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心宿るところ_企画書・プロット

※連載漫画用の企画書・プロットです。
※こちらを元にした脚本(シナリオ)も投稿しています。

<企画書>

■タイトル

心宿るところ

■ジャンル

BL、青春恋愛もの

■キャッチコピー

ドナーの元恋人×心臓移植を受けた大学生のセンシティブなすれ違いピュアラブストーリー

■ターゲット層

20~30代女性

■掲載媒体、想定尺

横読み漫画、連載全12話(単行本2巻分)

■注目ポイント・アピールポイント

「心臓移植手術を受けたら恋心も転移するのか」をテーマに書きました。心臓移植によってドナーの記憶が転移することがあるという事例に着想を得て、では恋心はどうなのだろうとこのお話を考えました。

注目してほしいポイントは、これはきっと心臓の記憶転移に違いないと思いつつ、櫻井(さくらい)に惹かれていく主人公・悠斗(ゆうと)の心の機微です。それまで恋を知らず、生きる希望もなかった悠斗が、櫻井の優しさに触れ、次第に恋心を募らせていく。でも、櫻井は悠斗のことを元恋人のミキに重ねて見ている。悠斗の切ない片思いに注目してもらいたいです。

書きたいシーンは、実は悠斗にミキの心臓が移植されていなかったと知ったあとの、二人のパワーバランスの変化です。それまで櫻井はミキの心臓を持つ悠斗に執着していましたが、事実が判明した途端、悠斗への興味を失います。悠斗はそれでも櫻井を諦めきれず、今度は悠斗が櫻井に執着します。恋愛のパワーバランスの変化をドラマチックに書きたいです。

今作を企画した意図は、ずばり実写・アニメ化を狙ってです。
BL作品ではありますが、キャラクターの感情を丁寧に追っていくことで、実写やアニメ化した際に映える感動作になると思います。
対象読者は20代~30代の女性をメインに、BLに馴染みがない人にも広く届けたいので性描写は極力抑えています。広義のLGBT作品として一般向けにも展開できる内容にしております。

今回記載したあらすじは単行本1冊分で前半部分になります。後半部分では数年後、二人が再会して、両想いになるまでの過程を描くつもりです。

<キャラ設定>

■仁科 悠斗(にしな・ゆうと)

受け:視点キャラ。一人称「俺」
18歳。大学生。家族は父と双子の妹(真由)。母は他界。

<外見>
168cm。54kg。髪・目ともに薄茶色。中性的な美人。

<生い立ち>
生まれつき心臓病を患い、幼い頃から入院生活を送ってきた。
5歳のとき、海外での移植手術を受けるために両親が募金活動を始める。
その際、世間の同情を引けるよう「難病と戦う、健気で可哀想ないい子」を演じることを強要されたため、それ以来、悠斗は家族の前以外では本当の自分が出せなくなってしまう。
結局資金不足で海外での移植手術は実現せず、悠斗の病状は悪化し続ける。
医者からも20歳までは生きられないだろうと宣告され、「どれだけつらい治療に耐えても、どうせ自分はいつか死ぬんだ…」という気持ちが、悠斗の心をどんどん歪ませていく。
生きる希望もなく、やりたいこともなく、死を待つだけのつらい生活に悠斗は疲弊していく。

<性格>
悪ぶりたい純情ビッチ。ツンデレ。健気。男前。
本当はとてもピュアな性格。

■櫻井 敬一郎(さくらい・けいいちろう)

攻め:一人称「僕」
26歳。ピアニスト・作曲家。
代々続く名家の出身。家族は父と義理の母と弟。実母は櫻井を出産後に離婚。

<外見>
178cm、63kg。黒髪黒目で爽やかなイケメン。

<生い立ち>
元財閥の企業を経営する裕福な家庭に育つ。
父親は櫻井の世話を執事の杉本に任せ、櫻井を放任して育てる。
櫻井にピアノの才能があると判ると、杉本は父親を説得し櫻井に英才教育を受けさせる。
音大に進学した櫻井は、授業で協奏をした海輝(ミキ)と恋に落ちる。
海輝と付き合い始めたおかげで苦手だった恋の曲も弾けるようになり、コンクールでも入賞を繰り返すように。25歳でCDデビューも決まる。
すべてが順風満帆に思えたが、ある夜、海輝が交通事故で亡くなる。
同乗していた櫻井も右手に大きな火傷を負い、小指をなくす。
海輝の死後、櫻井は失意に暮れ、ピアノが弾けなくなってしまう。

<性格>
寂しがりやで繊細。基本、穏やかで優しいが、お坊ちゃま育ちでわがまま。甘ったれ。
何でも一人でできるように努力してきたため、自分に厳しく意地っ張り。
恋愛傾向は超ウエット。熱しやすく激情的な一面がピアノの演奏に出ている。

■杉本 繁治(すぎもと・しげはる)

69歳。櫻井の執事。櫻井を本当の息子のように思っている。
海輝の死後、悲しみに暮れピアノを弾けなくなってしまった櫻井を見かねて、悠斗に海輝の心臓が移植されたのだと嘘をつく。

■仁科 真由(にしな・まゆ)

18歳。悠斗の双子の妹。学祭のミスコンで優勝し、今もたまに読者モデルをやっている。
悠斗のせいで、幼い頃家族からあまり構ってもらえなかった代わりに男に走る。恋愛体質。
誰よりも目立ちたい、愛されたいという願望が強い。
櫻井のファンで、好意がある。

<プロット>

心臓移植手術を受け、集中治療室で目覚める仁科悠斗(18)。せっかく健康な体になったが、悠斗は生きることに無気力で、二面性のある自分の性格を持て余していた。
大学の入学式の日。悠斗の前に「君の胸に触らせてほしい」と懇願し泣く男・櫻井敬一郎(26)が現れる。話を聞くと、悠斗に移植された心臓は櫻井の恋人・ミキのものだったらしい。
ピアニストの櫻井はミキを失ってからピアノが弾けなくなってしまった。ミキの死を受け入れ、心の平穏を取り戻したい櫻井は、今後も悠斗と定期的に会いたいと言う。

一度断ったものの、櫻井はそれから何度も悠斗の前に現れ、「胸に触らせてくれ」と懇願してくる。サークル仲間とうまくいかず、初めてのバイトも失敗して孤立感を深めていた悠斗は、次第に櫻井に対しほの暗い優越感を抱く。「お金くれるなら、あんたと会ってもいいよ」と冗談交じりに言うと、櫻井は喜んでお金を払い、悠斗をホテルに連れて行く。
まさか本当の援助交際のように、このまま抱かれてしまうのだろうかと緊張する悠斗。だが、櫻井は「ミキ……ミキ……」と涙を流しながら、ベッドに横たえた悠斗の裸の胸を愛おしそうに撫でるだけ。その姿に悠斗は舌打ちし、苛立ちを深めていく。

その夜、悠斗はミキの夢を見る。夢の中でミキと櫻井は仲睦まじく食事をしている。昼間、櫻井が話していた通りの光景だ。
夢から覚めた悠斗は、これは心臓が見せた夢だろうかと疑う。そういえば移植施術を受けたあとから、趣味嗜好が一変した。そのどれもがミキが好きだったものと一致する。「心臓の記憶転移」という言葉が頭をよぎるが、まさかな、と悠斗は否定する。

翌週、櫻井に誘われ、水族館にやってきた悠斗。ホテルではない場所で会うのは久しぶりだ。ミキが好きだった魚をじっと眺めていると、櫻井がそっと悠斗の手を握ってくる。どきっとする悠斗。この鼓動の高鳴りは記憶転移のせいだろうか。
悠斗がサークルやバイトの悩みを打ち明けると、櫻井は優しくアドバイスをしてくれる。

また、別の日。悠斗は櫻井の家に招かれ、一緒にピアノを弾く。「悠斗のおかげで再びピアノを弾くことができた」と櫻井は喜び、悠斗に顔を近づけてくる。このままキスされるのかとドキドキしていると、櫻井の執事・杉本繁治(69)がやってきて中断。

櫻井に恋人のように扱われ、だんだん櫻井に気持ちが傾いていく悠斗。(この気持ちは心臓のせい? それとも俺の本当の心?)と悩んでいたある日、悠斗の双子の妹・真由が櫻井に急接近。元々櫻井のファンだと言う真由に、櫻井を奪われてしまうかもしれない。追い詰められた悠斗はミキになりきって女装し、櫻井に告白する。

しかし、櫻井は悠斗を拒絶。「君は何か勘違いしている。ミキ(海輝)は女じゃないし、僕は同性愛者だ」と告げる。
混乱する悠斗と櫻井のもとに、杉本がやってきて謝罪する。実は、悠斗には元々ミキの心臓など移植されていなかった。(ミキの死後、ピアノを弾けなくなってしまった櫻井を見かねた杉本が、悠斗にミキの心臓が移植されたのだと嘘をついた)
つまり、自分が櫻井に抱く恋心は記憶転移のせいではなく、自分の心から湧き上がってきたものだったのだと気づく悠斗。

今までの振舞いを恥ずかしく思いつつ、悠斗は今度は男の姿で再度櫻井に告白。
男なら問題ないと思ったが、櫻井は「男なら誰でもいいわけじゃない」とこの告白も拒絶。悠斗の前から姿を消す。(櫻井は悠斗のことを憎からず思っていたが、ミキを忘れることができず、ミキの心臓を持っていない悠斗に興味を失った)



© 2023 Mashii Imai

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