201907フクロウ表紙

フクロウのふりかえり 2019年8月

OWL magazine 2019年8月のまとめ記事をお届けします。この記事の文章は全て無料でご覧になれますが、文中でご紹介している記事には有料記事があります。月額700円で15〜20記事が読み放題となりますので、よろしければこの機会に定期購読をお申し込みくださいませ。

はじめに

皆さま、お暑うございます。ここ数年の夏は暑すぎて、日々の健康管理と熱中症対策がとても大切ですね。そして運動にしても知的活動にしても、パフォーマンスはどうしても低下しがちです。

OWL magazineでも今月は記事掲載の出足が鈍く、いつもと違って後半に掲載が集中しました。最後の記事は何とこのふりかえり記事を出す数時間前に掲載されるという緊張感あるスケジューリングでした。

というわけで出来立てほやほやの今月のふりかえり、はじまりです!

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サポーター文学の可能性

先月のマガジンに掲載がなく、多くの読者を悲しみのドン底に突き落とした峰麻美は、月初からパンチの利いた記事を提供してくれました。アウェイのセレッソ大阪戦と、大阪の地でまさかのタイムスリップ。昭和の女を演じきった旅行記です。

セレッソのサポーターからも賞賛の声をいただきましたし、「書籍化したら買う」「心洗われる」などコメント付きのRTを見るにつけ、彼女のキャラクターと文才に惹かれる人たちが確実に増えているのを感じています。ただどうも本人にはまだその実感がなく、自信が持てないようなので、引き続き励ましのメッセージを本人にお寄せくださいね。

OWL Channel「文筆家峰麻美を語ろう!」の回では、中村慎太郎が「サポーター文学」について語っています。峰麻美がこのまま順調に表現力を伸ばしていけば、彼女の本が発売される日も近いのでは、と私は思うのです。最後に、天皇杯3回戦のカターレ富山戦での戦利品を掲げる彼女をお届けします。

先月、タオルの物語を綴った屋下えまが、今度は不思議な靴下の旅の話を用意してくれました。ヴィッセル神戸のイニエスタを評して「史上最大の靴下の一つ」だなんてフレーズで私たちを文章に誘い、知らないうちに何だか柔らかな世界に引き込まれます。

読者の「読むとほわほわする」という感想が、全てを物語っていますね。彼女の作風は「サポーターエッセイ」とでも言うべきなのかしらん?OWLの執筆メンバーの中でも異彩を放つ屋下は、私もあずかり知らぬ引き出しをまだまだ隠し持っているようです。

三重に見えた クラブとサポーターの強さ

中村慎太郎の三重の旅、第2弾はヴィアティン三重を応援する一体感あふれるサポーター達のお話です。“育児パパ”のコールリーダーであるRYUJI氏のエピソードには、二人の娘がいる私も個人的に共感を覚えました。

スタジアムは必ずしも子どもたちだけが主役の場所という訳ではありません。ですが、地方のクラブやなでしこリーグのクラブなどにとって、この先も生き残っていくためには子どもたちに好きになってもらうことが必須の条件だと思います。

いや、地方だけの話ではないですね。気が付いているクラブは既にアクションを起こしています。サッカーという競技の魅力だけでなく、人との交流や応援する楽しさなど、サッカー周辺の盛り上がりをいかに一般の方に伝えることができるかが大切ですね。

三重には育児パパのコールリーダーだけでなく、「あねご」とか「ボス」と呼ばれる「主婦サポーター」がいます。大旗をたなびかせてスタンドに立つその姿の勇ましいこと。彼女には何とも濃厚なバックボーンがあって、今日も仕事に家事にサポーター活動に飛び回っています。

こちらの記事はとりわけ反響が大きく、ヴァンラーレ八戸の名物サポーターであるティガーさんの驚きの声の他にも、女性の方から「愛が深すぎる」「かっこよくて可愛らしい」というコメントを沢山いただいております。彼女の“強さ”は誰もが身に着けられるものではないので、それゆえに憧れを抱く方も多いのでしょう。

今年の天皇杯で示した、クラブとサポーターの一体感のある“強さ”。ヴィアティン三重のこれからの成長に注目ですね。

ローカルなクラブは頂きを目指す

これからのクラブ、ということでは先月に円子が取り上げた鎌倉インターナショナルFC(以下、鎌倉インテル)もそれに該当します。神奈川県の2部リーグに属する鎌倉インテルについては、こちらの記事もご覧頂けると幸いです。

今回は鎌倉インテルのオーナーである四方健太郎さんのお話を伺ったインタビュー記事です。元々円子と面識があるだけに、四方さんもかなりぶっちゃけた内容をお話して下さっています。シンガポールを拠点にしてビジネスをされている四方さんが、鎌倉インテルを今後どのように導いていくのでしょうか。

監督が宇留野純氏であることに気が付いた読者もいらっしゃいました。私もヴァンフォーレ甲府時代の宇留野氏のプレーを見た記憶があります。その後タイで現役続行されていて、アジアでプレーするJリーガーの先駆けだったのですね。

一方我らが徹壱さんは、福井県に旅立っていました。北信越リーグ1部の雄、サウルコス福井が経営難で解散になったのは昨年12月のこと。チームに残った監督や選手たちは、今年から新たな運営会社と共に福井ユナイテッドFCとして活動を開始していました。

それにしても普通の街並みの中に巨大な恐竜がたたずむ画は何ともSFチックです。昔々の円谷特撮シリーズを彷彿とさせますが…今風ですと何に例えられるのでしょうか?

徹壱さんにして「秘境」と言わしめる福井県。『もっとも「秘境」であるがゆえに、福井には知られざる魅力に事欠かない。』とも仰っています。『北信越リーグは現地でしか見られないし、ローカル線に乗ってあちこちの観光スポットに足を伸ばせるし、食べ物も酒も驚くほど美味しい。』

恐竜以外でも味のあるローカル線や美味しそうな食事の写真を見ていると旅情にそそられます。未知のフットボール+αの旅。紀行文を読んで想像をふくらませる方、過去や未来に想いを馳せる方など、読者の皆さんの声もぜひお聞かせください。

そしてローカルなクラブのロールモデルと言えば、現在J1を戦う松本山雅FCです。もっとも徹壱さんと奥様にとって、松本の地へ向かうのは取材というよりもクラブの成長ぶりや知人の安否をうかがう定期訪問のようです。

懐かしい人や店を訪ね歩き、あわせて観光も行うゆるやかな時間の過ごし方は、忙しない時間に追われる日常を思えばとても貴重なもの。日頃お二人から感じられる穏やかな空気感は生来のものでもあるのでしょうが、こうした時間によって心も体も柔らかくされているからではないか、という気がします。

私もアジアに行ってみた シンガポール・インド・カンボジア

現在のところ国内旅の記事が多いOWL magazineにとって、海外の旅記事は大変貴重なコンテンツです。FJまりこはインターナショナルチャンピオンズカップの試合を観戦しにシンガポールへ向かいました。3年連続でこの大会を観に行っている彼女は、チケットの手配もお手のものです。

…のはずが、彼女の想定を上回る勢いでチケットが飛ぶように売れた、マンチェスター・ユナイテッドの人気ぶりに驚かされました。東南アジアでは、今だ圧倒的な支持を誇るのですね。ここ10年くらいは、チェルシーやマンチェスター・シティにタイトルを独占されていますが、その前の時代からのファンが多いのでしょうか。

ヨーロッパのトップクラブのプレシーズンマッチを楽しみつつ、その前後に現地のグルメとアクティビティを満喫したければ、FJまりこのプランニングを逐一チェックして下さいね。今度は、事後のレポートではなくて事前の準備の段階で、プレ記事を書いてもらおうかな?もしくはツイートで告知してもらうのも良いですね。

次なる舞台は、インド。またもアジアです。こちらは少し前、2017年のお話です。円子は“貴族”であるにもかかわらず、苦労や困難を厭わずにあえて多少のリスクを伴う行動を起こすことがあります。

インドでのタクシー運転手とのやり取りは、はたから見れば面白おかしく感じられますが、当事者だとしたら強い気持ちが求められますね。その前のインド料理店でのやり取りも中々にややこしい。

私はツイッターで「現地に行く前に、向こうでの食事を日本で味わっておくみたいな事って、皆さんされるものですか?」と書き込んだのですが、どなたからもお返事は頂けず。愚考するに、現地でのややこしさへのストレス耐性をつける、みたいな効果があるのかも…

インドでのサッカーを期待されている声をいただいておりますが、当分スタジアムまで到着の見込みがございません。そのストレスもあわせてご堪能くださいませ。

第2弾の記事でもまだスタジアムには到着しておりません。円子が向かったのは、世界遺産・タージマハル。タージマハルと聞くと、私は娘たちが大好きな番組『びじゅチューン!』の「LOVEタージ・マハル先輩」という曲を思い出します。ご興味がある方はYouTubeでご確認下さいませ。

この行程でも円子とインド人との凄まじいルピーの攻防戦が繰り広げられ、さながらハリウッドのノワール映画のような心理戦をお楽しみいただけます。読者にはノワールと言うより「コメディ」に映ったようですが、あるいはそちらが正解かも。

そして次なる舞台は、カンボジアへ。6月の「誤審」の記事以来、久しぶりに寄稿していただきましたほりけんさんの登場です。浦和レッズサポーターのほりけんさんが、浦和のイオンからカンボジアのイオンを旅する記録。

…という訳ではなく、非常に緻密で情報の多いカンボジア紀行の第1弾となっています。ほりけんさんの本業はナイショなのですが、ものすごいスピードでものすごい分量の記事を書き上げて下さいます。

このカンボジアのシリーズと並行して、ほりけんさんには「審判」というジャンルについて執筆をお願いする予定でおります。論理的に仮説を立て検証を重ねる思考力に長けたほりけんさんのお力を借りて、一緒に審判問題について考えてみたいのです。どうぞお楽しみに。

寄稿&スタッフ&フットサル 仲間を募ります

OWL magazineでは、寄稿者を募集しています。今回、①定期連載型②単発寄稿型③スタッフ型の3パターンで募集をかけており、既に何件かご応募をいただいております。また、記事中でご紹介している「OWLの記事に感化され、~~ 現地観戦しました」というような感想も本当に励みになります!

来月から新たなメンバーによる個性豊かな記事をお届けできるかと思います。それもこれも購読者の皆さまのお力によるものです。おかげさまで月を追うごとに購読者は増えていまして、その購読料が新たな執筆依頼やチャレンジへの原資になっております。引き続きよろしくお願い致します!

また、9月8日(日)に開催するフットサルの参加メンバーの募集も行っております。朝が早いので人が集まりにくいようですが、チーム「FC OWL」の船出を一緒に体験してみませんか?募集を締め切りましたら、記事のタイトルにその旨を表示します。まだ、大丈夫なようですのでご参加申し込みをお待ちしています。

夏休みの宿題を終わらせていないのは誰だ!?

月末に慌ただしく2本の原稿が上がってきました。一つ目はハネムーン、そう、新婚旅行の記事です!想像の斜め上をゆくテーマゆえに、私のツイートのコメントも歯切れが悪いものとなっております。美しいハワイの景色と幸せに満ちた空気をお楽しみ下さい、と申し上げておきます。

「ちっとも羨ましくなんざねぇや」なんて優しいツッコミのコメントをつけていただけて嬉しいです。女性陣には中々好評とのことですが、男性陣は読んで下さってもリアクションせずにスルーされてしまっているかも…KAZZさん、ありがとうございました!

もう一つは、中村の名著『サポーターをめぐる冒険』を秘蔵写真を見ながら振り返っています。日本における「サポーター文学史」が後に語られる日がくるとしたら、原初の作品として取り上げられることになるでしょう。

もう6年も前のことですから仕方のないことですが、ユニフォームの選手名を見ると、既に在籍していない選手ばかりですね。2017年に引退された石川直宏さんは、現在FC東京のクラブコミュニケーターとして活躍されています。

25試合を消化して首位に位置するFC東京。「東京」の名を冠するクラブが、J1初制覇を遂げる日がついにやって来るのでしょうか。そしてもしタイトルを獲れたとして、その後のJの勢力図にどんな変化が起こるのか、気になりますね!

おわりに

執筆メンバーたちは、今月の記事作成に苦労していたようですが、何とか夏休みの宿題も終わらせることができました。暑さもあり家族との時間もあり、記事を書く時間とリズムが1年で一番とりづらい季節なのかも。少しずつ涼しくなってきましたし学校も始まりましたので、またネジを巻き直したいですね。

そして9月下旬に、久しぶりにリアルイベントを開催します!高円寺のスポーツ居酒屋Kitenにて、OWLのメンバーを集めて読者の皆さんと一緒に創刊ハーフイヤーを祝いたいと思います。正式な告知を楽しみにお待ちくださいませ。

私はと言えば、今月はOWL channelにて横浜FCの話をさせていただきました。現在のところ550回を超える視聴を記録しております。ご視聴いただいた皆さまに御礼申し上げます。横浜FCのサッカーはいま本当に勢いがあって面白いので、お時間がある方は是非ニッパツ三ツ沢競技場へ足をお運び下さいね!

OWL magazineを盛り上げて下さるのは、いまこの文章を読んでいるあなたに他なりません。「旅とサッカー」、またはそれ以外の楽しいこと、取り上げて欲しいトピックをぜひ教えてください。

『フクロウのふりかえり』の盛り上がりは、皆さんのツイートなどの反応にかかっております。9月も引き続き記事の感想やコメントをお待ちしております。

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サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…

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