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iBasso Audio DX120の男気を感じろ

2018年前後からポータブルオーディオ界では無線関連が大いに流行していますね。イヤホンやヘッドホンはBluetoothによるワイヤレス化が進んでおり、DAPにはBluetooth以外にも無線LANが搭載されて各種音楽配信サービスを利用出来たり、ファームウエアのアップデートが出来たりと便利になってきております。

この流れは低価格DAPにも波及しており、無線にあらずんばDAPでは無し!とまでは言いませんが、無線通信の有無は購入にあたっての大きな指標となっているのは間違いないと思います。

とはいえ、Simple is best. と言う言葉があるくらいです。音を鳴らす事に特化した時代に逆行するものがあったってイイジャナイ!そんなSimple is best.の体現者であるHIFIMAN SuperMiniを使っていた私ですが、新たなDAPを手に入れました。もちろん無線関連は一切無し!音楽再生以外の機能は必要最低限!その名はiBasso DX120です。

帰ってきた iBasso Audio

わたくし、iBasso製品にはちょっとした思い入れがありまして、ポータブルオーディオ沼に浸かり始めた時にiPod ClassicにiBassoのD5 Hjというアンプを組み合わせていました。
DACを搭載していたり、アンプ部はLRで別だったり、192kHz/24bitへのアップサンプリング等、なかなかのスペックを持っていました。出力こそアンバランスですが、USB、光同軸、アナログと豊富な入力もあります。
お手軽なUSB-DACとして充分使えますね。手放したのがちょっと惜しくなってきました…

そんなiBassoですが、一時は日本での販売は止まっていましたが国内代理店を株式会社MUSINに変更し、DX120、DX150、DX200のDAPにアンプモジュール、イヤホン、ヘッドホンを引き連れ再び戻って来たのです。

早速聴いてみる

環境は次の通りです

イヤホン:final MAKE2(この記事にチューニングとかあります)
設定は次の通り
・Equalizer:OFF
・Gain:HIGH
・Digital Filter:Sharp roll off
・Sound Mode:Reference

音の傾向
派手な味付けは無くスッキリとしているナチュラル系な感じです。空気感というか、音と音の間・・・音の見通しが良いというか?なんといったらいいんだろう、色で例えると黒が締まっているという感じですかね。
また、音量が小さくても、大きくしても音のバランスが破綻する感じはありませんでした。ハイレゾ音源を聴くと音源の本領が発揮されたと感じます。

高域、中域
派手さは感じませんが、スッキリとした響きが良いです。ボーカルは中央でしっかりと位置し、埋もれることはありません。シンバルをワイヤーブラシで撫でる時のザラザラとした音の質感も感じ取れます。

低域
量感、質感共に良し。音の芯があり引き締まっていてとても良いです。ボワつかないので楽器の差やキックの強弱といったニュアンスを充分に感じ取れますね。

空間の広さ
音の広がりが結構あります。アンバランスでも広く感じられます。音の位置も上下左右がハッキリしています。

購入してから200時間近く使用したかと思います。DAPのエージングは不要かと思っていましたが、購入当初のメモと見比べると印象が変わってきています。全体的に滑らかさが増して音の像が明確になり、響きが良くなっています。

例えば、finalのE1000は顕著に差が出ました。最初は樹脂筐体だし、ルーズな感じだけど上手くまとめているなという印象だったのですが、今聴いてみると、こんなにスムーズで音の像がハッキリしていたっけ!?となりました。

操作感

まずお伝えしたいのは付属の分厚い保護シートです。これを張るのはお勧めしません。タッチ感度が悪くなります。特に左右のスワイプが行いにくくなります。市販のカット出来る保護シートなどをオススメします。

全体的にはサクサク動くのですが、動きにはクセがあります。
気になる点としては、
リストの上下スワイプ操作の移動量が大きい(瞬間的に大きく移動する感じです。長いリストのスクロールなら良いんですがね)
スクロール中にタップ判定されることがややある
曲の頭出しが画面上のバー操作でしか行えない
画面上の小さなボタンが押しづらい
といったところですね。まあ、些細な事なのでいちいちイライラする程ではないですね。

で、おすすめなの?

残念ながら、音がよければそれで良いのだ!という人以外には勧められないですね。HIFIMAN SuperMini や MegaMiniを使っている剛の者であれば問題ありません。自分はむしろSuperMiniの小ささとシンプルさ故の操作性の良さに慣れすぎてDX120が使いづらいとすら思えたくらいですからね。些細なところの動作等が気になってくると、粗ばかり気になってきてしまうかと思います。

自分は普段はポーチに入れた状態で使用しているので、そんなに操作もしないですし、画面が見にくいとか気にしてもしかたないところなので完全に割り切っています。そんなことよりも音が良いことが最重要なのです。

ただ…AK ConnectやFiiO Link、Hiby Linkといったスマホとの連携機能は欲しいな…せめてBluetoothリモコン…

やっぱり使い勝手の良さというのは大切ですね!!

じゃあなんでお前はDX120なんて買ったのかって?

そりゃあ、スペックの良さと音の良さと格好の良さですよね。まあ、機能は充実して欲しいけど、自分は何度か試聴した上で納得して買ったので期待はずれ〜とか、失望した〜とかいう感情は持ちませんでした。

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これ以降は機能についての説明等になります。なにかの助けになれば幸いです。

その他動作について

起動時間

およそ11秒です。早いと思います。起動後に再生画面になっているのですぐに再生出来るのは良いですね。

ストレージのスキャン速度

SDカードのスキャン時間は84GBをスキャンして約20秒で終わりました。早いです。早いと思います。SuperMiniよりかは早いです。使用したSDカードはTeams SDXC UHS-1 128GBです。

電池の減り

1時間で8%前後の消費です。バランス、シングルエンドでの差は無いように思えます。およそ12時間は持つ計算ですね。(alacやflacの44.1kHz/16bit ~ 192kHz/24bit混在、音量40前後、画面OFF)

画面OFFでもそこそこ減るので注意です。(10分で1%程度)

その他機能について

USB-DAC
MacBook airから繋いでみましたが、特に問題なく動作しました。

USB-OTG出力
ファームウエア2.3.53からUSB-OTGデジタル出力に対応しました。

Line出力
ファームウエア2.3.53からLine出力の音量が可変になりました。音量はイヤホンジャックとは別になっています。LOにイヤホンを接続してみると音量が変化します。

プレイリストについて

新規プレイリストの作り方
1.プレイリスト画面で+のアイコンをタップすると、新しいプレイリストが作られます。最大8つのプレイリストを持つことが出来ます。
2.再生画面でアルバムジャケットの辺りをタップすると曲のメニューが表示されます。
3.メニュー中央の+を選択するとプレイリスト画面が表示されます
4.追加したいプレイリストを選択します
5.プレイリストに曲が追加されます
残念ながらDX120からプレイリスト名は変えられません。
また、ファクトリーリセットを行うとプレイリストは全て消えます。

プレイリストのエクスポート
作成したプレイリストはSDカードにm3uファイルとして保存することが出来ます。
1.My music画面からプレイリストを選択します
2. エクスポートしたいプレイリストを長押しします
3.メニューが表示されるのでエクスポートを選択します
4. SDカードのm3uフォルダに保存されます

ファクトリーリセットを行うとプレイリストは消えてしまうので、DX120から作成したプレイリストはエクスポートしておくと良いでしょう。

プレイリストのインポート
エクスポートしたm3uファイルや、PCで作成したm3uファイルをプレイリストに登録することが出来ます。
1.My music画面からフォルダを選択します
2.SDカード内に保存したm3uファイルのあるフォルダを選択します
3.m3uファイルを選択します
4.ダイアログの追加を選択します

PCでプレイリストの作成、編集について

プレイリストファイルの記述は次の通りです。

/mnt/internal_sd/[SDカード内のパス]
もしくは
/mnt/external_sd/[SDカード内のパス]

SDカード1にある曲の場合は /mnt/internal_sd と指定します。
SDカード2にある曲の場合は /mnt/external_sd と指定します。
文字コードはUTF-8、改行コードはCR/LFです。

UTF-8-MACだと文字化けしたり、リストが正しく表示されない場合があります。(これだからmacは…mac使ってますけど…)
まずは適当なプレイリストをエクスポートし、雛形としてPCに取り込んでおくと良いでしょう。

ファームアップ方法について

1.http://www.ibasso.com/down.php からファームウエアをダウンロードします。
2.ダウンロードしたファイルを解凍し、update.imgを空のSDカードにコピーします。
3.DX120のSDカードスロット2に上記SDカードを入れます。
4.SDカードスロット1は空にしておきます。
5.Settings画面→詳細設定画面→システムアップデートを選択します。
6.アップデート終了後は、ファクトリーリセットを行ったほうが良いと思われます。

各画面について

あまり情報が無いんですよね。なので軽く説明しておきます。

再生画面

起動直後に表示されるメインの画面を再生画面とします。
音楽の再生や停止、主要機能へのショートカット等が行えます。
変更出来る機能は次の通りです
・ギャップレス再生
・ゲイン
・デジタルフィルター
・サウンド・モード
・USB設定
・プレイモード

 ノーマル→リピート→ランダム→1曲リピートの順に切り替えることが出来ます

My Music画面

再生画面で左から右にスワイプすると表示されます。
楽曲リストの選択が行えます。

◆再生中(Now Playing)
 現在再生中の楽曲リストが表示されます

◆すべての音楽(All Music)
 全楽曲が表示されます

◆フォルダ(Directory)
 SDカードのフォルダが表示されます

◆アルバム(Album)
 アルバムの一覧が表示されます

◆アーティスト(Artist)
 アーティストの一覧が表示されます

◆ジャンル(Genre)
 ジャンルの一覧が表示されます

◆プレイリスト(Playlist)
 プレイリストの一覧が表示されます
 新規のプレイリストを作成することが出来ます

Settings画面

再生画面で右から左にスワイプすると表示されます。
各種設定が行えます。

◆イコライザ(Equalizer)
 5つのプリセットとカスタム設定があります

◆L/Rチャンネル バランス(L/R Balance)
 左右のバランスを変更出来ます

◆ギャップレス再生(Gapless) 
 ギャップレス再生のON/OFFが設定出来ます

◆ゲイン(Gain)
 ゲインのハイ/ローを設定出来ます

◆曲情報(Music Info)
 再生中の曲情報が表示されます

◆USB設定(USB Settings)
 PCと接続した際の動作を設定出来ます
  ◆読み込み(Reader)
   PCに外部ストレージとして認識されます
  ◆DAC(DAC)
   USB-DAC(外部再生機器)として認識されます
  ◆充電(Charge Only)
   PCに認識されず、充電のみ行われます

◆プレイモード(Play Mode)
 再生順番を設定できます。
 ◆ノーマル(Order)
  曲の並び順に再生されます
  全曲の再生が終わった後、再生を停止します
 ◆リピート(Loop)
  全曲の再生が終わった後、最初の曲から再生を開始します
 ◆シャッフル(Shuffle)
  曲順がランダムになります
 ◆1曲リピート(Repeat)
  再生中の曲をリピート再生します
 ◆フォルダ再生(Folder Play)
  My Music画面のフォルダから再生した場合にこの項目のチェックが入っていると、フォルダ内の再生が終わった後、次のフォルダの再生を開始します

◆デジタルフィルター(Digital Filter)
 デジタルフィルターの種類を5つの中から設定出来ます。
 (デジタルデータをアナログ信号に変換する際のノイズ除去等を行う処理)
 ◆シャープ(Sharp roll off)
 ◆スロー(Slow roll off)
 ◆ショートディレイシャープロールオフ(Short delay sharp roll off)
 ◆ショートディレイスローロールオフ(Short delay slow roll off)
 ◆スーパースローロールオフ(Super slow roll off)

◆サウンド・モード(Sound Mode)
 サウンドモードの種類を5つの中から設定出来ます。
 ◆リファレンス(Reference)
 ◆古風(Traditional)
 ◆オリジナル(Original)
 ◆クラシック(Classical)
 ◆ナチュラル(Natural)

◆ボタン設定(Button Settings)
 再度ボタンの設定を変更出来ます。

◆詳細設定(Advanced)
 端末の設定を変更出来ます
 ◆言語設定(Languages)
  表示する言語の設定が行えます
 ◆輝度設定(Display)
  液晶画面に関する設定が行えます
  ◆輝度設定(Display)
   液晶画面の明るさを設定出来ます
  ◆壁紙(Wallpaper)
   壁紙を変更出来ます

 ◆電源管理(Power Management)
  バッテリーに関する設定が行えます。
  ◆バックライトオフ(Backlight Off)
   バックライトの点灯時間を設定出来ます
   (バックライトというより画面のOffですね)
  ◆オートパワーオフ(Auto Power Off)
   無操作時にパワーOffするまでの時間を設定出来ます
   (再生停止中かつ無操作の状態が続いている状態でパワーOffするまでの時間です)
  ◆Sleep Timer(Sleep Timer)
   自動的にパワーOffする時間を設定出来ます
   (再生中でも無操作の状態が続いている状態です)

 ◆再スキャン
  SDカードの再スキャンが行えます。
  ◆SDカード1をスキャンする
   
SDカードスロット1(上部)の再スキャンを行います。
  ◆SDカード2をスキャンする
   SDカードスロット2(下部)の再スキャンを行います。
  ◆SDカード1/2をスキャンする
   
SDカードスロット1、2の再スキャンを行います。

 ◆システム情報
  モデル名、ファームウエアバージョン、SDカードのデータ容量を確認出来ます。

 ◆データの初期化
  端末の初期化が行えます。
  各種設定、プレイリスト、楽曲のデータベースが初期化されます。
  ファームウエアは初期状態に戻りません。

 ◆システムアップデート
  ファームウエアの更新が行えます。
  SDカードスロット2にファームウエアが存在している場合に表示されます。

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