おとん、文藝春秋に載せてもろたで。
おとん、
久しぶり。
いや、10月にお墓参り行ったから、そん時会うてたか。まぁ、ふだんも無料Wi-Fiみたいに繋がってるわな。
それよりな、えらいこっちゃやで。
このコンテストに応募してな、優秀賞もろてん。
そんでな。
おとん、毎月買うてた文藝春秋にな。
私の書いた文章、文藝春秋に載せてもろてん!!
noteで仲良うしてる漫画家の友だちが、去年このコンテストで入賞しはって、文藝春秋載らはってな。
すごいな。
ええなぁ。
私のん載ったら、おとん喜ぶかなぁって思ってたんや。
9月の締め切りぎりぎりに書き上げて応募して。
10月終わり、入賞連絡もろた時な、あの実家のおこたや黒いテーブルの上に、いっつも文藝春秋あったん思い出したんやわ。
私も小学生の頃から読んでたもんなぁ。最初は読めるとこ、読みたいな思うところ少なかったけど、中学、高校になるにつれて、読めるところ増えていったん思い出したで。
立花隆さんの記事、おとん好きやったな。
あ、私が何書いたかって?
毎年佐渡のおじいちゃんち行ってたやろ?あの頃のこと思い出して書いてん。
納屋にあったおっきな味噌樽。おばちゃんが作ってくれたごはん。おじいちゃんが海でとって捌いてくれたお魚。久しぶりに思い出したで。
せやねん。
海水浴連れてってもろたり、いとこと遊んだりもしてたのに、覚えてるのは、そんな風景やねん。
私は、佐渡も、あのおじいちゃんちも、
おじちゃんもおばちゃんも、
おじいちゃんもおばあちゃんも
大好きやった。
みんな、なくなってしもたけどな。
そやけど、こうして書いて、
しかも活字にしてもろたら、
なんやいつでも、そばにある気がしてきてん。
まぁ、ゆっくり読んでえな。
本コンテスト主催のみなさま、審査員のみなさま、選定いただきありがとうございます。
とくに、文藝春秋の新谷さんに推していただいたと知ったときは、驚きと嬉しさで号泣し(教えてくれた受賞者ミーミーさん、ありがとう!)。
こちらのいただいたコメントも読み、
私の記憶や体験、今大事にしていることが伝わったんだと、ほんとに嬉しかったです。
リアリティのある文章は、私がnoteに書くずっとずっと前から大事にしてきたことです。これでよかったんだ、これからも私はこれでいいんだと思えました。
私が書くのは、私の体験です。
そこで私が感じたことです。
この超個人的な文章をこれからもnoteに書いていき、誰かのこころに届けていき、チャレンジも続けていきます。
文中に登場してもろた、伊藤家のみなさん、ありがとう。
味噌仕込みが続けられたのは、糀屋川口さんのおかげです。川口さん、今シーズンもお世話になります。
今回、優秀賞のひとつに選んでいただいたこと、文藝春秋に掲載してもらったこと。それとおんなじくらい、
「おめでとう!」
ってたくさんのひとに言うてもろたこと。
「自慢する!!」
って言うてもろたこと。
そんなひとたち、みんなに、父は感謝していてそして、
私がそんな人たちにかこまれていることを、父は喜んでいると思います。
それが、いちばんの、
親孝行になったのかもしれません。
10年前、おとんに「まぁ、仲良うな」と言われた通り、(いろいろありながらも)仲良うしてるで。
1冊おにいちゃんとこに送るから、仏壇にお供えしてもらうわ。
そっちでみんなで、読んでな。
ほな、またね。
美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。