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5年ぶり、2時間。同じ空の下にて。

数日前、友人と電話をした。
気づけば約5年の月日が経っていた。

久しぶりの声を聞いた、夜の2時間。

別々の場所で
同じ空の下で話しているんだなあ、と改めて感じた時間。


懐かしい声


第一声を聞いた時

「ああそうだ…この声だ。」
懐かしい声と記憶が一気に結びついていく。

合唱では「パートはいつもアルトだった」と言っていた、
“低めで落ち着いた声”。

その声とは対照的な、
“可愛らしい言葉遣い”と、“ケラケラと軽やかな笑い声”。

同じく「懐かしい」と言っていた友人に
私の声はどう聞こえただろうか。


…懐かしくて、最初はタイムスリップして、5年前の友人と話しているような感覚だったけれど

少しずつ5年間を埋めていくように、
ずっと前の話、会えていなかった期間の話、近況の話をしていくと

最後に電話を切る頃にはちゃんと
現在を生きている友人と話し、終わることができた。

長いようで、とても短く感じた2時間だった。


学校を卒業したり
仕事が始まったり
引っ越して環境が変わったり

色々な変化で、友人との関係も変わってしまう場合がある。

一度親しくなった人と、いつまでもずっとつながり続けることは、なかなか難しいことだと思う。
相手への“敬意”“気配り”
欠点も受け入れる“包容力”などが大切だと思っている。

だからこそ、関係が長く続いている誰かが1人でもいたなら、本当に大切にしたい。


変わらない関係と、変わる感覚・考え方


私は、数年ぶりに誰かと話す時

「話せて良かった!」と心から思える時と、
なんだか少しモヤモヤする時と、分かれることがある。

もしかしたら電話の相手もそう感じているのかもしれない。


きっと、月日がそう感じさせるのだろう。

「変わっていないな」と安心したり、
「頑張っているんだな」と励まされたりする一方で

時間の経過により、
“感覚”や“考え方”にズレが生じていることを感じてしまうこともある。


それは決して悲しいことではないと思う。
お互いに長い間、それぞれの場所で“頑張ってきた証”だ。


変化もあって当然。
でも、少しだけ、寂しさを感じることもある。


だから今回は

「こんなことがあって、こんな気持ちになったよ」という話をした時に

「私もそう思う!」

といった“共感”を得られたことが、一番嬉しかったのかもしれない。

変わらない様子に安心して、頑張っている友人に励まされて
さらに
感覚や考え方もズレていない、と思えたからだ。


時間が経てば、疎遠になってしまう人もいる。
環境が変われば、付き合う人も変わっていく。
ずっと一緒にいても、少しずつズレが生じることもある。

それでも

どんなに時間が空いても、また繋がれる人もいる

そんな「希望」のようなものを感じられて、
心に小さな火が灯ったような、そんな気持ちだ。


大切だと思う人のことは、ちゃんと大切にしよう、と思った。

自分も相手にとって大切な存在だと思ってもらえるように。


5年ぶり、2時間。
別々の場所だけど、同じ空の下のどこかで、私と同じように電話で話している友人を想像すると、少し心が温かくなった夜だった。




2024.4.6

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