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2024年4月15日(月)「内臓料理(動物)・ハチノス料理」

今日の東京は快晴。
朝方の最低気温は12℃、日中の最高気温は週末に続いて26℃と夏日を記録。4月だと言うのにまたしても夏日とは、やっぱ地球温暖化・異常気象の常態化が定着して来てますね。朝は清々しい気候で、新緑も美しい季節ですね。
昨日からは二十四節気清明の末項、七十二候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」(虹が現われ始める時季)」となっています。最近、虹見えたかな?さて、

先週末は「開業準備・メニュー作りと価格設定」についてお届けしましたが、本日は「内臓料理(動物)・ハチノス料理」についてお届けして行きたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

ハチノス。
モツ業界用語(?)ではその形状からしてこのように呼ばれているのですが、要は牛等の草食動物の第2胃であります。一般的には牛のハチノスが一番ポピュラーなワケですが、草を食べ・消化する為に進化して来た草食動物には大抵4つの胃が備わっているので、牛のみならず羊や山羊、馬なんかにもハチノスはあるんです。自分は所属していた猟隊でモツ班長(?)を務めていて、シカが獲れる度に処理をしていたので、ハチノスは牛だけじゃない!とカラダに沁みて(?)理解をしておるワケです(笑)。尚、雑食のイノシシには胃袋は一つしかなく(ガツ)、ハチノスはありません。

そんなハチノスの下処理。
元々ハチノスには黒い色素が付いていて、冒頭画像の通りほぼ灰色掛かった黒っぽい色なのですが、食材として使う為にはこの黒い部分を取り去らないと臭みがあると言われてます。単にゴシゴシしただけでは中々取れないのですが、最初に48℃のお湯に5分漬け、その後75℃のお湯に1~2分漬けて取り出した後にスプーンでゴシゴシしたら、するすると剥けると言われてます。尚、気の利いたスーパーなんかでハチノスが売られている場合には、大抵はこの処理はやってくれていて、白い状態になっているコトが殆どです。中々取りにくい状況になってしまうコトもありますが、臭モノ好きの自分はあまり気にせずにそのまま使ったりするコトもあります(まぁ、自家消費ならソレでも良いでしょうが、ヒト様にお出しするとなると、そうはイカンでしょうが…。見てくれの問題もありますしね)。
その後は、ハチノス自体を柔らかくする為と臭み取りの為に、ネギの青い部分や生姜を入れて下茹でするのが一般的ですかね。時間的には1時間前後でしょうか。
下茹でが終わったら、短冊状に1cm×5cm程度の一口サイズに切り分けておくのが宜しいかと。

下処理後のハチノスの料理としては。
一番代表的なのはイタリア料理のトリッパのトマト煮でしょうね。オリーブオイルにニンニクと鷹の爪を入れて香り付けし、セージと塩胡椒で味付けしたハチノスを入れて炒め、セロリを入れて白ワインを投入、ワインのアルコール分が飛んだらトマトソースを入れる。その後水を入れて、その水が元の位置になる程度迄コトコトと煮込めば出来上がり。結構カンタンです。美味いです。
次に個人的に好きな食べ方としては、広東料理で「金銭肚」(jin1 qian2 du3:じんちぇんどぅ)ですかね。コレは滷水(lu3 shui3:るぅしゅい)と言われる醤油ベースに色んな中華香辛料を混ぜ合わせて作られたタレで煮込んだ料理で、飲茶なんかでも定番の料理です。コレもとっても美味い。
アトは、単に焼肉ですかねぇ。ハチノス自体の旨味はそんなに強くはないので、コチラはあんまりオモシロくはないです(飽く迄も個人的感想)。

と言うコトで、良いハチノス(牛でも、シカでも)が入手出来たなら、コレらについてもメニューに乗せるコトもあるかも知れません。
本日は、コレにて。
明日は「醗酵飲料(日本酒)・月の井」についてお届けしたいと思います。


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