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自然の詩

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自然界のこと、生き物のこと・・・・
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記事一覧

【詩】花と蝶

【詩】花と蝶

うすべに色に散る花びらが
柔らかな春の風に舞う
 ひらひらひらりひらりひら
 ひらひらひらりひらりひら

黄色い日差しに染まった蝶が
戯れながら春を舞う
 ふわふわふわりふわりふわ
 ふわふわふわりふわりふわ

一つと一つが重なり合って
春満開を舞い降りる
 ひらひらひらりひらりひら
 ふわふわふわりふわりふわ

【詩】五月の風

【詩】五月の風

風の姿は見えないけれど
こうやって新緑の街を眺めていると
流れているのがわかります。
のんびりのんびり流れています。
空行く鳥もゆるやかに
のんびり風に乗っています。
五月の風はのんびりと
でも着実に夏のにおいを
運んでくるものなんですよ。

【詩】うっすらと月が出ている

【詩】うっすらと月が出ている

月が出ている。月が出ている。
ひとつふたつの言葉なんか
簡単に忘れさせてしまう
月が出ている。

大きな月だ。大きな月だ。
その上にうっすらと
うっすらと雲がかかっている。
影を隠す雲がかかっている

だけどそれは今だけのこと。
ほら、春から夏への星たちが
あんなにはっきり映っている。
だから雲もいつかは晴れるんだ。

ふふふ、月が出ている。
大きな月が出ている。
うっすらと
うっすらと月が出てい

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【詩】波打ち際の戦争

【詩】波打ち際の戦争

水の兵隊と砂の兵隊が
波打ち際で戦争を繰り返す。
喚声を上げながら
一気に侵攻する水の兵隊と、
そうはさせじと身を捨てて
これを押し返す砂の兵隊が、
太陽を味方につけ
風を味方につけ
お互いに一歩も譲ろうとしない。
くる日もくる日も
飽きもせずに
この戦争は続いている。

【詩】風の独り言

【詩】風の独り言

びゅーびゅー、ごにょごにょ
びゅー、ごにょにょ・・・・
おいおいおまえ
勘違いしてはいかんぞ、びゅー。
人生というのは足し算ではなくて
いつもいつも引き算ぞ、びゅー。
生まれてからいろんなものが
少しずつ減っていくんぞ、びゅー。
それをおまえは
足し算だと思っているから
すべてが狂ってくるんぞ、びゅー。
健康も、若さも、体力も、
視力も、聴力も、記憶力も、
第六感も、超能力も、霊感も、
みんなみん

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【詩】朝の吟遊詩人たち

【詩】朝の吟遊詩人たち

始発バスも来ない時間から、
窓の外にある公園に、ぞろぞろ
吟遊詩人たちが集まってくる。
彼らは大声を張り上げながら、
その存在を主張する。

疲れ果てた人の耳には、
季節と自然に調和した
心地よい音楽に聞こえるも、
這い出たばかりの虫たちには、
死神の雄叫びに聞こえている。

彼らの歌に興奮したのか、
花はつぼみを膨らます。
春に目覚めた樹木たちは、
彼らの声に呼吸を合わせ
新生の時を待っている。

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【詩風】空から来た生命体

【詩風】空から来た生命体

我々は空から来た生命体だ
気化するまで地表に留まり
気化したのちに空にもどる
空の上で仲間達と雲になり
機が熟すとまた地に落ちる
地上に落ちると飲水となり
地上のいきものの糧となる
海洋に落ちると海水となり
海中のいきものを包み込む

落ちた場所の気候や環境で
その形を変えながら我々は
再び空にもどるその日まで
この世のために生きていく
そんな時間の括りに我々は
生という単位を付けている
実際は何

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【季節】初鳴き

【季節】初鳴き

朝ウグイスの鳴く声が聞こえて
目が覚めた。今年初めての声だ。
わがマンション前に公園があり、
その横に小さな森があるのだが、
声はその方向から聞こえてきた。
彼らはそこで冬を過ごしている。
だから初鳴きはいつも森なのだ。
公園に出て来て合唱しだすのは
も少し季節が進んでからのこと。
いよいよ春がやってくるんだな。