現代MIX考。「How to Treat Saturation?」
まず、最初に、更新が長く空いてしまったことをお詫びしたい。
Saturationについて、色々と仕事をしていくうちに新たな発見が多々あったため、これらをうまくまとめていきたいところだ。
前回に比べるとやや複雑な話が多いが、理解してもらえると音作りに凄く役立つ話を盛りだくさんにしていきたいと思うので、ざっくりとでもよいから読み進めてみて欲しい。
前回は、Saturationとはどういう現象なのか?
また、Saturationをつかってどんなことが表現できるのか?
それらについて語ってきた。
今回はもう少し深堀りをして、デジタル全盛の今、どのようにサチュレーションを扱えばよいのか?
また、サチュレーションを使うべきタイミングとは音像の操作以外でいうといつなのか?について詳しく考察していきたい。
偶数倍音と奇数倍音について。
前回、触れた音像の上下の操作についてだが、より詳しく見ていきたい。
倍音は、偶数倍音と奇数倍音に分類が出来る。
デジタル上の意図した現象でない限りは、そのどちらかだけ・・というよりは、それぞれが混ざった形になっていることが多い。
それぞれの倍音の構成を見ていくことで、今、自分が使おうとしているエフェクターがどのような効果があるか?について確認をしていくことが出来る。
まずはそれらの性質について見ていこう。
偶数倍音
偶数倍音は、元々インプットした信号にたいして、オクターヴの関係をつくる倍音だ。なので、他の倍音たちに比べてぶつかる音程がないために、調和した印象を作り出すことが出来る。
特徴としては、暖かみがあり、滑らかで、丸い音・・・と言われることが多く、どうやっても不調和な音の構成にならない。
奇数倍音
奇数倍音は、3倍、5倍、7倍・・といった調子で、奇数倍の倍音を加えていく。そのため、倍音が高次になるほど、不調和な倍音が足されるタイミングが増えていく。
特徴としては、エッジーさ、攻撃的、明瞭さ・・・と言われることが多く、イメージするとわかりやすいのは、ギターのディストーションやブラスのフォルテをイメージしてもらえるとわかりやすい。
どうして、エフェクターによってSATから受ける印象が全然違うのか?
については、この倍音の構成によるところが大きい。
これらをシーンに応じて使いこなすことが出来ると、無理なく周波数レンジを広げることができ、様々な手数を持つことができる。
それぞれどういったシーンで使うと良いのか?について考えていきたい。
偶数倍音が活躍するシーン
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