【ライブ感想文】THE KEBABS「THE KEBABS 熱々」@cube garden 2023.7.25(火)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はシンプルなロックンロール大好きないかしたやつら、THE KEBABS(以下、ケバブス)の全国ツアー、札幌公演のライブ感想文です。
a flood of circleとUNISON SQUARE GARDENは、私の中で殿堂入りしているので勿論のこと、serial TV dramaとART-SCHOOLだってそれなり聞いてきた身としては、2018年、このバンド結成のニュースを見た時は月並みに、アベンジャーズですね!!!!!!なんておどけながら、大はしゃぎしていました。
しかもそんな私の中のスーパーヒーロー集団が寄ってたかってワイワイガヤガヤ、何をしているかと思えば、ほぼ万人が一発で理解できる歌詞を乗せた、ほぼ万人が一発で記憶できるメロディを搭載した、1mmも小細工がない純粋無垢な直球のロックンロールを、楽しく派手に鳴らしているだけとくるものですから、大爆笑しちゃうほどに痛快で最高なわけです。
音源は密かに追い続けていたものの、ライブは2019年のライジングサン以来、すっかりご無沙汰だったケバブス。
今回のツアーもド平日で、行けるかギリギリまで分からなかったので様子を見ていましたが、あら、なんだか行けそうな雰囲気が出てきたじゃないかとなったらこちらのもの。
チケットあったよ。ポチッとな。
そんな調子でお久しぶり。
いかしたやつらのいかしたライブに、頭を空にして遊びに行きました。
暑い…
もう夕方だというのに、べったりとまとわりつくこの熱はなんだ…と言わんばかりに、今年に入って1番じゃないかと疑われる暑さの札幌でしたが、そんな「暑さ」もカラッとした「熱さ」に変えてくれるロックバンドを浴びれると思えば、心なしか足取りも軽かった仕事終わり。
開演時刻を過ぎると、登場したスタッフさんから注意事項として、周りに迷惑をかけず、履き違えないことを除き、今日のライブは自由であることがアナウンスされます。
それを理解すれば後はロックンロールに身を任せるだけ。
いよいよ、THE KEBABSの登場です。
ドラムとベースのビートが心地良く客席を煽るSEに乗って、まずはドラムの鈴木さんが登場。
準備が整い、突如SEがぶつっと途切れた次の瞬間、
「サマバケ」のあっけらかんとしたご機嫌な歌詞を、全く抑揚のない無機質な朗読で披露する鈴木さんに、会場中が優しい笑いに包まれます笑
途中、ギター新井さんが登場し、浜辺の波音をBGMとして挿入。
その後、田淵さんが登場し、当該曲冒頭の口笛を披露(客席の方々から「上手い…!」と声が漏れてました笑)。
演奏が始まり、満を辞してサッポロクラシックのロング缶片手に登場した佐々木さんは、半袖の派手な柄シャツにサングラスという、真夏のヤンキーのお手本みたいな装い…!
THE KEBABSが北海道に夏の遊び場を届けにやってきた「衝(笑)撃」の幕開けに、早くもウキウキです…!
それでも演奏が始まれば、純粋に楽しいロックンロールの世界が広がるばかり…!✨
「THE KEBABSは忙しい」では、新井さんが早々に前に出てテクニカルなギターを弾き倒し、田淵さんは忙しなく歌いつつもブンブンと力強いベース捌きを見せ、佐々木さんはアドリブで札幌に来れた喜びを早くも爆発させ、鈴木さんはとてつもなく巨大な打音でグルーヴを引っ張り続け…と、私の目も耳も心も腕も、そのロックンロールに振り回されっぱなし!
田淵さんの「忙しすぎない!?」のフレーズに、気持ちが思わずシンクロしてしまいます。
イントロで佐々木さんのギターにトラブルがあったものの、すぐさまハンドマイクに切り替え、絶好調のボーカルに徹した「Cocktail Party Anthem」。
1mmも動揺なく、歌唱もブレないかっこいいロックスターはこの瞬間、世界で佐々木さん1人だけだったに違いありません…!
私自身も、1人の人間として、このロックバンドを好きでいていいんだという根拠のない確信を爆音のロックンロールから頂戴します…!
「T、B、C!」
佐々木さんの呼びかけや、「田淵さんの方を見ろ。」という意味合いの指差しが愛おしく、そんな田淵さんの真っ直ぐな「歌声」が全面に出てくる「ジャキジャキハート」。
ユニゾンではコーラスとベースプレイに徹する中で、ケバブスではメインのボーカルパートを務めることも多い田淵さんの声は、直線距離でドーン!!!と貫く潔さがあって、ケバブスの直球サウンドに欠かせません…!
休ませる気がない、というより、ロックンロールで遊ぶ気しかない4人は「チェンソーだ!」で凶暴なサウンドをブルンブルンと震わせてきます。
原曲では、サビでの唐突なシンセサイザー登場に爆笑しながらテンションが上がった「てんとう虫の夏」は、ライブでは一切同期を使わず、その代わり佐々木さんの「シンセサイザー!」シャウトが、原曲の5億倍の破壊力で私の心を貫きます…かっこよすぎ…!!
(この曲だった気がするのですが…違うかも)佐々木さんはそれまで着けていたサングラスを外し、田淵さんの頭に装着笑。
その後佐々木さんのシャウトに気を取られていると、気付けばそのサングラスをしっかり眼に収めている田淵さん笑
「紹介します!ドラムス!鈴木浩之!」
佐々木さんの紹介を受け、力強いタム回しを見せる鈴木さん。(あれ?この曲であってるかな?)
先述したとおりその巨大過ぎる打音は、フロアタムなのに「バスドラか?」と錯覚するくらい響き渡っていて会場中の壁を突き破りそうです…!
原曲よりたっぷり魅せてくれるセッションは聞き応え抜群です。
あまりにも愉快すぎて楽しいパーティ空間に、今度はかわいらしいエキスを注入…!
時々差し込むように現れるピンクの照明がかわいすぎた「かわかわ」。
そんな演出でさらにかわいくなったギターフレーズを軽快に弾く新井さんに忍び寄る佐々木さんはアドリブで、
「新井さんのメガネもかわいい🎵
今日福岡からぶっ飛んできてくれました!」
と、大移動して駆け付けてくれたギターヒーローを労います。
拍手や歓声とともに、ハッピーな空気はどんどんと会場に充満していくようでした…!
歌い出しで悲鳴も聞こえた、ハードな「メリージェーン知らない」。
ライブスタートから既に2本目を開けているビールのロング缶の効果(!?)だとしたら、常人には考えられませんが、中盤、曲が静止してからの、佐々木さんのクレッシェンドするロングトーンは圧巻!
(いや、どう考えても日頃からの歌の積み重ねが下地にあると思いますが…!)
ふと我に帰って、メリージェーンは知らない(最後には見つかる)けど、一生探し続けるうちは、鳴らし続けるんじゃないかと思うと、そこから先は今まで以上にただただ痛快でした…!
分からなくてもがむしゃらにやってればそれなりに生きていけると思えば、気楽に生きれるんじゃないか?という、これまた根拠のない確信…!
今日初めてミドルテンポのバラード、「ラビュラ」。
原曲が出た際はコロナ禍真っ只中で、海も山も祭りも、全て叶わなかったという歌詞でした。
それを今日、最後のサビで力強く塗り替えた佐々木さん。
ケバブスに会ってロックを浴びることができただけでも有り難すぎた今日は、これを聞けたことで、絶対に手放したくない宝物になりました…!
ありがとうございますと、何度も心で唱えながら、今日ここで会えたことへの感謝の拳を上げました。
感動的なエンドロールとも取れる曲に続くのは「THE KEBABSのテーマ」…って本当に終わるのかこのライブ…!!??
「We're tasty Rock Band!
THE KEBABS!!」
飛び跳ねながら、ステージ逆サイドまで行ってベースを弾き倒す田淵さんを筆頭に、飛び跳ね、歌い、超絶技巧のギターが延々と鳴り響くetc...、ロックバンドで遊ぶ要素てんこ盛りの空間はジャンプの嵐!ケバブスコールの嵐!!
最後には3000円笑ほどの金色のバズーカを構えた佐々木さんが客席フロアに金テープを発射!
大団円感が存分に出たところで、MCなしで駆け抜けた10曲が終了したものの、当然終わりではなく笑、ここでMCタイムへ。
ここで田淵さんもロング缶を開放笑
缶を開ける音(プシュー)をしっかりリバーブのかかったマイクが拾って笑いが起こる様は、いつぞやのフラッドのライブを思い出します笑
佐々木さん
「…サックラっていうのかな?」
お客さん
「…???(何の話だ…?)」
田淵さん
「…ってことは言わないのかな?」
佐々木さん
「(ユニゾンの)斎藤さんだけですね笑」
サッポロクラシックの略称か!と合点がいったところで、まさかのここにいない斎藤さんいじり(?)から始まるMCタイム笑
その後、主な印象に残った話としては、
・近くの醸造所前のセブンイレブンにサックラを買いに行ったところ、500m缶しかなく、佐々木さんと田淵さんの2人で買ったら無くなってしまった。
コンビニの近くにいた子どもに、今日のヤンキー風の怖いお兄さんの風貌だった佐々木さんは、何故か生きててごめんという気持ちになって謝った笑
・先ほどの3000円の大砲はしっかりとしたものだと15万円近くかかるとのことであっさりと諦め、余った経費は前ノリした鈴木さんと田淵さんによるジンギスカン代になった(?笑)
・田淵さん
「ジンギスカン食べると手汗めっちゃ出ない?」
お客さん
「(頷く?)リアクション」
田淵さん
「あっだよね!
だから今日ピックが滑って仕方なくて、これあげる!(ピックを客席に投げる)」
など、特に田淵さんに関してはユニゾンのライブで口を開くことは(周年ライブ等一部の特別な機会を除いて)ないため、とても貴重な光景を目の当たりにして感激…!
その後、雰囲気のあるギターのアルペジオに乗せて、「良い話してください」と佐々木さんに振られた田淵さんですが、「聞きながら語るとダメなことしか言わなそう笑今日はダメだ!盛り上げに徹する!」と断念。
佐々木さん
「じゃあ、盛り上げに徹するそうなので!
でも盛り上がれるはずがない新曲!
泣かなくてもいい!
エモくならなくてもいい!
ときめき肉まんパーティ!」
中盤戦は新曲「ときめき肉まんパーティ」(表記は不明ですがタイトルはおそらくそう言ってた)から開戦。
初めて聞く曲で歌詞が聞き取れなくても、そこは安定のケバブスクオリティ。
とにかく分かりやすくてノリやすいロックサウンドに、2番に入る頃にはたくさんのお客さんの手が挙がります。
そのまま何気ない今日でも、このライブがあるから!とっても楽しいという実感を深めた「ピアノのある部屋で」を挟んで、握り拳だらけのじゃんけん大会になった「じゃんけんはグー」。
原曲は同期も交えて、昭和歌謡的雰囲気が存分に漂っていたこの曲は、前述の「てんとう虫の夏」同様、同期は一切無し。
その代わり、ファンキーで抑揚のある鈴木さんのドラムビートと、軽快でセクシーなカッティングを決め続ける新井さんのギターが、原曲と全く味わいの違うムードの踊れる空間を先導していきます・・・かっこいい!
チョキやパーを繰り出し続ける佐々木さんに、大きく首をかしげて「No!」と言い続ける田淵さんという二人の掛け合いが楽しすぎて頭から離れない光景も含めて、たくさんの握り拳がcube gardenを埋め尽くす様は痛快・・・!
グーの圧勝で終わったじゃんけん大会を終え、何の脈絡もなく、今度はゴリラ並の巨体(グルーヴ)で猛突進してきた「ゴールデンキウイ」。
佐々木さんの発音が良すぎる「ヴァイタミン」が決まる度に心の中でガッツポーズを決めながら、終盤には今回のツアーから売られている緑と黄のキウイカラーのバンドロゴタオルを掲げて歌う佐々木さん。
このままどこに向かうんだという無秩序な興奮状態に陥っていると、
「まだまだあるぞ新曲!」
という佐々木さんからの嬉しいお言葉!
タイトルは(おそらく)・・・「あつあつ肉まんパーティ」!笑
またもや肉まん!?と流石に笑ってしまいましたが、曲の出だしを担う荒井さんのギターフレーズがヘヴィで大好物過ぎたため、さらに爆笑してしまいます爆
タイトルに違わぬ真っ赤に燃え上がるような照明とともに突きつけられる、ほかほか・・・どころか熱々すぎて誰も触れない(食べられない)肉まんを火傷しながら美味しくいただきました…!
「THE KEBABSのロックンロールはずっと、プリンを取っておきます…!」
気を取り直すように、前曲のギターフレーズの余韻を残しながら、一音一音を確かめるように刻まれた「ともだちのうた」が、個人的なこのライブのハイライトでした。
唯一繰り返されるサビのフレーズ。
何度も眉間に皺を寄せながら、汗がほとばしるほどの絶唱を続ける佐々木さん。
この日最も真剣な表情で目を見開きながら、真っ直ぐな歌声を届ける田淵さん。
例え遊びだとしても、シンプルで小細工がないロックバンドだと分かっているから、シンプルな言葉を全力で歌うその姿勢が、心に届くんです。
だから今日も、これからも、私の好きなロックバンドには元気でいてほしい、私も元気な姿でロックバンドで遊んでいたい。
今日も色んな気持ちを喚起されたライブの中で、最も自分の実感を伴っているのはその言葉に尽きます。
優しい気持ちに満たされた後、景気のいい「常勝」コールが気持ち良すぎた「常勝アミーゴ」!
スペシャルパワーどころか、小学生だった時の私が大好きなハイパースーパーウルトラスペシャルパワーくらいの元気がまたまた漲ってきました・・・!
このエネルギーでまた明日から頑張れそう・・・ってまだ終わりませんよ!このライブ!
ここからもうひと盛り上がりさせようと、またまた大好物の新井さんによる凶暴なギターフレーズから「恐竜あらわる」!
中盤のブレイクでメンバー共々お客さんも跳びはね、サビではたくさんのガオガオコールとともに仲良く襲来するたくさんの恐竜さん。
そしてティラノサウルスの如く襲来するギターヒーロー新井さんによるとんでもギターソロ…!
今なら歌詞の通り、ここにいる全員と、ともだちになれそうな楽しい錯覚に陥ります。
「バイバイ!!」
いくら終わりが見えなかったとはいえ、佐々木さんの言葉でとうとう終盤だと悟ったライブ。
「ロバート・デ・ニーロ」の開放感に目が覚めるような思いをしていると・・・あれ・・・?
2番が始まった辺りで佐々木さんがステージ上からいなくなって・・・、って客席に降りてきている!?
後ろの方にいた私の眼が、1メートルないほどの距離で佐々木さんを捉えます。
「こんばんは~。」なんて近くの方と目を見て挨拶しながら歩き回り、最後には客席中央の柵の上に乗って歌いまくるロックスター、佐々木亮介さん・・・!
マイクを客席に向けられた時、全方位に響いた大合唱はまさしく本当の大団円でした・・・!
曲終わり、新井さんによる軽快なギターフレーズが始まり、田淵さんはロング缶片手に満面の笑みで踊っています・・・!
愛おしい・・・!!!
「おまえは一人だけ~!元気でいてくれ~!」
など、今日を総括するような佐々木さんの言葉の数々に導かれる最後は、「THE KEBABSを抱きしめて」。
おそらくこの日一番お客さんの手が挙がっていたんじゃないでしょうか。
私も含め、今日このロックンロールが楽しすぎた人、救われた人、色んな思いを持った人が、そんなバンドをずっと続けて欲しい!とか、大好き!とか、バンドをいっぱいの愛情で抱きしめるような気持ちで、手や声を上げ続けていたんじゃないかと思います。
少なくとも、私はそんな願いをポジティブにこめて、最後まで楽しませていただきました・・・!
・・・でもやっぱりアンコールあったらいいなあと思って、ついつい拍手は止まりません。
ほどなくして再登場するメンバー。
田淵さん
「今日10曲目で「THE KEBABSのテーマ」やった時、このライブ終わると思った人~!」
お客さん
「(パラパラと手が挙がる)」
田淵さん
「やっぱりね!じゃあ、「常勝アミーゴ」辺りで、さすがにもう終わりだと思った人~!」
お客さん
「(先ほどよりもたくさんの手が挙がる)」
田淵さん
「そうだよね!
中盤で終わりっぽい曲を挟むとどうなるかなと思って。
そこで終わりだと思った人は、その後の時間は拷問だよね!?
まだ、これからアンコールも何曲かやるから、さらにつらいと思うけど笑」
佐々木さん
「いや、(少なくとも)アンコールはあっち(お客さん)が求めてきてるんで笑」
セトリ研究博士、田淵さんによるアンケートに確信を突かれたところで、冷静に現実を見つめて真っ当なことを言う佐々木さんに笑わせられてしまいました笑
まだまだロックバンドでの遊び方を模索し続けているケバブスのたくましさについついニコニコしていると、鈴木さんによる力強いドラムビートが始まります。
ここまで来たらとことん遊んで帰る!今なら何でもできるし、誰だってできる、なんなら「猿でもできる」の精神で、重厚な音に身体を揺らします。
「バイバイ!!」
本日二度目のお別れ宣言から「枕を変えたら眠れない」の大団円サウンドとサビの合唱!
今この瞬間に欲しいのは他でもない、ケバブスのロックンロールだけです。
「おまけ~!おまけ大好き!!」
これで本当に・・・本当におしまいかちょっと疑いましたが、本当に最後の曲だった「THE KEBABSがやってくる」。
メンバーをアドリブで丁寧にいじりながら歌い続ける佐々木さん。
特に鈴木さんは「車が壊れて困ってる」と言ってましたが、大丈夫ですか!?と思った私をよそに、今日一番の笑みを見せてドラムを叩きまくる鈴木さん。
気づけば、新井さんも、田淵さんも、佐々木さんも、みんな笑顔。
何のしがらみもなく、こんなに楽しそうにバンドでロックンロールをやってるライブ、久しぶりに見たんじゃないかと思って、こちらまで嬉しくなってしまいました。
いかしたやつらのいかしたライブはこうして終演。
くどいですが、4人とも、本当に元気でいてください!
そしてまた、元気で会わせてください!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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