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2024年1月|3000円ワインまとめ

2月から、四谷三丁目にてシューイチワインバーを開きます。

それにともない、各所から仕入れやら取引きやら商談という名の飲み会やらをしているわけですが(最後のは飲みたいだけ)、なんというかすごく…不思議なことが起きています。

いわゆる、ワインの事業者として(やむにやまれず)開業し、(ほかに道がなく)レンタルスペースを借りてお店を開くことになったのですが、どうやらこのことによって、「できること」と「行ける場所」が急に増えたんですね。

つまり、「ワイン業者としてなら紹介できるけど、行く?」みたいな、お声掛けをいただけるようになりまして、お、おや?あれ?なんだここ、今までと見える世界が違う、ぞ…?と、その変化に自分がいちばんびっくりしています。

そうか、業者になるって、こういうことなのか…!

昨年3月にワイナリー勤務をはじめ、「ワイン業界」に来てもうすぐ1年。ここで「サービス」に舵を切ってみると、「造る」のと「売る」のとでは、見える世界がちょっと違うことに気づきます。

チョウアイなにそれ美味しいの?みたいな世界線から、卸から小売りへの流れをつかむこと、損益分岐を考えながら仕入れの難しさを知り、さらには飲食業界の厳しさや業界の文化まで……

日々しらないことに右往左往しながら、なんとかひとつずつレンガを積んでいってます。これを積んだら、なるほどこっちが積めるようになるのか!みたいな。いや、積んでるつもりで、もしかしたらなにも積めてないのかもしれないけど…(急に不安になる)

でもこれ、わたしひとりじゃあ到底このスピードではたどり着けなかったです。わたし悩むとすぐひとに話すんだけど、そうすると業界の先輩たちが、本当にいろいろ教えてくださるんですよ。もうさあ、なんだろうな、ものすごく親切というか、なんとなく遊ばれているというか……(失礼)

でも、だったらずっと、わたしはみんなに遊んでもらいたいです。わたしの心はいつまでも、小学校の放課後のグラウンド。新しい遊び場所を見つけたみたいな気持ちで、新しい世界を知っていきたいんですよね。

ーーと、ここまでくると、やっぱりあたしはいつまでたっても、「飲み手」の最前線なんだなぁ…と実感します。わたしはたぶん、ワインの「一流プロフェッショナル」にはなれない。ただただ、いつまでたってもワインを飲むのが好きで、そして、ワイン片手に誰かとおしゃべりするのが好き。

というわけで、おしゃべりとワインを楽しむシューイチワインバー。みんな、来てね!できれば予約して!ほんと!ひとりでも来ると思えば、ほっとするから…ッ!😭(必死)


格付け2級の(実質)サードワイン!左岸らしさあふれる、しっかりボルドー。

■ シャトー・ローザン・ガシー/ロルム・ド・ローザン・ガシー 2016[¥3300]

あけましておめでとうございます🎍今年は我が家にしては珍しい、「どこにも行かない」お正月。
せっかくだからと断捨離を思い立ち、大晦日と元旦はとにかくひたすら片付けをしてました。生まれたゴミ袋の総数、40㍑14袋…!本と服はリサイクルにまわすので、いかに我が家が身重だったのかが鮮明になりました。うわぁ

さてそんな新年、最初の #3000円ワイン はボルドーから。格付け2級のサードラベルとも呼ばれる、ローザン・ガシーの赤をいただきました。

はっきりとしたブラックベリーの香りと、バニラや樹脂のような樽の要素。くちに含むと思った以上に酸が高く、さらに印象的なのが収斂みのあるタンニンです。どちらかというと「強め」の印象で、思わずああいいね、きみ、ボルドーしてるね!と口走ることに🥳(何目線)

ボルドーが飲みたい夜にこれを飲んだら、
そうそうこれこれ、今、これが飲みたかったのよ〜!と満足できる1本でした🍷

今年もたくさんの美味しい3000円ワインと、たくさんのひとに出会っていけますように。きっと、いい年になります。わたしも、みんなも。

コストコで買った3000円台シャトー・ヌフパプ。本領発揮は…1週間後?

■ カークランド シグネチャ(コストコオリジナルブランド)/シャトー・ヌフ・デ・パプ 2020[¥3000]

こちらカークランド印、すなわちコストコのオリジナルブランドです。ローヌのグランヴァン「シャトー・ヌフデュパプ」がまさかの3000円ということで、半信半疑で連れ帰りました。

抜栓してもまだ香りはたたず、いわゆる「閉じてる」状態。ま、そりゃヌフパプはそうでしょうよと、最近料理にハマってる夫がコトコト肉を煮込む間、じわじわ待っておりました。

2時間もしてくると、アセロラやチェリー、プルーンのようなほんのり赤い果実味があらわれます。同時にいかにもローヌらしい、スパイシーさや獣感がみえてきました。

おお、うんうん、ちゃんと美味しい。ちゃんとローヌしてる👑とはいえ、まあ、これは3000円台で買える美味しいローヌ・赤、だなあ…!と思っていたら、今治のワインバー・ブルーノの青野さんから「1週間置いてみてください」とのアドバイスをいただきました。

時すでに遅し。すでに飲みきってしまったことを伝えると、青野さんが重ねて呟きます。
「シャトー・ヌフパプは、死なない。」
シャトー、ヌフパプは、死なない…!(太字で復唱)

ローヌワイン、好きなのですが、実は美味しいヌフパプにまだまだ出会えていない我が家。これはさあ…抜栓後1週間のヌフパプを、誰かに飲ませていただくしかないんじゃない?誰かー…ッ!!

今治に行くしか…?🥺

正月締めは、日本ワイン!

■ シャトー・メルシャン/大森ケルナー2018[¥3270(税抜)]

長いお正月やすみでした(夫が)。最終日の夜は、日本ワインで締めましょう!👏

こちらはワイナリー限定品の大森ケルナー。秋田県のブドウを使って醸造されたワインです。ふるさと納税でいただきました。

香りはほんのりとしたペトロール感があって、ふんわりとした厚みを感じます。飲んでみると柚子やかぼす、ライムのようなキュッとした酸味。香りのふくよかさとのギャップがあって、飲んだほうがより「日本ワインらしさ」を感じます。

北海道のケルナーって、もっとアロマティックな印象なのですが、こちらはもっとシャープな印象。とても綺麗なつくりで、誰が飲んでも安心できる、日本ワインらしい日本ワインでした🥂さすがメルシャンさん…!

うーん、いいね。お正月らしい!今年はどこにもいかなかった分、ゆっくりとお正月を満喫することができました🎍最後に日本ワインで、総仕上げをしてもらった気持ち🫶

ちなみにお料理は、急にお料理男子になった夫シェフのポトフとともにいただきました。夫はとても丁寧なひとなので、どれも美味しく、幸せな数日間だったけど、さてつぎに料理をするのは、いつになることやら…………🕊

さあさあ、今年も働きますよー!

一周まわってシャブリ、ありよりのあり。

■ ラ・シャブリジェンヌ/シャブリ ラ・ピエレレ 2021 [¥3850]

ワインを好きになり始めた頃、「なんか聞いたことあるやつ」をひととおり飲みたくなるじゃないですか。品種と産地の違いさえもまだ、曖昧だったあの頃。

「今夜は、シャブリが飲みたいです」

勇気を振り絞って、ソムリエに伝えたこともあったっけ。

そんな日々を超え、ブルゴーニュの畑がどうとか、どこの土地の傾斜がなんのとか、熟成がうんたらとか、いつしか面倒くさいワインオタクに育ってしまったわたし。「無印シャブリ」なんて、飲まなくなってひさしいわけです。

で、今夜は夫シェフが「どうしてもレンズ豆を煮る」という謎の使命感にかられています。(えー、今から煮込んだら日付超えるんじゃ…?)と思いつつ、シェフを育てるのもあたしの役目……

というわけで、じゃあなんか、すっきり白でも飲もうかと、セラーに待機していたシャブリ氏にお出でていただいたのでした。レンズ豆よ、はやく煮えてくれ…

シェフののんびりクッキングを待ちつつ、飲みはじめたシャブリ。いや、なにはともあれ美味しいのね、シャブリって。

こちら、シャブリの生産者組合が造るシャブリなんですが、ふっくらとした青りんごの香りはまさに「ザ・シャブリ」。ちょっとクリーミーなレモン感もあって、ただスッキリ、だけじゃない。シャブリとしての上質さというか、ちゃんとしたシャブリというか。硬質なくちあたりは、いかにもシャブリ飲んでます!感でした。えー、いいじゃんか…!

レンズ豆との相性はもちろん、シェフのうっかりで塩っぽくなってしまった豚肉をまあるく包みこんでくれたこちらのシャブリ。ほえーミスの補正までしてくれるなんて、優秀かよ…!

ワイン好きになればなるほど、なんとなく遠ざかるワインってありますよね。シャブリ、いいんじゃないでしょうか。セラーの常備薬として、ありよりのありです💡

軽やかカリピノのナイスペアリング、爆誕。

■ アンジェリーヌ・ワイナリー リザーヴ ピノ・ノワール メンドシーノ・カウンティ 2017 [¥3900くらい]

こちら、ウメムラさんの福袋から。カリフォルニアはメンドシーノのピノ・ノワールです🍷

今夜はさきに、料理が決まりました。週末夫シェフが「鶏肉を縛りたい」と申し、タコ糸を探して100均めぐり…なぜか見つからぬタコ糸。店員さんにきくも、在庫切れ。なんなの、みんな、お正月そんなにタコあげたの?!

そしてなんとか見つけたタコ糸を使い、ローストチキンを焼き始めた夫。我が家にあるなかからは…これかな?と、カリピノをチョイスしました。

こちらのワイン、わりと樽の香りがしっかりあり、ベリー系の果実味もあっていわゆるカリピノらしくはあるのですが、酸もそれなりにあって軽やかなので、するする杯が進みます。

そして、できあがったローストチキンの美味しいこと…!ぷるっぷるでジューシーで、このワインのジューシーさを引き立ててめちゃくちゃ美味いやんこれ…!

夫シェフ、腕があがってきました。あれ毎週末楽しみになるやつこれ…?

🐔ローストチキンの作り方
鶏もも肉に塩コショウをふって、タコ糸でちょっと丸めてしばり、表面にフライパンで焼色をつける。予熱なし230℃のオーブンで15分。以上!

ぜひみなさまも、軽やかカリピノのおともにどうぞ🤲

南イタリアの果実味だけじゃない、ちょっとシックなネロ・ダーヴォラ。

■ プラネタ/プラムバーゴ 2020[¥3800]

今回はようやく届いたうきうきワイン福袋、イタリアワインセットです🍷

プラネタは我が家3本目(グリッロ/フィアーノ)、これまでもちゃんと美味しく上品な印象がありました。だいたいどれも3000円くらいするので、福袋で出会うとほんのり嬉しい生産者☺️

こちらはシチリアのネロ・ダーヴォラです。ネロ・ダーヴォラ、去年出会って好きになった品種のひとつ!

香りにはほんのり樽、というか、ちょっと土っぽい雰囲気。プラム系の果実感と、高い酸味が特長です。タンニンもありますがやや柔らかく、全体的に軽やかでエレガント。後半にほんのり漂うバニラ感が、なかなかイイ感じ👍

ちょっとシックで上品な印象のネロ・ダーヴォラ。「すっげえ美味ぇ〜〜ッ!」というよりも、ちょっと時間をかけてゆっくり飲みたい。実際、後半にかけて果実味が出てきたので、最後がいちばん美味しかったです🥰

なお、今夜の夫シェフは手羽元の煮込みでした🐔
「酢がない!」って言ってたのでどうするかと思ったら、ポッカレモンとバルサミコ酢で代用した様子。そんなこともできるようになったの…?(いつのまに)

白桃ジュース、みんなお好きでしょ?

■ インディアン ウェールズ / シャルドネ シャトー サン ミッシェル 2019[¥3330]

ワイン屋のポイントが切れる!というワイン好きあるあるで、夫が購入してきたワシントン州のシャルドネです。寒い夜にしっかり白が飲みたくなり、こちらをチョイスしました。

ところでワシントン州のワインて、ほとんど飲んでいません。ワインの記録をはじめて1000本を超えていますが、なんとこのシャルドネで、我が家2本め。しかもよくよく見たら、前回いただいたのもおなじ生産者のロゼ泡でした。なるほどー、まだまだ知らない産地ばかりだなあ…!

さて、ワインです。

はちみつのような外観に、にこにこしちゃうトロピカルフルーツの香り。しっかりときいた樽に、穏やかな酸。あ〜〜そうそうこれこれ、これぞアメリカシャルドネ…!と、欲しいところに球がストンと落ちてきた感に、なんだか嬉しくなります。

でも、いわゆる「樽びっしばし」かと思いきや、これが意外にすっきりしていて、ごくごく飲めちゃうんですよね〜。まるで白桃ジュースのような存在感。ほら、みんな白桃ジュースって好きじゃないですか?じゎあこのワイン、絶対好きです!(胸を張る)

晩ごはん作るの面倒だねと買ってきたケンチキと、アメリカンマリアージュでハッピーな夜🌙冬の夜に樽シャルドネ。いい選択肢が増えました🥰

▶ 日々のまとめはますたやのInstagramへどうぞ

というわけで、1月の3000円ワインまとめでした🍷

みなさまの2024年も、美味しいワインとともにあらんことを!

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワイン好きが高じて、2023年3月から都内のワイナリーで働きはじめました。
2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得/2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得し、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中。

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