サードドアを開けたサポーターが、サッカー雑誌を作るまで 『MUNDIAL JPN』佐々木バーンズ千尋編集長インタビュー②
サッカーを愛する全ての人に、日本、そして世界のフットボールカルチャーやライフスタイルを紹介する雑誌『MUNDIAL JPN(ムンディアルジャパン)』。
サッカー少女だった佐々木バーンズ千尋編集長が、クリエイティブな仕事へのサードドアを開けるまでをうかがった前回のインタビュー。続いての2回目では、佐々木編集長率いるチームが『MUNDIAL JPN』に込めた熱い想いに迫ります。
この記事は、旅とサッカーを彩るWEB雑誌OWL magazineのコンテンツです。インタビューは①、②ともに前半部分のみ無料になっており、全文をお読みになりたい場合は、月額700円の購読申込が必要となります。その他の記事もあわせて毎月15〜20記事が読み放題となります。なお、今回使用している写真は、掲載許可をいただいております。 インタビュアー:澤野雅之
『MUNDIAL JPN』は出産がキッカケで誕生した!?
ー 『MUNDIAL JPN』は2018年6月の創刊でしたね。その経緯を教えてください。
佐々木バーンズ千尋(『MUNDIAL JPN』編集長 以下、佐々木) お話したように、クリエイティブ系の仕事をしていたので、モノを表現したりとかモノを作ったりというのに強い興味を持って。
広告代理店の業界ではちょうどクライアントからいただく案件がどんどんデジタル化していた転換期で、サイズが小さくなっていったんですよ。
良いフォトグラファーの方に撮ってもらっても、作り物ではなく携帯画面サイズでしか出ないのがもったいないと思った事があって、このままだとポスターも本もなくなっていっちゃうんじゃないかと感じたんですね。
サッカー界でも、従来ですと専門のフォトグラファーの方とインタビュアーの方が上手く連動して活動するというイメージが、だんだんもう携帯1個で写真が完結し、カシャッとして記事になる。別にそれが悪いということではないですけど、寂しいなと思うところもあって。
私も『サッカーダイジェスト』や『サッカーキング』とかを読んで育ってきたので、本の大切さとか昔からあるモノをこの世代で失くしたくないなっていうのを切実に感じていて。
ちょうどその頃ヨーロッパでは『The Green Soccer Journal』が流行りだしていて、そろそろ日本でもくるんじゃないかなと常に思ってたんですね。
『The Green Soccer Journal』は2010年に創刊されたUKで人気のフットボールマガジン。ライフスタイル、カルチャー、ファッションなど多角的な視点からフットボールを語るスタイルが支持されている。
それで私が妊娠して出産した時に、今いる業界での私のキャリアっていう部分では一度、終わりでいいのかな思って。ちょっと自分のやりたい事をやってみようかと。
変な話、育休がもらえて国からも補助金が出るので、それを少し工面して活動費にして、日本で雑誌を作ってみようかと思って。元々サッカー好きでクリエイティブ好きな方が周りにいたので声をかけたら、みんな「ぜひ、やろう」って言ってくれたので。
みんなサイドプロジェクト、個人的プロジェクトとして、始めた形ですかね。それが最初の経緯かな。とりあえずやってみよう、出してみよう、作ってみよう、というのが一発目かな。そんな感じで始まりました。
福島成人(ヨコハマ・フットボール映画祭実行委員長 以下、福島) お子さんが生まれたのは、いつ?
佐々木 子どもが生まれたのが2016年。で、生まれて半年くらいで仲間に声をかけたのかな。「今までにないサッカー雑誌作らない?」って言って。
中村慎太郎(『OWL magazine』共同代表兼主筆 以下、中村) ということは、お子さんはいま、2歳ですね。
佐々木 そうです。今もうヤバイですよ(笑)これ(腕にあるアリエルのタトゥーシール)も、娘にやられてますからね。恥ずかしくて。これがなくなるとキレるから、つけておかないといけない。
本当に何か、出産きっかけで始めたことになるのかな。ラストダンスじゃないですけど、自分のやりたかった事をやっている感じですかね。
サッカー×クリエイティブ×〇〇=MUNDIAL JPN
ー 雑誌のようなプロダクトを作った経験はあったのですか?
佐々木 いや、ないです。元々プロジェクトマネージングをやっていたので、メンバーを集めてこういうのを作ろうみたいな感じで線を引く係はできたんですけど。物書きとかそういうのは全然やってない。
できる人たちにお願いして、書いてもらって。こういう雑誌を作りたいっていうビジョンに向けて線を引いた感じですかね。
― いま『MUNDIAL JPN』のメンバーの人数は?
佐々木 本当にメインで言うと6人くらいかな。
中村 『OWL magazine』とほぼ一緒だ(笑)
佐々木 でも、みんな主の仕事があって。これは完全にサイドプロジェクトです。
中村 それも一緒です。メインの人を6人も抱えられないですよね、メディアで。
― チーム内の役割はどうなっていますか?
佐々木 作る人と書く人と絵を描ける人、伝手がある人とか、そんな感じかな。
ー イギリスのサッカー誌『MUNDIAL』との関係は?
佐々木 すごくファンだったのもあるのと、編集長が友達で。いきなりまっさらな所から始めるより、コピー的に『MUNDIAL』の日本版ですって言った方がPRの部分で肩の荷が下りるから。
本職でやっていればもうちょっと力入れてできるんですけど、みんな副業なので。UKのスタイルと雰囲気を入れて、PRの部分でも助けてもらおうと。特に契約してたりとか、アレしてコレしてとかは全くなくて。
「ちょっと名前ちょうだい」「いいよ」「テンプレートちょうだい」「いいよ」とかそんな感じで(笑)その分、彼らのクオリティであったり、完成度も落とせないプレッシャーはありましたけど。
ー 『MUNDIAL』の編集長はイギリスの方なんですか?
佐々木 リバプール出身の人です。元々彼は『HYPEBEAST』とかWebメディアで書いていたりする人で、そこから『MUNDIAL』を始めて。
やっぱりイギリスだとドンズバ(※一番ぴったりの意)で、「ファッションとサッカーが好きです」っていう人口がものすごく多いので、すぐハマって。
いま一番UKで人気あるんじゃないかな。たぶんセブンイレブンとか、そのくらいのレベルの所に置いてありますよ。まあセブンはないんですけど、そういうニュースエージェント系の所には普通に置いてあって。すごい人気がありますね。
福島 『MUNDIAL』の人たちからの『MUNDIAL JPN』に対する評価はどうだったんですか?
佐々木 ビックリしていました。「エッ、こんなスゴイのができたの?もっとどうしようもないものを作るのかと思った!」みたいな。
中村 普通考えたら、16ページくらいのペラッペラのやつを想像すると思うんですよ。よくコンビニの前でしなしなになっているような(笑)。この装丁で、この内容量で、しかもオールカラーでしょ。信じられない(笑)
ー 創刊の時のご自身の手ごたえはいかがでしたか?
佐々木 最初ローンチした時に、“JOURNAL STANDARD”とコラボができたので、形的にはすごい豪華なスタートはできたと思うんですけど。それが実際にサッカーファンに届いたかなというところでは、自分でも模索している部分があって。
雑誌に登場している人のファンの方とか、チームのファンの方には購入していただくことはあるんですけど。もうちょっとこう、どうしたら巻き込んでいけるのか、反響ももうちょっと欲しかったなという部分もあるし。
「こういうのを待ってた」と言ってくれる方もいるし、そういう反響があったものも無かったものも含めてこれからもっと模索していけるところかなと感じました。
ー 創刊のイベントを企画したのは、佐々木さん?
佐々木 ローンチしたのがW杯の年だったので、アパレル業界もコラボレーションしたがっていた時期でもあって。知り合いの方に声をかけていただいて、コラボTシャツ作ってウチのローンチと一緒にイベントをやりました。
“JOURNAL STANDARD × MUNDIAL JPN”でTシャツを作って、あとは“UMBRO × MUNDIAL”のユニフォームを作ったかな。
ー 11,000円のユニフォームですよね。売れたんですか?
佐々木 はい、全部完売しました。JOURNALの方は分からないけど、ウチの方で作った200枚は完売しました。
今回(ISSUE 2)は作り物がなかったので、やっぱりメディア的にはピックアップがなかったかな。ファッションのWebサイトだと、どうしても作り物がないと取り上げづらかったみたいで。何か作っておけば良かったかな、と思います。
日本とイギリスのサッカーカルチャー
ー 創刊当時のHPには「テンプレートのような選手の写真と評価」だけでなく「サッカーのカルチャーやドキュメンタリーについて語りたい」とのコメントがありましたね。それはいつ頃からご自身の考えにあったものですか?
佐々木 イギリスに行った時ですね。そこでサッカーっていうものが生活に入り込んでいたりとか、カルチャーになっているのをすごく肌で感じて。
全くその頃はJリーグとかをフォローしていなくて。日本に帰ってきてから地元のサッカーチームを応援しようみたいなところでエンジンがかかったんです。
ー 地元のチームというと?
佐々木 大宮アルディージャです。
― それは、いつから?
佐々木 大宮に住むようになってから。お父さんがNTT関東からの大宮アルディージャの流れだから、元々気にかけているチームではあったけど、ちゃんとシーズンチケットを買って行くようになったのは2013年かな。
私の家から大宮のスタジアムまでって、氷川神社の参道を真っすぐなんですよ。
― 席はどの辺りで観戦されているんですか?
佐々木 当初はゴール裏だったんだけど、妊娠・出産した時のタイミングでメインに座るようになりました。隣の席の人ともだいぶ仲良くなって。
今は生活にサッカーが入り込んでいるし、サッカーに対する自分の考えの幅もすごく広がったかなとは思っています。
で、話を戻すと、イギリスではやっぱり刺激を受けたりだとか、一個に固執しないっていう考え方を感じたんです。
例えばこっちだと、「Jリーグつまんないから海外しか観ないです」っていう人が結構いたりとか。「Jしか観ない、ゴール裏で跳ねているのが好き」っていう人ももちろん良いんですけど、クロスオーバーっていうか、もっと広げてみない?ってところなのかな。
それだけ今のめり込めているのなら、もっと自分のサッカーの扉をひらける気がするんだよなっていうところを何かこう、くすぐれればいいなって思ったのがこのメッセージかな。
ー イギリスと日本で何がそんなに違うのでしょうか?
佐々木 向こうは何ていうか、サッカーを愛してて。サッカーだったら何でも見る、サッカーだったら何でも着る、そういうカテゴライズで。それだからサッカーのカルチャーがすごく広がっていっているという気がするんですよね。
別に固執しているのがいけないとは思わないし、固執しているからこそ深くなることもあると思うし。だから、そういう深くなった人がもうちょっと幅をつけられるようなものを作れれば良いなみたいな。そういう感覚ですかね。
中村 それ、すごい面白い話だなと思って。Jリーグは蛸壺化って言われていて、やっぱり自分のサポートしているチームのものしか見ない。横浜FCを応援している人は、マリノスの記事なんて絶対読まないみたいなところがあって。
ー 読みますよ、私は(笑)
中村 まあ、そういうタイプの人が結構いて。浦和だったらこれくらいの数字が取れるけど、徳島だったらこれくらいしか読まれないな、ということになるわけですけど。僕、イギリスもそうだと思ってたんですよ。
佐々木 イギリスもスタートはそこで、「俺、もうLiverpool for my life」だと思うんですけど。でも基本サッカーが好きな人たちは、他のチームのハイライトも見るし、リーグテーブルもしっかり見るし。サッカーというカルチャーをもっとこう、受け止めている感じ。何て言えばいいのかな……。
中村 僕が聞いた話だと、下のカテゴリーのニュースも結構出てくるって。それが正に広く見ている証明なのかなって思います。ドイツなんかもそういう話を聞きますし。
佐々木 サッカーに対するアンテナの感度が、みんなすごく高いんですよ。
中村 キーワード“サッカー”がね…ダメなんですよね。キーワードを“FC東京”とかにしないと、日本の場合は見てもらえない。
佐々木 そういう感じです、感覚的には。キーワードが“海外サッカー”だけの人はメチャメチャいるのに、そこの人たちはクロスオーバーでJリーグに来ないじゃないですか。
だからサッカーっていうカテゴリーで、ハブ的な存在になれたらなって。
― イギリスの人ってサッカーについてどんな話をするんですか?
佐々木 誰が怪我したとか。この間の試合はこうだったとか。選手と試合がメインかな。
― 戦術の話をする人はいます?
佐々木 この間、アイツを使ったから誰々の動きが悪くなったとか。好きな人は四六時中追ってますよね。今はネットでずーっと見られるから。
ー イギリスではファンの男女差ってあるんですか?
佐々木 ファンは、やっぱり男性が多いと思います。でもJリーグだと年齢がちょっと上じゃないですか。それは、ないかな。
幅広いし、家族で見ている人も多いし。言ってしまえば規模も違うし。
だから、そこに追いつけとは言えないし、まだまだ日本のJリーグだって26年だし。もうちょっと幅を広げてとか偉そうなこと言ってるけど、私(笑)
逆を言えばこんなにも興味を持つ人がガッツリでてきて、ジャーナリストの方とかこういう(OWLのような)活動をしている方がいるってことは、もっと可能性を秘めていると思うので、その一部になれたらと思っています。
イギリスの「サッカーを楽しむ」、小さい時からおじいちゃんまで楽しめる文化みたいなものをもっと日本に持ってくるというか……。日本もやっていると思うけど、もっと人口が増えていくものだと思うんですよね。
読者に響くドキュメンタリーとストーリー
― 『MUNDIAL JPN』の読者のターゲットはどの層?
佐々木 ターゲットのイメージは、サッカーファンとしか決めてなかったかな。特に年齢もなくて。みんながデジタルな方にいってるから、逆にもっとドキュメンタルなものの流行りがくると思っていたんですよね。
映像なりコマーシャルなり、読み物でもドキュメンタルさ、心にタッチするものがみんな欲しくなってくるだろうなって。今、クイーンの映画も流行っているじゃないですか。
もっとサッカーにある、ドキュメンタルな話を伝えられるようなメディアでいたいなって思ったんです。みなさんと同じ感じですね。
福島 僕が思ったのは、ストーリーなのかなって。サッカーのゲームはゲームなんだけど、たぶんそこにはストーリーがあって。
テクニックとかスペックも大事なんだけど、プレイヤーのバックボーンの話とか、近くで行われていることのストーリーをいまメディアで見ることが少ないのかなと。僕はそう思っているんです。
佐々木 わかります、わかります。
例えばオーストラリア時代の小野伸二選手の深い話みたいな。今までのざっくばらんな小野選手、じゃないところの話。そういう切り口。
今回だと松井大輔選手は「何でそんなに海外に行きたがるの?」みたいなところだけ。
福島 そこを深堀りしたい感じですね。
佐々木 そうそう。そんな感じ。
福島 ああ、僕が言っちゃダメですね(笑)
佐々木 いやいや、ストーリーは本当その通りだと思います。
そういう聞いたことない、見たことないようなものがサッカーで表現できて、それにプラスちょっとオシャレが加わって、デザイン性があって。で、人の時間を盗めるような雑誌にしたいなと思っています。
中村 読者に響くのはサポーターとか、コールリーダーへのインタビューじゃないですか。
佐々木 それはすごい考えていて。それこそコールリーダーの写真を撮りまくりたい。「コールリーダーの背中」みたいな特集で。できれば一年その人を追ったりとか。どのくらいお金がかかっているのかとか。そういうドキュメントみたいなのは次でやりたいなって思っていたら、もうJリーグ半分終わっちゃった(笑)。
中村 浦和でそれをやれば、もう何千部とか売れるわけじゃないですか。
ー 佐々木さん、大宮サポだから(笑)
佐々木 松本山雅とかやりたいな。おじいちゃん、おばあちゃん特集とか。
中村 山雅だったら、売ってくれそうな本屋さんに心当たりが一つあります。興文堂って言うんですけど。
佐々木 本当ですか?ちゃんとやらなきゃな~。毎回言ってます。販促頑張らないといけない。
福島 僕、ISSUE2がローンチされた時の中目黒でやったイベントに行ったんです。
佐々木 あっ、ありがとうございます!
中村 あれ、僕は呼ばれてないな(笑)
ー 告知はツイッターで出ていましたよ(笑)
福島 あそこに来ていた人たちと僕は、何か遠くて。“J2党”に来るような人たちではないんですよね。かと言ってゴール裏にもいなくて。結果的に彼らの存在は『MUNDIAL JPN』のプロジェクトの応援になっているのかな?何だかんだで結構買ってくれているの?
“燃えろ!J2党”は、阿佐ヶ谷ロフトAを拠点にして開催されているサッカーフリーク向けのトークイベント。Jリーグだけでなく、JFLや地域リーグのクラブのサポーターまでもが一堂に会する稀有なイベントなため、サッカー界の関係者も数多く足を運ぶ。
佐々木 イベント自体、“J2党”とかに行っている人を呼ぶってなったら、その人たちが面白いコンテンツだと、やっぱりそこにハマっている人を呼ばなきゃいけないっていうのがあります。この間のは、イベントだったら来るよっていう人たちです。
プラスして言うなら、インスタにあげて見てくれる人も、アンテナの感度が高い人、っていうだけであって。正直、この間のイベントは、ISSUE2に手が回らなくて「早くやらなきゃ」ってやったところがあるから。
どちらかと言うとISSUE1の時の方が、もっと幅広い、会いたい人に会えたって感じかもしれないです。ちゃんと私たちも準備できて、湘南でイベントもやれたし。ISSUE2は、本当にバタバタっとした感じだったから。
福島 僕も映画祭をやっていて、もっとたくさんの人たちに来てもらえるはずなのに、足りてないなと思っていて。どうアプローチすれば良いのかな、とか考えてしまう。
佐々木 難しいですよね。私は横浜に来ている人たちに来て欲しくて、福島さんは中目黒に来ている人たちに来て欲しい。そういうことなんですよね。
一番分かりやすいのは、ヨコハマ・フットボール映画祭でちょっとしたサッカートーナメントをやると、ああいう人たちは好きだから来ると思う。実際に蹴るのと、映画祭を一緒にやって。盛り上がると思います。
お読みいただきましてありがとうございます。恐縮ですが以下は有料コンテンツとなっております。インタビューの2本分もあわせまして今月の15〜20記事が読み放題で大変お得です。旅とサッカーをテーマにした表現活動を継続していくためにも、是非皆様のお力添えをお願い致します。
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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
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