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『ノーマル・ピープル』


『ノーマル・ピープル』 サリー・ルーニー 山崎まどか訳

マリアンとコネルは幼馴染だった。
マリアンは一匹狼だがコネルは学校の人気者。
コネルの母親はマリアンの家でお手伝いとして働いていたが、二人は高校では素知らぬふりをする。
だがお互いに惹かれ合い、付き合うことにした二人は、高校卒業前にふとしたことがきっかけで別れてしまう。
結局ダブリンの同じ大学に通うことになったが、マリアンが新しい交友関係でのびのびと羽ばたく一方、コネルはなかなか大学に馴染めずにいた。
出身家庭の格差やすれ違い、ちょっとした誤解で引き裂かれ、お互いを傷つけ合い、慰め合うマリアンとコネルの関係の行方は――。(Amazonより)



海外の作品にはずっと抵抗感があったけど、この作品はスイスイ読めた。

登場人物の横文字の名前や地名が、固有名詞としてではなく、単なる記号としてか入って来ず没入できなかったのが原因だったかも。

でもこの作品に関しては、色んな登場人物が出てくるけど、とにかく主役2人だけがわかればあとはそんなに重要ではないというか、そこの軸がぶれなければどんどんのめり込む物語だった。

またその没入感は、会話のテンポや会話と地の文が続いているように読めるっていうのも理由だったかも。原文を読んでいないからわからないけど。

そうなると、翻訳が自分に合っていたのかもしれないし、そこの重要性をかなり感じた。また、読み慣れていないからこそ、訳者あとがきがめちゃくちゃありがたく、要旨をしっかり振り返ることができた。


かなり現代的でまさに今を生きる若者の物語なんだけど、青臭さや瑞々しさだけではない、汚いことや暗さや欲望もしっかり表現されていて、周囲に左右されながら近づくとまた離れてしまう2人の関係性は読み応えがあったし、情景がすんなり思い浮かんで映画的でもあった。


この作品をきっかけにもっと海外作品も読んでいきたい。

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