最終死発電車 第34話『エピローグ-後編-』
苦い顔をした先生は、椅子に腰かけてマグカップを手に取る。
注がれたコーヒーはとっくに冷めているだろうが、それを味わうような心境でもないのだろう。
「この男は、紅乃のストーカーだった。何度も訴えたんだが、実害が出ていないからと警察は対応を渋っていてね」
「え、だけど……記憶をもとに構成されているなら、同じバイト先で働き続けてたんですよね? 告白とかもしてないみたいでしたけど……」
「彼の中ではそうだったんだろう。自分に都合よく記憶を書き換えていたこの男は、紅乃が自分