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選ばれなかった側の人間が選ぶ立場になって見えてきたこと

「スペシャ×17LIVE スター発掘オーディション『NEW STAR』出演権争奪戦!」
スペースシャワーTVと17LIVEが初コラボ

という企画で、ボーカリストのオーディション選考から、楽曲のプロデュース、
作詞、作曲、編曲をさせて頂きました。

音楽業界の見えないところで、映画やアニメ、CMなど、そこに音楽がある限り、
主題歌、タイアップ、あらゆるアーティストが選び選ばれるという行為は絶えず繰り返されています。
自分は今でもチャンスさえあればの挑戦すべしのバリバリ現役でプレイヤー、選ばれる側。いや、むしろ、挑戦の数だけ失敗もあるわけで、自分の体感だけで言えば、圧倒的に選ばれていない側です。
そんな日ごろ選ばれない側の自分が、今回は選ぶ側の機会を頂いた時に、その立場になって見えてきたことがあって、心に留めておくべしと、この文章を書いています。


1 土台となる実力があるか

まずシンプルに、圧倒的にこれです。
ふるいにかけるという言葉で言う、ふるいの部分ですね。
今回で言えばボーカリストという職種において実力と言えば何を指すか、というと、まずは正しい音程、正しいリズム、正しい音価、正しい滑舌、正しい息遣いでメロディーを入力できるか、です。
そして、その基準のラインは、”歌詞が歌詞通りに聞こえてくるか”と言うところにあったと思います。どんな魅力的な個性も、声質も、表現力と呼ばれる部分も、しっかりとした土台の上に載ってこそ。
現時点での人気のあるなし、声量のあるなし、譜面を読めるか読めないか、そんなことは一切関係なく、この土台の部分がしっかりしてることは必須だなと改めて思いました。

2 完璧さは求めていない

この場合選ばれるのはたった1人。
ソツなくこなすことはおそらく求められていない、という状況です。
例えばひとつ大きなミスがあったとして、やはりどうしても記憶に残るのはそのミスの部分なのですが、ミスすること自体はなんの問題でもないです。これからデビューする新人ですから。こちらが見ているのは、それが良いミスか、悪いミスなのか、狙い過ぎなのか力み過ぎなのか、単に練習不足やピントが合っていないのか、そのミスの質の部分ですし、どうリカバリーするか、ミスを続けないか、みたいなことの方が大切ですし、それさえ出来ていれば決して見限る部分ではなかったと思います。
また会話や、問答に関しても同様です。きちんと隙があるということはとても大切なことだな、と思いました。誰しもに大小ながら、なんでやねんとツッコミを入れたくなる欲求ってどこかに潜んでいると思うんですけど、相手方に気持ちよく、なんでやねんとツッコませてあげるのも技術であり、才能だと思っています。
理路整然となんかしていなくていいですし、ちょっとやそっと矛盾しているくらいが美味しいし素敵です。

3 オーディション慣れなんてしなくていい

これは実際にその場でしか感じられないことだったのですが、途中から、その場の問答や視線や仕草のひとつひとつに、オーディション慣れ、のようなものを意識するようになりました。果たしてその緊張感は本物か?フェイクか?本人にしかわからないでしょうし、もしかしたら自分も騙されていたのかもしれません。
場慣れ、を経験値や舞台度胸としてポジティブにもとれる反面、オーディションに慣れていることは、すなわち、沢山落ちてきているということをどこか暗示してしまう部分があります。仮にそうだとしても、それを相手方に悟られないようにすることはとても大事なことだなと思いました。
決して年齢の話をしているのではなく、精神面でも鮮度というものはあると思います。いかに新鮮な気持ちを維持し、フレッシュな存在でいられるか。この一回に、この機会に、自分の運命を変えに来たんだ!みたいな緊張は相手にも伝染します。ドキドキしているということ、緊張を上手く味方につけることができれば、相手方もドキドキさせることも出来るのです。

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最終アピールの時に共通して、
「何か最後のに言い残したことはありませんか?」
と、全員に尋ねました。
歌い手のオーディションに時間はいくらあっても足りないというか、自分自身のストーリーであったり、それ以外のサブスキルであったり、アピールすることに皆必死でした。

そんな中、ただひとり清々しいまでに、「特にありません!」と答えたことが、とても印象に残っていました。あ、この人は歌で勝負をしに来て、それをもう出し切ったんだな、というのが、もしかしたら最後の一押しの部分になったのかもしれません。

そう答えたのがALLIEさんでした。

収録後、休みの日は何をしてるんですか?
「ホラー映画とかゾンビ映画見てます(あやふや)。」という会話を唯一の手掛かりに、自分なりにイメージを膨らませて、彼女のパーソナリティが透けて見えるようにと制作した楽曲がこの「NATURAL WINK KILLER(ナチュラル・ウィンク・キラー)」です。

機会を与えてくれたスペースシャワーTVと17LIVE改めて感謝ですし、全ての参加者の方、そしてALLIETH3WAYの今後の活躍を心から願っています。
そして「NATURAL WINK KILLER(ナチュラル・ウィンク・キラー)」を可愛がってあげてください。

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一番の収穫は、こうして偉そうなことを言うと、全て自分に跳ね返ってくるということです。偉そうに他人に指摘しておいて、自分がそれを体現していなければ、恥ずかしいったらありゃしない、説得力もクソもないですから。
以降のライブ、バンドのツアーの一本一本挑む時に、自分の発言が頭をよぎりました。オーディションに参加してくださった皆さんに恥ずかしくないようにと、歌を歌えたこと、ステージと向き合えたことはとても財産だと思っています。

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