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2024年1月18日(木)「有害鳥獣(ではないですが)・マガモ」

今日の東京は晴れ時々曇り。
朝方の最低気温は1℃、日中の最高気温は13℃迄上昇。
もうスグ大寒。一年では一番寒い時季であると言えますね。でも、その大寒を過ぎれば立春であり、暦の上での春はもうスグそこ迄来てるんですよね。あとチョットの我慢(笑)。さて、

昨日は「醗酵飲料(焼酎)・吉兆宝山の初蒸無濾過(2023年謹製)」についてお伝えしましたが、本日は「有害鳥獣(ではないですが)・マガモ」について書いて行きたいと思います。

マガモ。
言わずと知れた渡り鳥であり、狩猟鳥のカモ類の中ではその肉質は質も量も最高位とされる美味しいカモなのです。カモ類(狩猟鳥のマガモ以外だと、カルガモコガモヨシガモヒドリガモオナガガモハシビロガモ陸鳥ホシハジロキンクロハジロスズガモクロガモ海鳥がいます)は概して有害鳥獣ではないし、カルガモ以外は渡り鳥であって冬鳥なので、その猟期は大抵11月15日~翌2月15日迄と限定的です(そりゃあ、春に彼らは北に帰ってしまうので、獲りようもありません…シカ・イノシシ等有害鳥獣の場合、許可さえあれば年がら年中捕獲が可能なんですが)。
なので、コレを食べようと思ったら、この時季に高級レストランに行くか、ネットで買うか、自分で獲るか、或いは優しいハンターさんから貰うか(笑)しかありません(ネットで買ったら6~7千円もするんですねぇ…)。

前にもお伝えしたかと思いますが、2017年に狩猟免許猟銃所持許可を取得して狩猟を始めたものの、2019年に韓国駐在をする為に住民票を抜かざるを得ず、住民票が無ければ猟銃も所持し続けられないと言うコトで猟銃所持許可を返納してしまったので、今は丸腰無鉄砲です。が、所属していた猟隊とはまだ繋がっていて、時々狩猟・有害鳥獣駆除活動にも丸腰無鉄砲参加をさせて貰ってます。そんな猟隊の隊員で、鳥撃ちも好きなヒトがいて、獲れるとくれちゃったりするんです。

と言うコトで、今回はカモ類最高位の?マガモを頂戴しました。
別のトコロにも書いたのですが、実はマガモを捌くのは初めてでした(多分、以前ドコかのお店でマガモ自体は食ってますが)。
マガモは雌雄異色であり、夏季にはオスもメスに似た褐色の体色をしてますが(エクリプス)、繁殖期となる冬季には青緑色の頭部、白い首輪、鮮やかな黄色い嘴となり、そして全体的なお姿はとっても美しいんです。フランスではその肉質の良さを珍重し、親しみを込めて「コルヴェール(緑の首)」と言うそうですが、日本では「青首」と言ってますね。個人的には青と言うよりは緑の方が正しいような気がしますが(笑)。

食う為には、この美しい羽根を毟り取らねばなりません。蝋で固めて引っ剥がすと言う方法もあるようではありますが、ココは丁寧に。1本1本羽根の生えている方向に即して抜いたり、毟ったり。結構時間の掛かる作業で、1羽分を丸裸にするのに1時間近く掛かってしまいました。この羽、ホント美しくて捨てるのはモッタイナイ。フライを巻く人に差し上げたい位でした。
一生懸命毟ってもやっぱり多少の毛は残るので、最後はバーナー使って焼き切ります。

アトは首チョンパして、腹を開いて内臓を出し、モモ・手羽・胸肉とガラに取り分けるだけ。
まぁ、四つ足動物と違って、ほぼサカナ並みにカンタンですね。
ただ、今回感心したのは、その部位の大きさ。以前から、駐在していた中国や韓国の地場の市場で鶏やアヒル合鴨等を買って来て捌いたコトは何度もあるのですが、天然のマガモはソレらとは随分と違ってました。飼い慣らされた鳥達は、あまり飛ばずに歩いてますよね。でも、天然の渡り鳥は歩くよりも、超長距離を翔んで来ている為、胸肉(と言うよりも、胸筋!)がデカく、そして逞しい。一方、腿肉については、驚くホドちっさい。そりゃあ、着水した時にひょこひょこ水掻きを使う位だし、陸上を歩くのも然程多くはないでしょうからねぇ。その腿肉は赤ちゃんの拳くらいの大きさしかない。
そして、お肉の色はとっても赤い。ブロイラーの白っぽい肉の色とは真逆。コレもやっぱり、超長期飛翔の為せるワザなんでしょうねぇ。

今回は、鴨鍋と塩胡椒焼にしてみました。
赤っぽいお肉は、恐らく鉄分を多く含んでいるからなんでしょうが、その鉄分を含んだ独特の香りが強く、レバーを食べられないヒトには少々難易度が高いようではありますが、レバー好きのヒトにとっては誠に滋味深い味わいだし、脂も良く乗っているしで、赤ワインなんかにもとっても合いますなぁ。オモシロいコトにエクリプスの間にはソレほど脂は乗っておらず、香りも穏やか、肉質もアッサリなんだとか(そりゃあまぁ、夏ですからねぇ)。
内臓(レバー[肝臓]・ハツ[心臓]・砂肝・腸)も胡麻油・塩コショウで食べましたが、十分に美味い。また、臭いから止めた方が良いと言われていたボンジリも食べてみましたが、個体差の問題なのか、全く臭くなく食べられました。

鳥類については、解体処理施設で捌かれたモノでないとダメなのかどうかは良く分かりませんが(鳥インフル問題もあるので、多分ダメだと思いますが)、この時季限定のジビエとなると、コレもお店で出したいですね(今後自分達でやろうとしている施設で解体処理OKの保健所認可を貰えば良いだけですが)。

と言うコトで本日はココまで。
明日は「内臓料理・もつ煮」について書いて行きたいと思います。


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