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これからの会社経営は、ボーダーレスな「コミュニティデザイン」だ

私はスカイベイビーズを、ボーダーレスに広がるコミュニティにしていきたいと考えています。そして、新しいコミュニティの概念を作っていきたいと考えています。そのためには、「社内」「社外」といった境目を限りなく薄くしていく必要があります。

なぜ、会社をボーダーレスなコミュニティにしたいと思うようになったか。それは、自分自身の経験から実感してきたことが大きな理由のひとつになっています。

学びや成長の機会があるのは、社内だけじゃない

私は、アソブロックという会社で編集者の仕事を始めました(現在もアソブロックには籍を置いています)。アソブロックはメンバー一人ひとりが自立した組織です。私の場合はアシスタントなども特に経験しなかったため、社内で誰かからじっくりと何かを教わるような機会がほぼありませんでした。

そうすると、プロジェクトでご一緒した社外の人とコミュニケーションを重ねたり、仕事ぶりを間近で見させてもらったりすることによって、今までに持っていないことを教わることが非常に多くあったのです。特に編集者として駆け出しだった頃には、社外の人から怒られながら仕事をすることもたくさんありましたが、社内では得られないスキルや知識、人脈などが身についていきました。

また私はもう15年以上兼業をして複数の会社に身をおいて働いています。それによって多様なモノの見方や経験を得たのは言うまでもありません。

必ずしも、会社の中にだけ学びや成長の機会が存在するわけではない。当たり前のことですが、それに気づかないことはとても多い。

私がこれまでたくさんの刺激を得てきたように……できればそれ以上に、スカイベイビーズでも社内外の人が境目なく自由につながり、お互いに刺激し合えるような組織の形を作っていきたいと考えるようになったのです。

会社というコミュニティだからできること

ボーダーレスなコミュニティづくりを目指しているのなら、どうして会社という組織にする必要があったのだろう? と、疑問を抱く人もいるかもしれませんね。確かに、その疑問はごもっともです。

でも、「何かひとつの目標に向かってみんなで頑張る」という、組織だからこそ生まれる状況に人は喜びを感じたり、ドライブがかかって大きな力を発揮できることがあったりするのも事実。一人でやるよりみんなでやる方が当然むずかしいですが、だからこそ面白いと思うんです。

フリーランスの集まり的なコミュニティもやり方のひとつとしてありますが、それだとフラッグシップが弱くなる恐れがあります。掲げられたひとつの旗に集まる方が、"みんなでやる"意識が生まれ、コミュニティとしての意義を感じやすいでしょう。

スカイベイビーズの場合、「自然体で、生きる」という理念のもとに人が集まり、力を合わせて大小さまざまな取り組みをしているわけです。それを、ゆくゆくは「社内」「社外」という区切りを限りなく薄くし、もっと自由な交わりが生まれる状態にしていきたいと考えています。

ボーダーレスなコミュニティをめざして。まずは社内をフラットに

ボーダーレスなコミュニティを目指すうえでスカイベイビーズが意識していること。一番は、「フラットな組織」にすることです。

1.まずは社内に"閉じた"状態をつくらない

通常は部署などをつくって、役割ごとにチームを分けるほうが仕事が進みやすいでしょう。でもそうしてしまうと、同じ部署の人同士でしか関わりが生まれなくなるパターンが多い。社内でこのように「閉じた」状態が生まれてしまっているようでは、ボーダーレスな組織になんてなり得ません。

だからスカイベイビーズには部署は設けておらず、プロジェクト単位でチームを編成したり、部活動があったり横グシ縦グシ斜めグシと、「誰と誰がつながっているのかわからなくなる」ような、アメーバ状の構造でつながりを生んでいます。

どちらが上でどちらが前か。そのわからなさがボーダーを感じさせなくするのです。

2.上下関係をつくらない

スカイベイビーズには年齢もキャリアもさまざまなメンバーが所属していますが、上下関係は一切ありません。
チーム単位でリーダー的な存在を決めることはありますが、メンバーをまとめる役割を担うのであって、人をコントロールしたり、一方的に評価する権利を持つわけではありません。

これまでにも、noteでフラット組織について説明するときに何度か書いていますが、私も代表取締役という立場ではあるものの、あくまでも「経営者という役割を担っている」のであって、"トップ"ではないのです。

上下関係が存在しないので、「上司部下のあれこれ」といったトラブルも当然存在しませんし、"組織あるある"の人間関係の不満なども聞いたことがありません。

3.全員が平等な権利を持つ

雇用形態の扱い方も、ちょっと変わっているかもしれません。

スカイベイビーズでは、「メンバー」として所属することが決まると「正社員」か「業務委託」かを本人に選択してもらうことになっていますが、正社員も業務委託も扱いはまったく同じです。「業務委託だから」と権限が制限されることなどはまったくありませんし、「正社員だから」と、やるべきことが増えるわけでもありません。メンバーたちにも「正社員だから」「業務委託だから」といった先入観を持たずに関わってほしいと伝えています。

4.体験機会を奪わない

フラットな組織にいると、人をリードしたり、まとめたりする機会がなかなかやってきません。全員が平等に権利を持つからこそ、意思決定もなかなか難しかったりします。

とはいえ、人を動かしたり、人に協力してもらったりという体験がまったくできなければ、成長のチャンスを奪うことにもつながってしまう。だから部活動やチーム活動では、メンバーがいろいろな立場を経験し、ときには意見を取りまとめたり、人を引っ張る(上に立つのではなく)機会をつくるようにしています。

「スカイベイビーズだからできる」を生むために

これからスカイベイビーズをもっとボーダーレスなコミュニティにしていくには、成功体験を増やす──つまり「スカイベイビーズにいたら、人脈が広がったり、誰かと力を合わせて自分がやりたいチャレンジができた」などの実感を少しずつ積み重ねていく必要があると考えています。
その成功体験の積み重ねが、「スカイベイビーズだからできる」といった価値をつくり、コミュニティとしての求心力にもなっていくでしょう。

今はまだ外部との関わりといっても、主にウェブ制作関連など近しいジャンルの人との関わりが多くを占めています。それがもっとジャンルを問わず、さまざまな属性の人たちとつながっていけたらいいなと。

メンバーが外でつくってきた人脈が、スカイベイビーズとゆるく自由につながり始める……といった現象が、いろんなところで起きていくというのが理想ですね。

そのつながりを広げていく方法はまだまだ模索中で難しいと感じることも多々ありますが、取り組みのひとつとして「スカイベイビーズフレンズ」というコミュニティも動き出しています。

ちょっと大きな話になりますが、最終的には「このコミュニティにいれば生きていける」という状態をつくりたい。
ご飯も食べられるし給料もある。助けてくれる人もいる。ここにいれば生活する上では困ることがない、と感じられる、ひとつの自治体のような場になっていけばいいな……なんて、理想を思い描いています。

まだまだ発展途上ではありますが、スカイベイビーズが今後どのようにボーダーレスなコミュニティになっていくのか、興味を持って見守っていただけたらうれしいです。

さきほども触れた「スカイベイビーズフレンズ」についてはこちら。興味がある方はぜひご参加ください。

フラット組織に必要な「自治力」について。過去記事もよければご覧ください。


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