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タイ文学を読んでみます

先日、ツイッターを開くとフォローしている福冨渉さんが、TBSラジオ「アトロク」でタイについて話をしたとのことで、早速 radikoのタイムフリーで聞いてみました。宇多丸氏のラジオは日本にいた頃は好きでよく聞いていて、映画批評を楽しんだあと、その映画を観に行ったりしていました(それで韓国映画が好きになったのだけど、ちょうどこの6月24日からソン・ガンホ主演の「ベイビー・ブローカー」って映画が始まっているようで、是枝裕和監督作品のようだから、日本にいる間にこれはこれで見に行かないと。

初めてのタイ文学

それはともかく、番組の中でタイ文学の話もしていて、そう言えばタイ文学読みたいと思いながら放っておいたし、このまま放っておくとなかなか手に取ることもなさそうだなと思い、すぐに購入してみました。

初めてのタイ文学なので、ここで良くない印象を持って次がなくなってしまうのは寂しいので、とっつきやすそうなものとして、番組内で紹介していたプラープダー氏の別の本「座右の日本」と女性作家のチャトラウィー氏の「花、ドア、花びん、砂、大きな木」を選びました。

「座右の日本」は読み始めてみるとエッセイで、初めてのタイ人作家の本としては非常に読みやすく、日本を好きなタイ人であるプラープダー氏とタイを好きな日本人である僕は、それぞれの国を逆から眺めているあたり面白く読み進めました。

座右の日本

ひとつ引用を

僕は文筆をなりわいとする者として、原語で書かれた小説世界の魅力を翻訳小説でも同じように楽しめるとは信じていない。特に「この作家、文章がうまいよね」などと評される時、その魅力が、翻訳を通じてどのように別の言語世界に運ばれうるのか、うまく想像がつかない。言葉を紡ぐ能力は、その言語の構造と文体を理解し、それを自由に使うことで発揮されるものだ。ムラカミを英語で読んだとき、僕は彼の文章のスタイルが好きなのか、たまたま翻訳文が好きだったのか、最後までわからなかった。ストーリーやアイディアについて興味深かったことは認める。それでも文章や文体については、それがムラカミに特有のものなのかどうか、日本語を母語としない僕にはわからなかったのだ。

村上龍は「希望の国のエクソダス」のなかで、『おれは決して熱心な読者ではなかったがカミュやジュネは優れた作家だと思う。だが基本的におれたちのものではなくフランス人のものだ。編集長はまるで自分のもののようにカミュやジュネを語る。』と書いている。

日本語以外では小説を読むほどの語学力のない僕は、カミュもカフカもドストエフスキーも日本語で読むことになるのだけど、プラープダー氏の書いているように、本人の言葉なのか訳者の言葉なのかはっきりしないと楽しさがずいぶんと削がれる思いがして、それならば漱石や谷崎など古い言葉でも、同じ日本語であるので、読んでいると次第に慣れてきて楽しめることに気づいて、外国文学よりは日本文学を好むようになっていって、それでも今タイ文学を読もうと思うのは、結局タイ語の辞書を引きながらタイ語の本を読むか、日本語訳された本を読むしかなく、前者はタイ語を勉強していた頃に何度かやったことがあって、ドラゴンボールを辞書で引きながら読んだりもしたけど、まあ大変な作業で今は他にもやりたいことがたくさんあるので、日本語訳の本を読むことにします。

『著者の言葉で読めない問題』はなくならないわけだけど、冒頭でも書いた福冨渉さんがやっている活動を見ると(タイ語書籍の翻訳しかり、ラップの歌詞の翻訳しかり、作家の通訳しかり)、僕はタイに住んでいるので、ドアを開けて外に出れば、そこから自分なりのタイを拾い集めていけるのですが、文学や映画などの文化面からもタイを知りたくなったというのが強くて、まずは読んでみようということです。 

注文したもう1冊のチャトラウィー氏の「花、ドア、花びん、砂、大きな木」は、なんと福冨さんが自ら発送していただいたようです。

花、ドア、花びん、砂、大きな木

これも番組の中で「タイ人は職能によって担当を分けるようなところがなく、やれることは何でもやってしまう」確かこんなことを言っていたような記憶があります。僕もなんでも自分でやってしまって、生産性を言う人達には笑われるかもしれないけど、自分のペースで進んでいくのがいいから、これでいいのだ、と思っています。

「花、ドア、花びん、砂、大きな木」は12ページだけの短編みたいだから、届くのを待つ間に「タイ現代文学覚書」という福冨さんの書いた書籍も買ってみました。
http://www.fukyo.co.jp/book/b341368.html

タイ現代文学覚書

映画とドラマも

この他にも番組を聞いているとタイのBLドラマで有名だった「2gether」のことも話していて、日本でもタイ沼とか言ってブームになってたみたいだけど、「どうせ大した事のないドラマだろう〜」なんて、何の興味も持っていなかったんだけど、早速amazonでシーズン1をレンタルして冒頭だけ見てみました。タイ語の勉強にもなるといいんだけど。それと映画は「Bad Genius」ってのが良いらしくて、これもそのうち観るつもり。

いやあ、楽しみが増えたのはいいけど、またやることが増えてしまった。睡眠時間削るのは嫌だから、1日32時間くらいにならないかなぁ。あ、でもそれだと8時間睡眠じゃ体力もたないか。。

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