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【ネタバレあり ライブ感想文】Base Ball Bear「『天使だったじゃないか』TOUR」@札幌ベッシーホール 2024.5.10(金)



 こんにちは。シリアスファイターです。


 今回はBase Ball Bear(以下、ベボベ)、新作ミニアルバムのリリースツアー、札幌公演のライブ感想文です。


 現在も継続中のツアーですが、以下の文章では演奏曲に一通り触れながら、一通りのベボベ愛を綴っていますので、今後ツアーに参戦される方は一通り、閲覧注意でお願いいたします。


 それでは。



 好きではあるものの、ライブに行く機会を逃し続けているバンドは星の数ほどいる私ですが、ベボベはその中でも最たるバンド。


●ここ数年の遍歴
・アルバム「C3」のツアー(札幌公演)→行ける予定でしたがコロナで中止×
・アルバム「DIARY KEY」のツアー(札幌公演)→都合付かず×
・昨年のワンマンツアー(札幌公演)→既に同日程で別のライブ予定ありのため×
・昨年のワンマンツアー(札幌公演)の振替→既に同日程で別のライブ予定ありのため×(デジャヴ)



 上記以前はワンマンで札幌に来た時は欠かさず参加し、フェスでも遭遇すればほぼ確実に拝見してきたのに、ここまで××××し続けると、あのライブに通い続けた日々すら幻のように透き通ってくるような気持ちを抱えながら、それでも音源だけは熱心に追い続けていると…とうとう現れた新規ツアー!!


 札幌!!
 しかし金曜日!…行けるのか…!?



 しかも会場は、近年のベボベワンマンでは恒例となっていたcube garden(キャパ400人ほど)ではなく、ベッシーホール(キャパ250人ほど)。


 一瞬怯みましたが、ここでギリギリまでスケジュールを窺っているとチケットが取れませんでした…も充分に想定できる状況。
 ここまでお預けにされた挙句、2月に発売されたミニアルバムも最高とくれば、高まるベボベ欲を抑えるものはもう何もありませんでした。


 というわけで、半分運試しのような気持ちを抱えて先行抽選で取ったチケット。
 そして迎えた当日、無事行けることになった私はガッツポーズを携えて、ベッシーホールへダッシュしたのです。


 個人的には1年振りのベッシーホール。
 実は客席フロアの下手側に上へ続く階段があり、それを登った先にある扉を開くとミュージシャンの楽屋になっているという、あまり見ない構造をしている会場で、それはつまりミュージシャンが開演と同時に下手側のお客さんの目の前を横切ってステージに入場するということで…。


 ライブによってその空間が隠されていることもあったのですが、入ってみると今日は剥き出し。
 迷うことなく意気揚々と下手側で待機するのが正解であることを悟ったちょっぴり現金な私は、心の中で息を荒げながら久々のベボベとの再会の時を待ちます。


 かくして定刻通り暗転する会場に流れるのは、いつもと変わらず、XTCの「Making Plans For Nigel」。


 ベボベのライブに帰ってきたことを否が応でも実感しつつ、下手上空にある扉を開けて現れる3人…!
 なんだか気まずそうにへこへこしながら歩いていく小出さん、恥ずかしそうに笑みを浮かべる関根さん、下手側のお客さんと力強いハイタッチを交わしながら入場する堀之内さん(私も交わさせていただきました…!!!)。


 あまりにも変わってなさすぎる3人の様子に俄然安心感を覚えつつ、堀之内さんはハイタッチの勢いもそのままに、ステージに上がるなりドラムの椅子の上に立ってフロアに猛アピールしつつ、準備運動とばかりにドラムを連打し、会場の熱量をみるみる高めていきます。


 冷静に淡々とセッティングを整えた小出さんと関根さんと共に、中央に向かい合って密談?を終えると、いよいよ準備を整えた小出さんのギターから強烈なハウリングが…!


 一曲目はアルバムの曲順通り「ランドリー」


 日々の生活の温度を保ったまま、淡々と回り始めて紡がれる音たちは、サビに入った瞬間に心が洗われるような広がりを魅せます…!
 恵みの雨がさぁーーーーっと降り注ぐような音のシャワー…なんて気持ち良すぎる…!

まっ白には遠いが ひたむきに生きます

ランドリー



 聞き応えたっぷりのアンサンブルなのに、3人とも全く肩の力が入っていない演奏と歌声。
 酸いも甘いも経験しながら、真っ直ぐ音を紡いできた熟練バンドが成せる技なのでしょうか…!


 そのままアルバムの曲順通りかつ、こちらも小出さんのハウリングから始まった「_FREE_」
 んーーーー!……軽やかぁ〜!


 ギター、ベース、ドラム、ボーカル。
 一面晴れ渡る空のような水色の照明の下、最低限の音数で軽やかに自由を表現してみせます。
 ベボベというバンドとして、必要最低限のこれしかできないようでいて、これだけのことができることを体現し続けるバンドの生き様そのものが「自由」の象徴になっているような時間。
 関根さんや堀之内さんが、力強いプレイを決めながら時折はにかみつつ演奏を楽しんでいる様子や、いつもながらクールに演奏と歌に徹する小出さんの姿からも、このツアーを相当楽しく回れている様子を、早くも窺い知ることとなりました…!


小出さん
「本日はBase Ball Bear、ツアー札幌公演にご来場誠にありがとうございます、Base Ball Bearです。
 本日は2024年、年間1位となりましたミニアルバムを引っ提げてのツアーですっ!
 皆さんの投票の(?)おかげで、年間1位となりまして…」


堀之内さん
「なんの選挙だよ!?
 このくだりつづけるの!?
(MC中、なぜかステージ後方に大量のスモークが(おそらく空調?)笑)
 俺が喋り出した途端、俺は煙に巻かれるのか!?消されるのか!?」



 今回のミニアルバムに相当な自信を覗かせる小出さんと、そうは言ってもツッコまざるにはいられない流れに鋭く斬り込み始めた途端、会場から消されそうになる堀之内さん笑
 この緩くも笑わざるを得ないMCも、ベボベのライブの魅力です。


小出さん
「今回のアルバムはいつもと音色(おんしょく)も違いまして、今日のライブは、この雰囲気で過去の曲もやったら面白いんじゃないかという選曲になってます。
 先ほどからMCを甘噛みし続けてますが、最後までよろしくお願いします。」


 そんなMCを踏まえて、ニューミニアルバムの雰囲気を受け継ぐ先陣となった過去曲は「そんなに好きじゃなかった」


 非常にカラッとした曲ですが、小出さんによるイントロのギターリフは、怒りすら感じられるほど、まるでがなっているかのような攻撃力…!
 原曲にある「なんじゃそりゃ!」という行き場のない想いがパワフルにぐるぐる駆け巡ります。



 そうして溢れ出す想いは止められないのか、続く選曲は「抱きしめたい」で、私の好きも溢れて止まらない…!


 ピンク色の照明が、北海道に遅くして訪れた春を妄想させながら、最早原曲の比ではないほど、太いパイプで土台をがっちりと立てる関根さんのベースにうっとり…。
 曲の展開はサビに入っても終始淡々としているのに、今にも溢れ出しそうな想いが、愛情のような何かが、溢れ出して、漏れ出して止まらなくなるのは、その直接的なフレーズの影響もあってなんだか気持ち悪いのに、音像はどこまでもシャープで音は太くて気持ちいい…。
 相反する感情を想像力と音楽で大いに掻き立てられるこの時間…たまりません…!



 色んな気持ちを掻きむしられつつ、そんな気持ちをなだめるように始まるのは「Thousand Chords Wonders」


 この曲、始まりから途中までは割と涼しい風が吹いているイメージなのですが、間奏で唐突にマッチョになるグルーヴが大好物でして…! 
 小出さんが相変わらず淡々とした表情を崩さないまま、冷静で熱く、どんどん早くなる高速のピッキングを展開することで、どんどん鋭さを増すギターの音色…!
 無論それに喰らいつくように筋力を増すベースとドラムとのコンビネーションが抜群すぎて、さらに好きになってしまいました…!


 小出さんがギターでカウントを取って始まるのは、関根さんボーカルの「WINK SNIPER」
 照明も途端にカラフルに展開される中、冒頭、真顔でバッチリピースサイン決める様や、ボーカルの瑞々しさは全く変わらない関根さんですが、1番歓声が上がったのはステージ前方でその芯の太いベースプレイを見事に決めて、笑顔で両腕ガッツポーズを決めたその瞬間!!
 その演奏の地力の強さで、ここまででこの日1番の盛り上がりを見せたところで、このブロックを終えました。


 とうとうこのツアーも残り4本になったということで、小出さんから唐突に、


小出さん
「曲の話でもしようか…いつも関係ない話ばっかしてるから…でも、あまりにしなさすぎて何から話していいか分かんなくて…。」


 と提案があり、堀之内さんや客席も聞きたがってますが、当の小出さんが1番悩んでいる様子笑
 ひとまず、ここまでの3曲目〜6曲目の流れに意味があるという話をすることになり、真っ先に話を振られたのは関根さん。


小出さん
「考察系YouTuberの方ですよね?笑
 ここまでの流れ、どういう意味があると思いますか?」


関根さん
「(間髪入れず)分からないね笑」


 早々に投げ出す関根さん笑
 ということで、セトリ考案の小出先生から以下、次のように解説がありました。
(私の意訳まとめですので、一部解釈違いもあると思いますのでご了承ください。
 また、以下の説明は、「もちろん、どう聞いてもらってもいいんですけど」、という前提付きです。)


小出さん
「5曲目にやった「Thousand Chords Wonders」は、曲の趣味が合わないあの子に想い焦がれる歌にも聞こえるんですけど、「そんなに趣味が合わないなら、その人は止めろよ。」という意味もあって。
 「そんなに好きじゃなかった」はその文脈で言うと、この2024年、令和の時代にですよ、「女ってなんだ?」ってなんだよ!?と。曲の最後に何回も言ってるけど、それ以前に、そんなこと言っちゃうお前はどうなんだよ!?って話だし、
 「抱きしめたい」なんて…もう気持ち悪いじゃん!何の前置きもなく、そんなこと言ってくるやつは論外だと!
 で、それを全部達観視しているのが「WINK SNIPER」さん。「彼と彼のトラブル 原因はもうわかっている」って歌ってるでしょ?(「その人が一番怖い!笑」と堀之内さん笑)
 もちろん曲調とかも考慮してますけど、そういうブロックでした。」




 ベボベのライブは歌詞もメロディもある程度自分の中で咀嚼した状態でライブで聞くことで、心への音楽の浸透度が桁違いに上がります。
 どんなバンドでも当たり前かもしれませんが、特にベボベのライブでそれを如実に感じるのは、それだけ「感じること」と「考えること」を、両輪で軽やかにアシストしてくれるのがベボベの音楽だからだと思います。


 まさか、自分の作った曲の「気持ち悪い」部分を如実に否定してくる選曲だとは思いませんでしたが、冷静に考えてみると至極納得してしまいます…!


小出さん
「じゃあここからのブロックも考察しながら聞いていただいて…」

堀之内さん
「ムズイよ!自由に!自由に聞いてもらって!」

小出さん
「じゃあうちらが考察しながら演奏するか。」

堀之内さん
「そんなことしてたら(演奏)間違えちゃうよ!!」

小出さん
「笑。
 でも、このミニアルバム作って本当によかったと思って。
 何かを得たら得ただけ失っていくように、色んな色がまた見えてくるなと思ってます。
 そういうことを踏まえて、次の曲いきます。」


 こうして不可思議なエフェクトがかかった小出さんのギターから「Late show」が始まった…と思ったら、関根さんが何やら堀之内さんに手を振っています、ここで曲が中断。


 何かトラブルかと思いきや特に何もなく、関根さんはベースから音が出ないと思ったらしく、でも「普通に出た!」と焦りつつも笑ってしまう関根さんと、それを真顔で「落ち着いてください。」と嗜める小出さんに、会場は爆笑に包まれます爆


 関根さん…まさか…考察モードに入っていたのでしょうか笑
 3人はすぐに演奏モードに仕切り直し、忍び寄るようなベースラインもしっかり合流して「Late show」再開。


 歌詞にも音像にもひんやりとした夜風の香りが漂い、味わう度に光景が変わる夜と朝の間の旅。
 最近は夜、家に帰る途中にその日の色んなことを思い出しながら聞くことが多かった曲。
 まるで映画でも見ているかのように、この日も色んな想いが私の中を巡ります。


 ひんやりとした余韻が漂う中、その風の冷たさだけが肌に染み付くような太いギターを奏で始める小出さん。


 このコードはまさか…と思ったら、堀之内さんのドラムが、そのまさかを現実にした「ホーリーロンリーマウンテン」…ライブで聞くのは何年振りだ…?



 うんざりするほど続く、自分だけの「普通」の、地明かりの日々を、自分だけの確かな足取りで紡いでいきたいと思えるほど、4人時代の曲は3人になった今、さらに地に足つけて太くたくましくなっていました。


 どこかの誰かは楽園に向かおうと、私は至って「普通」の日々を淡々と歩いていくだけ。
 それだけのことが、これだけたくましい音で鳴っていること以上に、私の支えになることがあるのか…?




 ずしりと重たい余韻を膝に携えたまま、暗闇で微かにスポットライトが当たる小出さんが紡ぐギターフレーズは、少しずつ音圧を上げ、めくるめくワクワクを引き連れてきます。


 ライブでは遭遇率が高いものの、過去一番ドキドキする立ち上がりを魅せた「Transfer Girl」。
 仄かに光が刺すような音像がパッと花開く様に、また少しずつ手が上がり始める会場…!


 フロアが少し明るい雰囲気を纏い始めたところで、どしゃめしゃなギターロックをお見舞いするのは「SIMAITAI」!!
 やだ!もう!!好き!!!



 前曲同様、「連れ去ってしまいたい」二連発!
 ロマンチックでドキドキが止まらない「連れ去ってしまいたい」から、本音と欲望(遺跡巡り含む)剥き出しの、先ほどの「抱きしめたい」を彷彿とさせるような気持ち悪い「連れ去ってしまいたい」という圧巻の振り幅!!


 どっちも極端と言えば極端ですが、そうやって振り切ることが許されるのが音楽のいいところであり、現実の私は、自分の頭で考えながらちょうどいいところを選びとるというそれだけのこと。
 だから、今はこのギターロックの気持ち良さに、ただただ拳を上げるのみでした…!



小出さん
「このツアーも気付けば後4本と言いましたが、とても楽しく回れています。
 思えばコロナ禍からの、3年くらいってあんまり覚えてなくて、その3年に相当、時間感覚を狂わせられたと思います。
 このツアーで5年振りに行ったところですら、ついこの間来たばかりのように感じました。明日の帯広も確か5年振りですし。


 コロナ以降1番長いツアーなんですけど、日程的にも余裕をもって組んでもらって、ここまで元気に回れてます。
 もう年だし、俺は疲れたんだ〜。もう疲れたんだ〜。扁桃腺が腫れて〜。」


 突然、意図もなく志村けんさんのモノマネ風になってしまったのが面白かったのか、それを何度も繰り返す小出さんに、会場の笑いも止まりません笑
 ツアーを元気に楽しく回れているなら何よりです😌


小出さん
「また北海道ツアーもやりたいですね!
 前、4箇所回った時の思い出は、おそらく古(いにしえ)のCD-extraって媒体に入ってるんですけど笑、バンドの歴史ベスト3に入るくらい楽しかったので、またできることを目標に頑張ります!」


 今日一番の拍手が起こる会場!!
 広すぎる北海道を回ってくれるロックバンドには、改めて信頼と感謝しかありません…!!


 ここからライブは最終ブロックへ。


 ステージ右上から西日のように小出さんを照らす照明。
 小出さんがギターを奏でて歌い始めると、容赦なく部屋に入り込んでくる陽の光が恨めしく感じられる「夕日、刺さる部屋」の切実なアンサンブル。


 痛いほど突き刺さる、ここまでの人生、これまでの戻れない自分が嫌というほどフラッシュバックします。
 これも長いキャリアがある今のベボベが鳴らすからこそ、真っ向から気持ち悪いことと向き合って、気持ち良いバンドサウンドになっていることを、しつこくも何度も心で理解して噛み締めるように聞きました。


 曲が終わると、堀之内さんのリズミカルで力強いキックが始まり、そこに小気味よく繰り返されるアルペジオをループさせ、さらに不気味かつ小気味よいギターとグルーヴを上塗りしていくのは「Endless Etude」…おお…気持ち悪い感覚の上塗り…!(もちろん大好きです。)


 イントロから原曲と別次元のアレンジで変貌を遂げた曲は、超ロングver.のアウトロで燃え盛るようにグルーヴがうねりを上げて、もうライブでしかあり得ない音像に…!


 いつまでも抜け出せない…というか抜け出したくないグルーヴの迷路に迷い込んだ私はもう…とっくにおかしくなっています…!


 そうして心の興奮値を振り切るところで、真っ赤な照明の下「LOVE MATHEMATICS」が始まれば、さらに大沸騰!!



 心の奥まで覗かれたら、きっと気持ち悪いと思う人もいるであろう愛の数学的妄想は止まりません!
 それでも楽しく、指折り数字を数えてステージに掲げたくなる気持ちも止められません!
 気持ち悪いまま、気持ちいいことは永遠に続いていく…そういうことですか!?ベボベさーーーーん!?



 そんな気持ちを剥き出しにしてみたものの、とは言えなんだか恥ずかしいから、このままそんな自分は自分だけのものにしてしまっておいてくれと言わんばかりの気持ちが、しまっておけなくて溢れ出すのは、今日の個人的なハイライトだった「DIARY KEY」
 このアルバムツアー行けなかったので!!
 ようやくライブで聞けました!!



 太いリズムのベースとドラムの導入から、ギターが合流して、サビに入った瞬間の開放感…!
 気付けばとっくに、このバンドのキラーチューンになっていたじゃないか…凄まじい威力!
 曲中何度も忍び寄る「し」の匂いを何度も振り払うように、サビで何度も訪れる最高音を、今日1番険しい表情で大きな口を開けて熱く歌い上げる小出さんから溢れ出す、ロックバンドとしての熱量…!
 冷静でいて、こんなに胸が熱くなる瞬間はほかにありませんでした…!


 そんな熱い余韻を受け継ぐように、1人静かにギターを奏で続ける小出さん。
 そのまま歌い始めるのは、「ドラマチック」…!


 普通で仕方ない日々でも、時には暑く、熱くなりたいじゃないか…!
 それが人間らしいじゃないか…!!


 いつまでもたっても色褪せないというより、色んな色が入りこんで混ざり合っても、真っ当に、真っ直ぐに、ひたむきに音を奏で続ける3人のロックバンドがい続けるという、その事実はあまりにもドラマすぎるけど、紛れもない現実でした。


小出さん
「どうもありがとう、Base Ball Bearでした!」


堀之内さん
「PPOL!!!!1.2.3.4.!!!!」





 お腹の底から叫ばれる、堀之内さん魂のカウントからそのままラストは「Power (Pop) of Love」…!


 ここまで色んな想いが巡りつづけて、考え続けたライブは、最後にして考えることを放棄したように結局愛だ!!と言い始めたよう「見えて、ここまで考え抜いたからこそ、大切にしたいものが見えた強さが、そのまま音になって私の心に火を灯しました…!!


 どこまでも!しっかりと!大切にしたい想い!!


 中盤の関根さんによるポエトリーリーディングのパートは、途中まで見事だったものの終盤で突っかかってしまいますが、思わず笑ってしまいながらも演奏はブレず、見事なベースプレイは終始健在で、やってやったぞ!とばかりに大きくガッツポーズ!
 それに応えるフロアの興奮も最後まで抑えきれませんでした…!!


 そのまま原曲よりも長く長く駆け抜け続けるアウトロ。
 どこまで加速しても、音の重厚さを失わない3人のアンサンブル…いつまでも聞いていたかったじゃないか…!!!


 かくして本編は終わっても…せっかく久しぶりに会えたんだから、もう少し聞かせてくれてもいいじゃないか!!


 アンコールを求める拍手が止まない中、早々に再登場した3人ですが、堀之内さんと関根さんは、どうやら今回のツアーグッズを身に付けています…これは…物販紹介か!?



 ステージに着くと、いかにもわざとらしいリアクションで、「それはツアーグッズの〇〇じゃないか!!」と、Tシャツ、タオル、キャップの順で楽しげに紹介し続ける堀之内さんと関根さん笑
 どうやら、「物販紹介は強い気持ちで続けよう。」と言い出したのは関根さんだったらしいですが、堀之内さんのエンターティナー振りが発揮された紹介を前に、心が折れかけている模様笑。
 すると最後、照れながらも満面の笑みでパッチンバンドを紹介する関根さんを、小出さんも堀之内さんも大いに盛り立てるという名場面が…!



 終始楽しそうな3人のグルーヴに会場も大いに盛り上がったところで、エンターティナー堀之内さんが両腕にしていた重さ5トン(自己申告!)のリストバンドを外し、より力強さを増したドラミングが印象的だった「SUNSET-KI・RE・I」…って唐突なレア選曲!!


 関根さんの弾ける笑顔も止まらず、間奏でずっと前に出て笑顔でベースを弾き倒す様が印象的でした…!


 インディーズ時代の、疾走感と絵に描いたような青春が溢れ出すようなこの曲。
 何よりもその重なり合う音たちがひたすら楽しく充満していく時間…あまりにもあっという間に過ぎ去っていきます。


 一瞬で終わる青春にさらなる追い風を吹かせる「BREEEEZE GIRL」がこの日のラストナンバー…!


 まだまだ終わらせないぞとばかりに、イントロから溢れるハンドクラップ!
 最後のコーラスをメンバーと一緒に叫ぶフロア!
 あまりにも熱い!夏い!光景で埋め尽くされたアンコールは光陰矢の如し。


小出さん
「どうもありがとう、Base Ball Bearでした!
 また会いましょう!!」


 最後まで恥ずかしそうな小出さんと関根さん、ハイタッチで退場する堀之内さん、変わらぬ3人が楽屋に入っていく様までしっかり見届けたところで、久しぶりのベボベとの夜はあっという間に終了!


 終始音の鳴りが気持ち良すぎる演奏に乗って、気持ち悪くて、真っ白じゃいられない今の自分が普通に自然体で楽しめる。
 これぞベボベであることを、再認識できたライブ!



 小出さんによるプチセトリ解説MCもあり、考察(?)も大いに捗りました笑


 色々考えたり、感じたりした結果…総じて、最高だったじゃないか!!


セットリスト
1.ランドリー
2._FREE_
3.そんなに好きじゃなかった
4.抱きしめたい
5.Thousand Chords Wonders
6.WINK SNIPER
7.Late show
8.ホーリーロンリーマウンテン
9.Transfer Girl
10.SIMAITAI
11.夕日、刺さる部屋
12.Endless Etude
13.LOVE MATHEMATICS
14.DIARY KEY
15.ドラマチック
16.Power (Pop) of Love

アンコール
1.SUNSET-KI・RE・I
2.BREEEEZE GIRL


 今回は以上です。


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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