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現代のベーマガ登場!? 『野球データでやさしく学べるPython入門』が面白い

今から約30年ほど前、「ベーマガ」という雑誌がありました。
そう、「マイコンBASICマガジン」です。

これは、BASICというプログラミング言語で書かれたさまざまなサンプルプログラムが掲載された雑誌で、毎月発行されていました。
この雑誌に掲載されたソースコードを、当時の私を含め、多くの人はひたすらキーボードから入力して実行し、試していたものです。

そんな記憶が蘇る本が発刊されました。その名も『野球データでやさしく学べるPython入門』。発売に先だって、出版社よりご恵投いただきましたので、紹介します。

大谷翔平選手のリアルデータを使う

まず「野球データで」というのが面白いのですが、なかでもこの本では第2章でのサンプルとして大谷翔平選手のデータを使っています。
ドジャースに移籍したことで話題ですが、ピッチャーとしての投球データを分析し、グラフとして表示するというサンプルになっています。

たとえば、本書に書かれているソースコードを実行すると、下記のようなグラフを簡単に出力できます。

球種ごとの球速分布
ストレートのコース別投球割合

こういった図を見るだけで、ワクワクしてきませんか?
さらに、こんな図も!

ストレートの投球位置

Google Colaboratoryで簡単に試せる

この本の便利なところは、Google Colaboratoryというオンラインのサービスを使っていることです。プログラミングを始めるときに、環境構築で悩む人がいますが、Google Colaboratoryであれば、Googleのアカウント(Gmailのアカウント)があれば、誰でも無料で始められます。

必要なのはWebブラウザだけなので、特殊なアプリをインストールする必要もありません。パソコンがなくても、スマホやタブレット端末でも手軽に始められるのが便利なところです。

そして、必要なデータもダウンロードできることです。本に書かれている通りにコマンドを実行するだけで、自動的にファイルを取得できますし、以下のサイトで他のサンプルデータも無料でダウンロードできます。便利。

実際に試してこそ価値がある

そして、この本は実際にソースコードを入力してこそ価値があります。私も、実際に入力してみました(本当にゼロからキーボードで入力しました)。
※いくつか誤植もありましたが、すぐに気づけるので問題なし。

この本は白黒なのですが、実際に入力してみると、プログラムが動作し、上記のようなカラーのグラフとして出力できます。この「自分で入力したプログラムが動く」という感覚はまさに冒頭に書いた「ベーマガ」のときの感動と同じです。

この本はプログラムの解説よりもまずはサンプルを入力することから始まっています。とにかく第2章のソースコードはすべて入力してほしい。そして、動いたことを確認して、第3章の解説を読んでほしい。

サンプルのソースコードもそれほど長くないので、すべて入力しても半日あれば十分です。書かれているプログラムの意味がわからなくても、とにかくソースコードを入力すること。これがプログラミングの第一歩だと思います。

そして第4章のソースコードを入力すると、「なるほど!」と腑に落ちる瞬間があるでしょう。
こういった「サンプルを入力する」→「解説を読む」→「次のサンプルを入力する」という繰り返しが、プログラミングを上達する秘訣だと思います。

まとめ

久しぶりに、ベーマガのことを思い出すような、懐かしいものを感じました。
「野球」という面白いテーマで、実際にカラフルなグラフが簡単に出力でき、それをちょっとした時間で試せる、なかなか面白い本だと思います。ぜひ読んでみてください。


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