見出し画像

第22回御岳カップ振り返り。テイケイJrの鮮烈デビューと絶望感

大盛況の中、幕を閉じた御岳カップでした。

この手の振り返りは鮮度が大事なので、最高なのはレース当日の夜にはこの記事を書きたいのですが、今回は筆が進まずこのタイミングになってしまいました。

というのも、今大会前にアップした記事にある様にレースラフティングという競技シーンにおいて御岳カップは久々のレースなのですが、ここから怒涛のレースラッシュです。

※今回の記事を読みやすくする意味でも前の記事も良かったらご覧ください

今週末には、来年の世界選手権に代表権を争う日本選手権があり、その翌週はラフティングのレースとは異なりますが、レースラフティングの選手も多く参加するリバクロバトルが御岳で開催されます。

私も一選手として全出席する予定なので、週末レース、平日仕事でまた週末レースとバタバタとします。そんな中で仕事も年末にかけて書き入れ時になりますので、精神的な余裕が無く一気に流れていく感じです。

ただその間に、各大会の見どころ解説とレース振り返りはやっていきたいと思いますので、暖かい目で見て頂けるとありがたいです。

レースにもだいぶ活気が戻ってきました。レースは”こうでなくっちゃ”

今回多くのチームが参加していました。

ラフティングだけでも42チーム、その他の種目も含めると21日の競技だけで92(エントリー数)×2回を1日の競技の中で行う脅威的な大会になっていました。

参加者数で言うとコロナ禍前、いやそれ以上の人数になっていました。
多くの方とお話する機会もありましたが、多くの方から聞かれたのが、レースの醍醐味、楽しみは”やっぱりコレだよね”といった声でした。

リバーレースの1つの楽しみ方として、愛好家達が一度に集う同窓会的な側面があります。(レースラフティングではどちらかというとこの楽しみ方が強い選手の方がマジョリティだったりします)

競う相手が見える環境の方が気持ちは上がりやすいし、共通の話題で盛り上がれるのは、どの世界でもとても強いコンテンツです。

そういった意味では、今回の御岳カップではリバーレースのコンテンツとしても楽しみが戻ってきたと感じる方が多いイベントになったのだと思います。

画像1

リバーレースイベントとしては間違いなく国内最高。様々な価値観の混ざり合う中で皆が楽しめるイベントだよね

これはその場にいた方、ライブ配信を視聴した方なら疑問の余地は無いのではないでしょうか。

事前記事でも書きましたが、複数に跨る競技カテゴリ×初心者から世界クラスまでと本大会はこれ以上広げられないくらいターゲットが広いイベントになっています。

そんな中で皆が楽しめて笑って帰れるイベントだったと思うし、しっかりと余韻が残るレースだったと思います。

個人的な感覚ではありますが、最近イベントの価値を測る感覚として、余韻が残るかどうかを見る部分があります。
それは、大会後にSNSで参加者の方がどの程度投稿やシェアをされているのか、大会に関して語る記事がどの程度記事が上がるかを眺めています。

1つはその記事や投稿を作るという過程に参加された方のイベントに対する感情が現れると考えているからです。

そういった意味で、本当に多くの関係者が投稿をしているし、それに対するコメントも良いものだったなと感じることができて、大会後の余韻が良い形で残る良いイベントであったと感じました。

各所に見られたイベントのアップデート。まだ質を高めてくる恐怖。

特にここ数年の御岳カップの回を重ねるごとのアップデートは恐ろしいほどです。

出場チームが増えてもほぼオンスケでのイベント進行や当日各所で起こるハプニングに対する対応力。
何より集計から発表のスピードが脅威的な早さです。

そして、今回脅威的だったアップデートはライブ配信です。
はっきり言うとこの規模の屋外イベントでライブ配信を行うこと自体、相当な努力をしないと一発で大会運営費が吹き飛ぶくらいのインパクトがあります。

そんな中、前回に比べて撮影するカメラ数を増やしライブ配信の画質を上げてくるウルトラCを決めてきました。

プロの機材、プロの撮影スタッフ、プロのMC(柴田聡さん)と最高の環境を用意しました。御岳カップのお金周りのことは私も知らない部分なので、何故それだけ詰め込んで回るのか全くわかりません。
(普通に発注すると100万円でも収まらないはずです)

ライブ配信は以下からアーカイブをご覧いただけます。

ただ、このクオリティを出すと基準が御岳カップになってしまい、他のレースにも同様のモノを求めてきたりしてしまうのが人の強欲というところで、そういった意味で他のレースの主催者はやり辛いところかと思います。

残念ながら御岳カップの盛り上がりであって、リバーレースの盛り上がりではない

1個残念なことが、御岳カップのノウハウ、スタイルは御岳カップ独自に作り上げられたものであって、他の川で行われるイベントや他の運営チームでは簡単に実現できるものではありません。

結果的に他のレースの同様のものを求めるのは無理があるし、恐らく実現出来ないと思います。

もちろん、各レースは目的、コンセプトが違っていて、レースラフティングにおける役割も違っているので、同じものを作る必要はないのですが、その辺りは参加者側(受け手)の読解力というか全体を俯瞰する力が求められるところかと思います。

ただ、イベントの継続と都度の小さな改善を積み上げ続けることが非常に重要でその結果として"熱"のあるレースイベントを作り上げることが出来るということを御岳カップが教えてくれていると思います。

前談が長くなりましたが、以下からレースの内容の振り返りです。

コースセットは世界クラスのカヌースラローマー”金谷徹選手”

画像2

さすがに、「お前が張るんかい!!」といった声は聞こえてきませんでしたが、ガッツリ選手として出場していて表彰台にも上がった元カヌースラローム日本代表、ラフティングチームテイケイ所属の金谷徹選手がコースデザイナーです。

コース自体は相当に技術を問われるもので、左右の振り幅があるセットだったので、コースタイムは長めの”ツラいコース”となりました。

実は、ゴール直後にご本人が「このコースキツいわー」と言っていたのはここだけの話です。

コースが気になる方はライブ配信をご覧ください。

画像3

ラフティング部門優勝はやっぱりテイケイ、ここからどこまでの伸び代が残されているのか??

ラフティング部門は2位に32秒という圧倒的な差を付けてラフティングチームテイケイが優勝しました。

今回は、翌週の日本選手権とは異なるややチャレンジングな布陣で望んでいましたが、ボートの前にカヌースラローム競技出身の中野選手、金谷選手を配置することでゲートへのアプローチをするきっかけやターンをする部分でダイナミックな動きをしていました。

現状のラフティングチームテイケイは過去のチームと比較しても”オプションが多い”と感じていて、バックボーンの異なるメンバーが集まっているので、その中で競技や求められるスキルに応じてメンバーを変えても成立させる結果的に強いチームに仕上がっていると思いました。

実際のところ、国内では測るものさしが無いし、本大会までの間に海外遠征する時間も無いかと思いますので、僕たちは本大会での戦いを見て知るしか無いかと思っています。

脅威的な伸びしろ、テイケイJrがデビュー戦

2位はテイケイの下部組織として結成したテイケイJrが入りました。

彼らは数ヶ月前に結成されたばかりで未だ日は浅いし、各メンバー結成前のレベルは決して高くなかったので、このパフォーマンスは驚きでした。

1年後には相当な実力をつけてくると思いましたが、今回のレースには未だこの順位に入るレベルまでいかないと予想していました。
実際映像を見返すとありえないところでミスしていたり、未だ粗さが目立ちましたが、しっかりとスピードを上げるべきところで加速が出来ていました。

これは技術もそうですが、フィジカル強化を短期間で行なった成果だと思いますし、相当な努力の跡が見えて好感が持てます。

インスタライブと併せて頑張って欲しいところです。

ラフティング界のビッグダディ。家族チーム対決を制したのは?

前回の記事で書いた本田家vs池田家の家族チーム対決。
いずれのチームもお父さんと子供3人の構成です。

以前は、お子さんが小さく両チームともお父さんの実力勝負的な要素が強かったですが、今回はお子さんも成長して少なからずボートの動きに参加される様になっていました。

結果は、元ラフティング世界王者のレジェンド池田拓也さんの池田家に軍配が上がりました。
ですが、2チームとも1本目は不通過無しでクリアできたことには驚きました。

お子さんがもっと大きくからなってもまた見たいものではありますが、お子さんも受験や進学で中々そうもいかないようで今回で見納めかもしれません。

僕たちHORUの結果も

今シーズンはレースに出場するメンバーが集まって練習機会を作ることが出来ずチームとしての練度は高めることが難しい中で個別でのトレーニングと2,3人+誰かでの練習を行うことで積み上げてきました。

ですが、その中でもメンバーに助けられて今大会4位といった結果になりました。
今HORUとして持ちうる要素の中では、出し切った上での結果かと思いますが、僕たちの掲げる”社会人になっても成長し続けられるチーム”を体現してレースラフティング競技における発言権を得るためには、テイケイJrに勝って2位を取らなくてはいけなかったと強い絶望感があります。

ただ、現実は受け止めて頑張るしか無いので、明日からまた積み上げていこうと思います。

さいごに

今週末もレースラフティング日本選手権があります。

事前の見所など書いてみたいところですが、エントリーリストが公開されないとには書ける内容が無く、どうしたものかなといった感じではあります。

開催まで残り4日ですが、もし追加で情報が出てくることがあれば記事にしていきたいと思います。

では、まだまだ続くレースウィークを楽しみましょう。

記事をご覧いただいて、よろしければサポートをお願いいたします。 頂いたサポートについては、チームで主催する練習会、イベントの活動に役立てさせていただきます。