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3x3EYES 鬼籍の闇の契約者 読んでみた感想


アマゾンレビュー的に書きます。ネタバレはちょこっとあります。

私はサザンアイズは11巻までがガチ好きで、
12~18巻あたりまでが好きという人です。

(当時子供で続きが気になり夜中にパジャマの上に上着着て
本屋に買いに行った…くらい好きですw)

つまりアマラ編以降は正直興味を半分くらい失っていて
原作完結も数年後に読んだ有様でございます。

完結してから、webのヤンマガで連載再開、
復活してからの2本目の新作が【鬼籍の闇の契約者】全8巻である。

で、感想ですが
初期のサザンアイズファンからすると正直…微妙です。🤔

トータルとしてのサザンアイズが好きな人は
違和感なく入れるでしょう。😊

さて具体的に論じていきます。


■哲学、政治的メッセージ色の強い作品

今回の話は、サザンアイズというよりも
作者さんが前面に出てくるというか
主役は八雲やパイというよりも
主役は高田裕三氏という印象を受けます。
キャラもよりも存在感が強いwメタってますw

何故高田氏が前面に出てくるかと言うと
哲学的、政治的メッセージが強いから


↑強い強い!政治色強い!

平和を求めていたはずがテロリストになり力の虜になる(喜一)
色々不満はあるが現実世界を受け入れるしかない
矛盾を抱えてるけど楽しくやってるそれが人間なんだと
でも世界を統一しようとする者(ウロボロスやカイヤンワン)は消えないから力を使って守るしかない
まぁそんな感じですね。

既存作品を一本の映画に落とし込んだかのような内容で
非常に濃い作品になっています

最近のジャンプ作品なんか単行本一冊5分以内に読めてしまうような
台詞スッカスカの作品も多い中……

今作は台詞も多いほうなので実際映像化するとしても
一本の映画としては長いほうでしょう。
というか原作初期のほうのリメイクアニメ化も望まれます。
うしおととらも時間が経ってからのアニメ化なので
ぜひ見たいですね。


■バトル作品としてはどうか

さてではサザンアイズの魅力の一つである
バトルアクション作品としてはどうでしょうか

既に原作ラストで召喚獣連発で限界のような戦闘を展開していたわけですが
新作ではそれを超えるものを見せるか同等のものを用意したいと
作家としては考えるでしょう

よって戦い方に変化が見られます
八雲の(いわゆる)武器といえば、
コアンヤアかトウチャオが主力でしたが…
今作ではあまり存在感はなく
精を使用した剣だとか、
敵(ウロボロス)のかけらで作った武器で攻撃
とか…
正直…地味ですw
初期サザンアイズが持っていた独特の感じがやや失われています


↑いわゆるオーラソードですね

防御面に関しても、
精を使ったシールド…
まあ部分的なバリアみたいものをはるのがメイン
になっていて
これも以前の戦い方からはかけはなれています
魔法バトルみたいになってきてますw

しかも八雲は
ドラゴンボールでいうところの…
瞬間移動(短距離転位、トリツプ)ができるようになっていて
それもバトル内で頻繁に使われます。
……あなたが思っている以上に頻繁に使われますw
八雲だけでなく、敵側も瞬間移動を頻繁に使います。

さらに恐ろしいことに敵側は相手に対しても強制的に瞬間移動(フラッシュムーブ、トランスファー)をしてきます。
攻撃しようとしたら危険な場所に飛ばされるわけです
もうわけがわかりませんw

つまりオーラの剣と盾と瞬間移動でとびまくって戦っているわけで
いやこれもう魔法バトルやんw

また戦闘シーンも、
極限状態の戦いを表現してるため
何がどうなってるのかよくわからない描写が多く
(バリアを張らなければ大ダメージを受けてしまうような環境で
常に範囲バリア貼りながら、かつ相手の攻撃をオーラ盾で防御しつつ…みたいな)
原作初期のコアンヤアやトウチャオのかっこよさが失われているというか
バトルを見ていてもあまり気持ちよくないのです。

つまり新たな見せ方で描いてみたけど、複雑な要素を足し過ぎて
元の魅力が半減させてしまっている…
そのような印象を受けました。

しかしこれらの要素は、格闘漫画の宿命というか
ドラゴンボール、naruto、ブリーチなどにも見られますが
戦いが進化しすぎて…そのすごさを表現しようとすると
逆に劣化しているように見えてしまうという問題
でもあります、
それがサザンアイズにも起こっているわけです。


↑原作より数段強くなってるはずなのに、何故かセル編のほうが私には数段強く見えるのである…設定と描写の表現は重要である。

その極限バトルをどう表現してるのかを確認してみる価値はあります

ただここらへんの描写もアニメならもっと気持ちいい超スピード感のある映像作品にすることが
可能かもしれません
、漫画で限られたページと表現だとしにくくなってるのかもしれませんね。🤔

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■無力な人間がいきなり極限の力を手に入れる設定は萎える

喜一というキャラはウロボロスと契約をすることで神のような力を手に入れます。
これはドラゴンボール超でいうところの、グラノラと似たような展開です。
これ、八雲達(悟空)はここまで苦労して能力を上げてきたわけで
ニコ生配信者設定の喜一(グラノラ)がいきなり最強になるのは
読者からすると萎えます。

人一人の命を代償にしたぐらいで最強の力を得られるのは
ちょっと安すぎませんか?そう思ってしまうのです

ただし、ラストは原作ファンの希望通りのお相手が待ってますので
ご安心ください。


■独特なコマ割りが若干読みづらい

描写の変化もあります。
これはコマ割りにあらわれてますが
恐らく作者さんの独自のものを見せたいという考えから来ると思うのですが
独特なコマ割りが多く
すっ…と読めないというか、
その「独特さ何?」みたいな思いが間に入ってきてしまう感じなのです

瞬間的に判断しづらいのと、セリフが多いので
読みにくさを全体的に与えてしまっています。
読めるのに支障はなないのですが…
(上、右、左どっち先なの?みたいなコマもあります)
なんかちょっとスピード感が失われるようなコマ割りというか

そういう試みは評価したいのですが、成功には至ってないのかなと


■外国のローカル要素が比較的少ない

初期のサザンアイズには色んな国の要素が強く出ていたと思うんです。
香港、チベット、インド、エジプト
そういう要素がかなり弱いというか…

舞台も色んな国というよりは…
地球、月、木星と言った感じなので

なんかグローバリズム的世界観が今作では覆っていて
そこも…過去と比較してわくわくしない要因になってる気がします。


■世界を対象にしてる話なのでキャラが多すぎて感情移入しにくい

タイトルそのままなんですが、キャラが多すぎて感情移入しにくいです。
原作キャラも今作には多いし、新規もキャラが多く、設定が全世界を巻き込むことになってるのでキャラも多くせざるをえないというのはありますが
ちょっと多すぎたかなと

このキャラが多すぎるのが、
セリフが多くなったことにも繋がってきてますね。


■八雲が開眼するのは結構魅力的

まぁ別に糸目なだけなんですけど、極限のシーンで開眼するのは
眼力が強調されてて変身してるみたいで魅力的です。


■木星で戦うそんな描写が読めるのはこの作品だけ!?

木星の中の描写をしている作品もほとんどないので
そんな中でさらにバトルしてるっていう面白さはありますね😌


■作者の力作ではある

というわけで…
作者さんの年齢を考慮すると
十分すぎるくらい濃い作品ではあるし
力作ではあるのですが

初期のサザンアイズファンには届きにくい惜しい作品になっていると感じました。
まだ続編がありえる内容なので今後も期待ですね😋

個人的なおすすめ度としては★★★☆☆(3)

***
読んでいただいてありがとうございます
コメントはご自由にどうぞ!

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