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歌【エッセイ】六〇〇字(本文)

 4月9日から始まった早大オープンカレッジ「エッセイ教室」の2回目のお題が、「歌」(600字)。テーマは、意見文。さて、あなたは、何を書きますか?
 
 今回は、5本に1本は書かないと「筆が腐る」との師の教えに従って。

 ウクライナ情勢の報道番組を観ていて、違和感を覚える。戦争ゲームの展開を予測するかのような内容に。「戦争を起こさないためには」の議論をするべきではないか。それと、戦況分析の専門家なのだろう。専門外は「専門外ですが」と前置きがあるが、専門領域には、「わかりません」とは口が裂けても言いそうにない。本当なのか、と疑ってしまうこともある。そもそも、専門家は(自分の研究領域は)全能全知とばかりに発言する人が多い。大学の講義で、スマホでファクトチェックする学生の姿にビビる教授がいる、と言う(冗談だろうが)。
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 安全保障に「絶対」はない。だが、戦争は「口実」から始まるのは、事実だ。「攻めてきた。その兆候・不審な動きがあった」と。
 ウクライナ情勢に便乗し軍拡派は、「核共有」「敵基地攻撃能力」の議論を進めようとしている。「抑止力」が最大の防御と、声高に宣う。本末転倒と言うしかない。「抑止=賭け」で、相手に「口実」を与えるだけだ。
 ゼレンスキー大統領の演説で、日本へ軍事支援を求めなかった背景について、駐日大使は述べた。「憲法九条と政治環境の認識」と。
 その憲法を「マッカーサー憲法」と、改憲派の一部が言う。だとすれば米国は、「侵略戦争をできない憲法を作ればいい」と考えたと、推測できる。裏返すと、現憲法を忠実に守っていれば、「口実」を与えないことになる。
 最大の防御はむしろ、戦争や核兵器の悲惨さを知る国として世界の先頭に立ち、平和憲法を広め、「日本は二度と戦争はしない」「核廃絶」と訴えることではないのか。
 『イマジン』が、いま世界中で流れている。平和憲法前文も“崇高な理想”のうた。もし、「前文の精神」を描いた国歌なら、いま、『君が代』が「くちパク」の人も、誇らしく歌うことができるだろう。五輪や世界大会でも。爽快ではないか。
 万が一、そんな日本を攻撃する国があったとしたら、その国は、史上最悪の国として、日本は最も勇敢な国として、語り続けられることだろう。そんな国の国民で、ありたい。

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