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No.31 ファンドラップが増えていますが

近年、「ファンドラップ」の残高が増えています。

「ファンドラップ」とは、ファンド(投資信託)をいくつも集めてラップ(包み込んだ)したものです。

#日経COMEMO #NIKKEI

ファンドラップは「ラップ口座」(金融機関が投資家と投資一任契約を結んで投資家の資金を一任されて運用するサービス)を舞台に行われます。

ファンドラップのいい点はロボアドバイザーなどが投資家の投資傾向、リスク許容度などをヒアリング分析して投資家に合ったポートフォリオ(投資商品組成)を設定してくれて運用することが出来る。

株式や債券、リート、などのリスク・リターンを分析してお任せ運用してくれます。

なるほど、投資初心者の方には手軽なサービスですね。

このファンドラップには定期積立が出来るものもあります。毎月3万円とか積み立てられる。いいですね。

「ぬぁーにぃ??」

これのどこがいいのか、投資をいろいろ勉強、研究している私にはさっぱりわかりません。

まず、3つの手数料。投資信託には買ったとき(購買手数料)、持っているときずっと(信託報酬)、売ったとき(信託財産留保額)が掛かります。

この中で、最も要注意なのは保有している間ずっと残高に掛かる信託報酬です。

ファンドラップはこれらの投信信託を寄せ集めて包み込むので、個々の投資信託の手数料のほかにこの包括運用手数料がさらに掛かる訳ですね。

トータルで3%前後掛かるのではないでしょうか?これデメリット①です。

それから、私の独断と偏見で言わせていただくと、ファンドラップを始める方は、投資上級者ではなく、ほとんどの方は投資初心者で自分ではどの投資信託をはじめ、どんな金融商品を組み合わせればいいのかわからないので専門家に運用を委ねたいという方ではないでしょうか?

これら投資初心者の方は、リスクを恐れて安全運用を希望される方が大多数です。

その結果、「株式」と「債券」が半々、とか「株式」30%「債券」70%とか、債券のうちには日本国債が入って来たりします。これデメリット②です。

債券は利回りが株式に比べて大変低いものです。これが長期期間に渡ると株式と債券の利回りの開きはどんどん広がります。

利回りが劣る債券投信でも、手数料は掛かります。長期運用の場合は債券が利回りの足を引っ張るのです。

長期積立投資を研究すればするほど、10年超で期間が長ければ長いほど運用商品に「債券」は要らないということがわかってきます。

ファンドラップは手数料を多く払って、長期積立投資の足を引っ張る債券やらリートやらコモディティ(商品)などといった金融商品を混ぜて運用していくんです。

ポイントはただ一つ。インデックスファンドを凌駕する運用実績、運用年数、一定以上の運用残高を持つ一握りの優秀な外国株アクティブファンドを選んだら何も考えずに長期に積み立てる!これだけです。

10年以上、20年、30年といった長期間積み立てるのであれば、外国株式ファンドだけでやるべきです。

株式以外のファンドを入れて、運用パフォーマンスの足を引っ張り、そのうえ手数料を多額に払うってどうなんでしょう?長期積立なら絶対避けるべきだと思います。長期積立投資にポートフォリオを組む意味はないと思います。

では、一括投資ならどうか?

60歳以降の方の資産運用ということなら、ファンドラップもありかと考えます。多くの場合、高齢期の運用は増やすというより、減らさず資産を守るという意向が強いので、この場合は手数料を払っても減らさず、少しでも運用成果が出ればよい、という意味でファンドラップでもいいと思います。

まあ、ファンドラップでなくても、ちゃんと実績を出し続けている定評の高いバランスファンドだけで運用すれば十分だと思いますが。


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