読後の奇妙な爽快感を得られる作品
「あぁそういうことか」という爽快感を得る事ができるのも、僕が怖い話が好きな理由の一つです。その快感はホラーでなくとも得られるのですが、ホラーだから爽快感がより際立つのではないかと思います。
今日、紹介するのはホラーではありませんが「あぁそういうことか」という快感を得る事ができる短編です。
阿刀田高さんをご存じの方は多いでしょうし、この短編は有名ですので、最早、僕が語る事は何もないでしょうが、若い時に読むのと、四十歳を過ぎて読むのとでは、阿刀田さんに対する印象が変わっている事に気がつきました。
やっぱり、若い頃は反抗心というのが少なからずあって、阿刀田さんの作風がスカしている感じがあって僕は嫌いでした。それでも読むのを止められなくて、今でも僕の本棚には、彼の本がたくさん残っています。
最近読むと、なんとなく余裕を感じるのです。なんか、大人の男って感じで、それがわかるようになったのだなと自分の事ですが、そう思いました。
ナポレオンの遺品を完璧に揃えたいコレクターと、ナポレオンの生まれ変わりだと信じている男。その二人が出会ったらどうなるかという、盾鉾的な構成ですが、まぁ読後の奇妙な爽快感を得る事ができる作品です。
一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!