゲーム内の筋書きを「シナリオ」と呼んでいますが、トラベラーにはそういうものがいっさいないのです。

 そもそも、あらかじめ考えておく、というのをトラベラーで許容すると大変なことになります。そもそもキャラクターがどういう変遷を遂げるか、キャラクター作成してみないとわからない。ものすごく広大なマップと運用上近無限な選択肢がある中で、あらゆる確率の全部を想定してゲーム作るのは無理なのです。

超巨大マップのあるゲームの遊び方

 その一方で、超巨大マップを上手く使うとすごくおもしろいゲームができます。
 そもそも超巨大なマップをお見せした上で、そこからいくつかデータを拾うだけでも、インパクトだけなら今のゲームとでも十分戦えます。
 また、どんなに壮大な話をしても、所詮は超巨大マップに対してはあまりに微細な、端っこだけでの話ですから、大した影響は出せません。逆説的に、何をしても大河のなかの粒でしかないので、どんな(壮大なor微細な)話をしてもいいのです。これはもうだめだ。やばい。となれば別の惑星(=世界)に逃げちゃってもいいのです。

プレーの実態はぐだぐだです(いい意味で)

 僕の知っているトラベラーでは、プレーがいちど始まれば、プレイヤーは数値と設定との相互読み替えをし続けながら、お互いに妄想を受け入れ合って世界の形を描いていきます。
 いい感じに世界が描けたら、レフリーが大きな目的を宣言しますので、プレイヤーにはそこに向かって進んでもらう。
 参加者はお互いに語った内容をいいね! と言いながら拾えるところだけ拾います。究極的には参加者のやることはそれだけです。
サイコロもたまに振りますけども。あまり主眼とするところではありません。(サイコロ頼みにするとすぐ死ぬからです)
 最初に大目的をだして、大目的のための小目的を、ちょろちょろと出しては処理、をしていけば、あとは、ほぼロールプレイ進行で進めてしまってかまいません。(少なくとも、私はそうです)

ぶっ壊れ性能をかみしめよう

 そういった、ほかのゲームシステムなら即ぶっ壊れそうなセッションを、キャラ作成(セッションゼロ)に1時間をかけ、残り時間をメインプレイとしていくらでも遊べるのが、トラベラーのいいところです。
 興味を持たれたら、ぜひ私を呼んでください。一緒に遊びましょう。

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 そんなトラベラーについて、私はリプレイブックを書いています。「トラベラーリプレイ『悪徳ローンをぶっ飛ばせ!』」
おかげさまで順調に頒布部数を増やしています。よろしくお願いします。
https://conos.jp/product/akutoku_loan/
リプレイブック次の展望としては、小説や朗読劇にしてみたい気持ちがあります。マルチメディア展開をいつかやってみたい。なかなか手が出せていません! リプレイブック2とかも出してみたい!
来年は頑張りたいですね。

 さて明日のアドベントカレンダー記事は、あか☆ねこさんの「トーキョーN◎VAについて何か書きます。」だそうです。楽しみですね!
アドベントカレンダーのURLはこちらです。ほかにも素敵な記事が盛りだくさんですので、読んでみてくださいね!
https://adventar.org/calendars/8654

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