201912表紙

フクロウのふりかえり 2019年12月

OWL magazine 2019年12月のまとめ記事をお届けします。この記事の文章は全て無料でご覧になれますが、文中でご紹介している記事には有料記事があります。月額700円で15〜20記事が読み放題となりますので、よろしければこの機会に定期購読をお申し込みくださいませ。

はじめに

皆さん、こんばんわ!師走の忙しさもひと段落して、ゆっくりくつろいでいらっしゃる頃でしょうか。まだお仕事の方は、大変お疲れ様です。私は今しがた大掃除を終えて、この原稿を書いています。まもなく円子の記事がUPされるでしょうから、その記事を振り返って今年の執筆作業は終了となります。

2019年の明治安田生命J1リーグは横浜F・マリノスの優勝で幕を閉じました。最終節、日産スタジアムで行われた試合を、中村慎太郎はFC東京のゴール裏で、私はバックスタンドの2階で妻と観戦。あいにくの雨と寒さにも関わらず、Jリーグ史上最高記録となる63,854人の大観衆がスタジアムに訪れたことは、横浜市民の私としても嬉しい出来事でした。

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他方、私の周りのサッカーに興味のない方にJリーグの話を振ってみても、マリノスの優勝は知っていても監督や選手のことは全く知らない方がほとんどです。「2019年 市民が選ぶ横浜10大ニュース」の第8位に「 横浜 DeNA ベイスターズが初のCS本拠地開催」が選ばれましたが、マリノスの優勝は何と26位。

これは投票期間のタイミング(11月21日から12月11日まで)もあるので単純に比較できないのは承知していますが、やっぱり少々寂しい。横浜FCのJ1昇格に至っては、掲載されている40位までにランクインしていませんでした。

DAZNのおかげでサッカーフリークな人たちは海外・国内を問わず数多くの試合を観戦できる恩恵に預かっていますが、一歩外に出ればその熱狂を知らない人だらけで、クローズドな印象が増すばかりです。どうにかサッカー界隈の外で、サポーターの楽しさが伝わる接点を作りたいものですね。

それでは、いつものように今月の14記事のふりかえりを始めましょう。先月のふりかえりはこちら。

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サポーターをめぐる冒険は続くよどこまでも

12月12日まで記事が1本も掲載されないという創刊以来の危機に陥っておりましたが、ようやく13日に掲載することができました。ご心配をおかけして申し訳ございません。

中村は来年のスケジュールに思いを馳せています。岩本義弘さんから「南葛SCの文字が全く見当たらない」という指摘を受けて少々あせりましたが、南葛は旅の候補地として挙げるには近すぎるということです。私も来年こそ観戦に足を運ぶつもりでいます。

「JFL多すぎ」というご意見もありました。今年、今治をはじめ沢山ご紹介させていただいたのは、きっと私たちとウマが合うのだと思います。美味しい食事とお酒、そして皆さんとの出会いや再会を求めて中村はまた来年も旅に出ることでしょう。今後ともごひいきにお願いします!

名著『サポーターをめぐる冒険』が発売されてから5年。FC東京サポーター歴6年目を迎えた中村にとって、2019年はとりわけ特別な年となったようです。

チーム全体がぬるま湯につかっていたような時期を経て、長谷川健太監督の指揮により闘う集団となって優勝争いに加わったFC東京。インパクトのある活躍を見せていた久保建英選手は、夏にレアルマドリード→マジョルカに移籍してしまいましたが、チームの強さが大きくブレることはありませんでした。

横浜F・マリノスの猛追もあり、あと一歩及ばず優勝を逃しましたが、最後の最後まで可能性を信じて仲間と共に応援した時間が、彼のくすぶっていた感情に火をつけたということでしょう。これまでの6年を知る読者からは「泣けてきた」「目から汗が」というコメントをいただきました。

胸を張ってFC東京サポーターを名乗ることを心に誓った中村慎太郎。先生の次回作にご期待下さい!なんて週刊連載マンガの最終回のようなフレーズはさておき、FC東京サポーターの皆さま、引き続きどうぞよろしくお願い致します!!


釜山にて 油断と弛緩

12月14日から18日まで、韓国の釜山で開催された「EAFF E-1サッカー選手権」。円子文佳は相変わらず試合そのものの話題にはほとんど触れず、釜山グルメと旅先でのトラブルについて記しています。

該当ツイートは見つけられなかったのですが、釜山に行った日本代表のサポーターの方からは、このグルメ情報は好評だったとのこと。確かにどれも美味しそうで、食欲をそそられます。私は特にタコ鍋が気になりました。

韓国戦の前には、タクシーや地下鉄のトラブルで痛い目にあいつつもキックオフには間に合った様子。「油断は禁物」と分かっていても失くせない心の隙に皆さまもどうかご注意下さいませ。

我らが宇都宮徹壱さんも、釜山遠征にいち観客として参加していました。円子とはまた異なった視点で韓国戦をご覧になったようで、特に韓国側のサポーターにかつてとは異なる印象を抱いたようです。

「日韓戦特有の研ぎ澄まされた空気がまるで感じられ」ず、「ぬるい空気」に包まれていたスタジアム。屋下えま「イメージと違う」と驚きを隠せませんでした。東アジアでしのぎを削ってきたライバル同士、負けたくない感情をむき出しにした勝負をまた観たいものです。

もしかすると“代表”というコンテンツの価値が以前ほど高くなくなってきているのかもしれません。ハイレベルな試合をクラブチーム同士の対戦で観ることができるのは良いのですが、代表の注目度が下がることは互いの国にとって決して良いことではありません。少々テコ入れが必要な時期ではないでしょうか。

記事中で紹介されていますが、徹壱さんが現地でお会いした峰麻美。サッカー旅は継続しているのですが、文章を書くのにちと疲れてしまったそうです。でも、貴女の記事を読んで「私も書きたい」という女性がどんどん増えていますよ。素晴らしい功績だと思います。

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身体と脳と心を動かそう

9月にFC OWLでフットサルした時より、さらに体重が増えてしまった中村。各クラブのサポーターが集まったフットサルに参加するも、プレーするのにずいぶんと苦労したようです。

私もすぐに足が攣るので人のことを言えません。でもやっぱりプレーするのは楽しいので、運動不足解消のためにも来年もOWLでフットサルを企画したいし、他の方の企画にも乗っからせていただこうと考えております。

今回の参加者はFC東京と東京ヴェルディのサポーターが呉越同舟し、属性も戦術クラスタからYouTuberまで多彩な組み合わせだったそうで。何だか聞いているだけでワクワクしますね。

こちらはちょっと頭を使う体操と申しますか、こたつの中でも楽しめる旅のススメです。“時刻表”を使って空想上の旅程を楽しむ試みは、かつて私も小学校の夏休みの宿題でチャレンジしたことがあります。

屋下えまは自分なりのルールを設けていて、お昼ご飯のことまで考えているのが芸が細かいですね。「死ぬほどやりました」という読者からのコメントも寄せられており、思いの外メジャーなのかな?と懐かしく思い出しました。今はGoogle マップも時刻表アプリもあるから、より細かくリアルに寄せて楽しめそうですね。

最後に心を動かされるエピソードをご紹介します。「ネルシーニョに心臓を捧げる」と言って憚らない円子の記事です。忖度なしに選手や監督について語っているので、無暗にネルシーニョ監督を信奉している訳ではないようですが、これだけ監督の一挙手一投足に注目している人も珍しい。

監督の良い所も悪い所も細かく分析し、良い所は称え悪い所は適当にお茶を濁しながら2019シーズンの長旅を共にしてきた円子。ネルシーニョ監督の監督業ラストシーズンである2020年もしっかり追いかけていただきましょう。

とりあえず、北爪健吾選手を獲ったからには使って下さいね、監督!


グアムとANAの上級会員になった人と京都

前回は中国2部リーグの観戦レポートをしたためたfootysab(フッティサブ)。今回もまた珍しい観戦記を寄稿してくれました。場所はリゾート地としてはお馴染みの島、グアム。そこで行われているFIFA公式戦、代表チームのW杯予選の試合を一人観戦してきたのです。

グアム代表と対戦相手のフィリピン代表にも日本にルーツを持つ代表選手がいることに、屋下えまも感心しきり。サッカーだけでなく「その土地の風習などを感じ取る」ことに関心が沸いた読者の方もいらっしゃったのは、footysabとしても我が意を得たり、というところでしょう。

FJまりこは今年1年で13か国を旅して周りました。最近は本業が猛烈に忙しく、原稿の進捗のやり取り以外は連絡が取りづらい彼女ですが、必ずきっちり記事を仕上げてくれるあたりさすがと言う他ありません。

飛行機旅に詳しそうな読者に言わせれば、海外出張をしないでANAの上級会員になるのは「尊敬」に値するそうで。私には未知の世界なのですが、このレクチャーが役立つ日が来るといいなあ。家族とはいつかオーストラリアに行きたいね、と話しています。

今年のJリーグのトピックとして、京都の新スタジアムの完成が挙げられますが、こちらはもう少し昔の話。ドット絵の電光掲示板が有名な西京極総合運動公園のスタジアムを中村が訪れた時のエピソード。

どこか懐かしい雰囲気の中、現地で出会った人たちの優しさに触れたことが、中村のハートをポッポと温めたようです。電光掲示板に映る京都サンガの元監督・バドゥ氏の画像がまた何とも言えぬ味わいを漂わせていますなあ。Ryu-Yさんからは、亀岡の新スタジアムへのお誘いをいただきました。

2010年に西京極を訪れたしゅんさんも懐かしんでくれています。本当は今月に彼と湘南ベルマーレについての記事も掲載したかったのですが、来月掲載の運びとなりました。私の妻の実家がある所がベルマーレのホームタウンなので、私も気になっているクラブです。どうぞ、お楽しみに!


「旅とサッカー」がつないだもの

先述したように峰麻美の残した文章は多くの女性サポーターの共感を呼び、何人かの行動変容を促しました。私たちの元に届いた一通のDMの発信主は鹿島アントラーズサポーターの女性。少しおっかなびっくり加減に、でも明確に「記事を書きたい」という意思を示す内容でした。

直接お話すること数度、編集の往復はかなりの回数に及び、完成までにはそれなりの時間がかかりましたが、心に響く所信表明記事が出来上がりました。記事の掲載を知らせるツイートの後しばらくして、中村が「これはバズる」とSlackで私たちに宣言した通り、五十嵐メイの記事は大きな反響を呼ぶこととなりました。

紹介しきれないほどのリツイートと感想が呟かれ、多くの人の涙を誘い、応援のメッセージをいただきました。ありがとうございます。鹿島アントラーズの草創期のスタッフである長岡茂さんは「アントラーズを作った目的が実現できた」と仰って下さいました。

FC今治の中島啓太さんは「ファン自身のコンテンツ」のポテンシャルの高さについて言及されています。彼女にはこれから「旅×サッカー×ラーメン」というジャンルで記事を書いてもらう予定です。新境地の開拓なるか、乞うご期待!

ちなみに記事中に登場する、水戸ホーリーホックや松本山雅FCで活躍された塩沢勝吾さんご本人から、五十嵐は後日御礼のコメントをいただいたそうです。SNS時代の繋がりと拡散力はスゴイですね。

我らが徹壱さんは、スポナビをはじめご自身のWebマガジンでも多くの記事を執筆された一方で、OWL magazineに20もの記事を寄稿して下さいました。屋下も「ただのファンです」と思わず告白してしまうように、私にとってもほんの1年前までは話しかけることさえ憚られる存在でした。

これまで何度もマガジンの運営のアドバイスをいただき、私には「もっと自分を色んな役割で使ってくれて構わない」と𠮟咤激励して下さいました。執筆陣にインタビュー指導の機会もいただいています。それもこれも、現状のサッカーメディア界に対する危機感ゆえの心遣いでした。

もはや記事の執筆一本でご飯を食べていくのは至難の業ですし、後進の育成を丁寧にできる余裕があるところも数少ない環境になっています。そんな中、私たちの「旅とサッカーをつなぐ」活動に賛同の意を示して下さり、さりげなくサポートして下さる方たちの存在が何とありがたいことか。

徹壱さんが先鞭をつけて下さったおかげでマガジンの信頼性が担保できたのは間違いありませんし、地域リーグやJFLの情報と素晴らしい写真の数々は、私たちの目を沢山楽しませて下さいました。

来年も記事だけでなくイベントでもお世話になる予定ですし、まだ温めている企画もたっぷりあります。若い人に対しても常に謙虚で、丁寧に接して下さる徹壱さん、今後ともどうぞよろしくお願い致します!


さいごに

私の後ろでは家族が紅白歌合戦を観ています。まさか年の瀬のギリギリまで執筆しているようなシチュエーションが、自分の身に降りかかるとは思ってもみませんでした。さすがに毎月書いていると、少しずつ自分なりの書き方のコツがつかめてきた気がします。

ただ、ふりかえりの記事はあくまでまとめ記事です。私の力不足もあって、それほど多くの方に読んでいただけていないのも事実で、来年はタイトルを含めリニューアルを検討するかもしれません。

これまで私のふりかえり記事にお付き合い下さった皆さまには厚く御礼申し上げます。今年は同人誌の執筆なども並行して行っていたため書けないでいたのですが、せっかくJ1に昇格した横浜FCの旅記事も来年は書けたら良いなと考えています。

先月のふりかえりで今月末にイベントを行う告知をさせていただきましたが、記事の掲載さえ危ぶまれる状況でしたので、実施することがかないませんでした。こちらも深くお詫び申し上げます。中村、円子、そして私とそれぞれ不測の事態が起きるのはかなり想定外で、今後そうそうあることとは思いませんが、告知にも気を付けて参りたいと思います。

OWL magazineを盛り上げて下さるのは、いまこの文章を読んでいるあなたに他なりません。「旅とサッカー」、またはそれ以外の楽しいこと、取り上げて欲しいトピックをぜひ教えてください。

『フクロウのふりかえり』の盛り上がりは、皆さんのツイートなどの反応にかかっております。記事へのコメント付きリツイートをお願いします。それでは皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。

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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…

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