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アンビエントのレコード〜静かな音楽を聴く〜


アンビエントが流れるカフェ「春の雨」

 「春の雨」(戸越/中延)というレコードショップ/カフェがある。ここでは、大きな音でアンビエントのレコードが掛かる空間で、お酒やコーヒーなどのドリンクを楽しめる(ノンアルコールやノンカフェインのものもある)。アンビエントとは、色んな解釈があるけれど、「ビートやメロディが少ない静かな音楽」を指す。そんな音楽を味わいながら、いい時間を過ごせる場所だ。
https://harunoame.com/top/

畠山地平「Hachirogata Lake」

 お店のなかで、日本のアンビエント・アーティスト「畠山地平」のアルバムが掛かっていた。秋田県の八郎潟が奏でる自然音を取り入れた、フィールドレコーディングの一枚。

 レコード一枚一枚に、オーナーの説明文が挿入してある(同じものを通販ページでも読むことができる)。そこで書かれているように、このアルバムを聴いていると、作者の奏でる音と八郎潟の自然音の区別がつかない。美しく混ざる。まさに「具体と抽象が、主体と客体が混濁する」。そんな音楽に浸る素敵なひととき。
 急に、「コーーーー」と音がした。じっとそれにも耳を澄ます。こんな激しい音も入ってるんだ。このレコードを自分なりにじっくり味わう。
 すると、急に香ばしい香りがした。なんのことはない。コーヒー豆を挽く音だった。

アンビエントをレコードで聴く

 レコードの中の楽器の音と、レコードの中の自然の音。そして、レコードの外のコーヒーメーカーの音。これらが全て一緒になって聴こえる。アンビエントという音楽は、なんて面白いんだろう。いろんな区別をなくして、「それぞれの音が等しく価値を持っている」ということを教えてくれる!
 そのレコードを買って、部屋で掛ける。冷蔵庫の音、八郎潟の音、楽器の音。全部1個。アンビエントをレコードで聴くと、目の前のいろんなものが並列になって自由に現実を見ることができるようになる。
 ぜひ、このお店へ言って、レコードを買って、お部屋で聴いてみませんか(「春の雨」にはレコード・プレイヤーも売っている!)


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