新谷雅先

新谷雅先(しんたにまさき)といいます。 昭和32年福岡県生まれ。今までに書いてきた詩や…

新谷雅先

新谷雅先(しんたにまさき)といいます。 昭和32年福岡県生まれ。今までに書いてきた詩やエッセイを紹介しています。時々オリジナル曲も流しています。 好きな言葉「ゼロから数字を生んでやらう(高村光太郎)」

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【詩】君のまなざし

君のそのまなざしは いつの時代のまなざしですか ぼくが知る以前の君ですか ぼくが知っている頃の君ですか それとも今の君ですか 君の人生ですか ほんの気まぐれですか

    • 【詩】気にしてる

      わたしは風の流れを気にしてる 嫁さんは腰の痛みを気にしてる 友人は外れた銀歯を気にしてる 知人は鼻の違和感を気にしてる イヌは女性の香水を気にしてる ネコはタバコの煙を気にしてる カラスは動かぬ車を気にしてる ハトは首筋の凝りを気にしてる 地底人は天の歪みを気にしてる 宇宙人は人事異動を気にしてる 浮遊霊は解体工事を気にしてる 地縛霊は道路工事を気にしてる 科学者は足の臭いを気にしてる 神父は聖母の処女を気にしてる 神主は大凶の行方を気にしてる 和尚は檀家の布施を気にし

      • 【詩】捨て身技

        柔道に捨て身技というのがある。 自分の身を捨てて、 相手の力を存分に利用する技だ。 巴投げとか、谷落としとか、 えらく名前がかっこいい。 体の小さな日本人が、 体の大きな人からの 力尽くの攻撃を、 いかに防ぐかを工夫して できあがったのが柔道だ。 捨て身技はその中でも、 体格的に心情的に、 日本人に向いている。 「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」 相手は力尽くでやっているのだから、 そろそろ決着着けましょう。 投げ飛ばしてやりましょうよ。

        • 遣唐使で遊ぶ(逆遣唐使)

           我が国は、平城京の昔から、技術や文化を提供するために唐の国に指導員を派遣していた。二百年以上かけてそれらを吸収し習得した唐政府は、 「我が国に遣唐使は必要なくなったから、引き上げてほしい」と、平安京政府に要請してきた。  その時に対応したのが、遣唐大使である菅原道真だった。彼は、 「日本が引き上げたら、貴国は大変なことになりますぞ」と言って要請を断った。  しかし唐側はそれを無視し、遣唐使を追い返してしまう。  遣唐使がいなくなりセーブの効かなくなった彼の国は、現在の大

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        【詩】君のまなざし

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        記事

          【詩】うっすらと月が出ている

          月が出ている。月が出ている。 ひとつふたつの言葉なんか 簡単に忘れさせてしまう 月が出ている。 大きな月だ。大きな月だ。 その上にうっすらと うっすらと雲がかかっている。 影を隠す雲がかかっている だけどそれは今だけのこと。 ほら、春から夏への星たちが あんなにはっきり映っている。 だから雲もいつかは晴れるんだ。 ふふふ、月が出ている。 大きな月が出ている。 うっすらと うっすらと月が出ている。

          【詩】うっすらと月が出ている

          【詩】タコ

          ペンを持って仕事をしていると 中指にタコが出来ている。 これは中指とペンとの 絡み合いから生じたものだ。 靴ダコ、麻雀・パチンコダコも、 みんな理屈は同じこと。 異物との絡み合いから生じている。 心だって同じことで、 絡み合いの末にタコが生じる。 例えば嫁さんの呼び名がそうだ。 付き合い始めた頃はいつも 呼び名に躊躇していたが、 今では「おい」ですませている。 絡み合いの末にこうなったわけで、 つまりは「おい」がタコなのだ。 倦怠期の予防のためにもこのタコは、 削ってやる

          【詩】タコ

          【詩】トレーナーのほころび

          トレーナーのほころびが すごく気になって 街を歩くのもうつむきかげんに 扉を開くのも遠慮がちに 足は重々しげに 希望をも失ったように さまよい歩く トレーナーのほころびが すごくすごく気になって

          【詩】トレーナーのほころび

          【詩】夕日

          今日の満足を朱に染めて 夕日が緩やかに速やかに 身を隠していく。暮れていく。 いつもその身を震わせて 夕日が緩やかに速やかに 身を隠していく。暮れていく。 代わり映えせぬ一日なのに 人は夕日を心に写し 涙を流し、感謝する。 代わり映えせぬ一日なのに 心は夕日に洗われて 素直になれる。優しくなれる。

          【詩】夕日

          【詩】悩み

          「悩みなんて泡のようなものだから、 いつか消えていくものだから、 何も気にすることはないんだよ」 よくそんなことを言われる。 実はその時のぼくは、 そのことについて悩んでいるのではなく、 「そのことを悩まないようにしよう」 「そのことを気にしないようにしよう」 などと思って、 自分の心と格闘しているのだ。 その格闘が心を疲れさせてしまい、 心の中を面白くないものにしてしまう。 結局そういうことが悩みに繋がっていくわけだ。 もしかしたら素直に悩むことのほうが、 心と格闘をす

          【詩】悩み

          【詩】お酒の言い分

          何か問題が起きるたびに毎回毎回 お酒が悪いんだと言いますけどね 私は何ひとつやってはいませんよ だって私暴れたりはしませんから それよりも私が問題だと思うのは 全て酒のせいということにすれば 悪い印象が少しは軽くなるだろう といった世間の甘えた考え方です 酒中別人と言って、酔った主君を 許したのは三国志の昔です。もう 二千年近く前の話じゃないですか まだあの時代と同じ括りなのか・・

          【詩】お酒の言い分

          【詩】世の中通り

          世の中通りの往来が激しくて、 ぼくは道から外れることが出来ない。 わざとゆっくり歩く人がいたり、 なぜか慌てて走る人がいたり…。 そういう人たちに 両脇を固められているせいで、 ぼくはここから抜け出せない。 誰もが何ものにも執らわれることなく、 普通に歩いているとしたら、 きっとこういう状況にならないだろう。 そう考えるとこの通りを歩いていくことが、 ぼくには何とももどかしい。 毎日毎日息を詰まらせながら、 ぼくはこの通りを歩いている。

          【詩】世の中通り

          【詩】神様のマニュアル

          いいですか、 何も難しいことはない。 一から順に数えるだけでいいんですよ。 急ぐ必要はありません。 焦らずにゆっくりと数えて下さい。 あとはそれを繰り返していくだけです。 数がかさむごとに、 その星は成長していくでしょう。 そして輝きを増していくことでしょう。 さて、 数え間違えた場合ですが、 実はこの星は修正がきかないのです。 一度狂えばもう元には戻らないのです。 そこで終わりなのです。 つまり使い捨てということです。 もちろん星は生きていますから、 数え間違えても時は

          【詩】神様のマニュアル

          【詩】スランプ

          思い通りにならないことを  悩まなくていい 思い通りにならない時は  思い通りにならないんだから それは流れの中の通過点なんだから その場所に自分がいるんだから スランプ面なんかしなくていい 無理にいじらなくていい 思い通りにならないことは 不幸なことなんかじゃない そこから何かが始まるんだから 新しい何かが始まるんだから 焦らず待っていればいい

          【詩】スランプ

          【詩】階段の怪人

          階段の怪人が ジッとこちらを伺っている 来る日も来る日も 飽きもせずに ジッとこちらを伺っている たまに足を踏み外すのか ギイッという音がする

          【詩】階段の怪人

          【詩風】0120

          ハゲや白髪に0120 デブやメタボに0120 シワや肌荒れ0120 肩こり腰痛0120 膝の痛みに0120 関節炎にも0120 頻尿尿漏れ0120 歯磨き歯ブラシ0120 安眠枕も0120 万能薬です0120 テレビ買うのも0120 高枝切りバサミも0120 便利なハンガー0120 雑巾買うのも0120 レギンスだって0120 しょせん股引0120 お金儲けに0120 勧誘電話に0120 迷惑電話も0120 持ってけドロボー0120

          【詩風】0120

          下克上

           昔読んだ佐治芳彦著の「日本人の歴史」という本に、面白いことが書いてあった。  日本の歴史の分岐点は、「応仁の乱」になるのだそうだ。内藤湖南が唱えた説なのだという。  応仁の乱以降が今の日本の文化や生活に直接繋がる歴史であり、歴史を研究するなら、応仁の乱以降を研究したら充分である、と言う。  さらに、公家中心のそれまでの歴史というのは外国の歴史と同じようなものであるから捨ててもいいとまで言っている。  そう言われればそうだ。たしかに、応仁の乱以降は庶民の歴史である。それ以