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プラネタリーアートとしての森の再生(鎌田鳥山環境改善ワークショップ)

①ワークショップの名称と現場の場所は?

鎌田鳥山環境改善ワークショップ

②そもそもなぜそういう活動をしようと思ったのか?

鎌田鳥山から見下ろした森

鎌田鳥山は、100年の歴史を持つ囲炉裏料理の老舗です。この地域の歴史を振り返ると、現在の長沼公園周辺にはかつて「鎌田霞網猟場」と記されており、天皇家の猟場でもありました。昔はツグミなどの野鳥を捕獲して料理した豪華な食文化がありましたが、現在は野鳥の捕獲は禁止されています。しかし、その伝統を受け継ぎ、「鳥山料理」として知られる炭火で焼く鶏肉の料理が地域の名物となりました。昭和30年代のドライブブームにより、多くの観光客が訪れるようになり、週末には700人以上の客で賑わいましたが、多摩地区の開発によるハイキングコースの分断が原因で次第に人々が離れていきました。

現在、鳥山料理を提供する店は数件しか残っておらず、その中でも鳥山発祥の店が残っているのは、まさに奇跡と言えます。この自然豊かな環境で家族や友人が集まり、自ら火を起こして鶏肉や野菜を焼く楽しみ方は、100年の時間が織りなす歴史的な空間と共に、訪れる人々に独特の体験を提供しています。

鎌田鳥山は、ただの食のアミューズメント施設ではなく、長い歴史とその環境が持つアートと健康への貢献を通じて、人類の発展に貢献する新たな価値を生み出しています。AIやバーチャルリアリティが主流の時代においても、過去の時間の価値を再評価し、それを現代につなげることは非常に重要です。何もかもが手に入る現代において、時間と歴史を通じた学びは、簡単には得られない貴重なものです。

そうした歴史的遺構の再生には、その場所を長年支えてきた自然環境に敬意を払い、それに従うことが最善です。そのため、坂田さんには周辺の森の環境整備をお願いしました。人と森が共存してきた里山文化は、現代においても新たに創造されるべき文化です。過去の記憶と変わらぬ環境リズムを同調させることが、アートと自然の融合による新たな文化の形成につながります。

このため、長沼の森を舞台にしたワークショップが企画されました。このワークショップでは、過去と現在を結ぶ多種多様なアートが取り入れられ、人々の活動と自然との結びつきを再認識させる場となっています。陶芸、絵画、音楽など、様々なアートがこれらの活動を通じて表現されています。

未来のアートは、時間と自然を融合させる「プラネタリーアート」としての潜在性を持っています。長沼の森に点在する鳥山の古建築群は、その原型とも言える重要な環境体です。この歴史的遺構の価値を理解し、次世代に引き継ぐことが、私たちの役割であり、挑戦です。

③そこでは、どんなことをしていますか?

2022年8月から、ほぼ毎月一回ワークショップを行なっています。
毎回、落合マスターの美味しいコーヒーを頂きながら、
自己紹介と坂田さんの座学でスタートします。
生物多様性、環境改善についてのお話を基本に
実地を見ながらの座学もあり、
その後はひたすら作業です。

坂田さんの指導を受けつつしがらを組むための杭を打つ女性

基本の枝がら(しがら)作りは、これまでに
固い簡易舗装の脇、
笹が来て乾燥してしまっている斜面に、
まっすぐに作ってしまった道に階段として、
植栽の地拵えに、
小さな沢のビーバーダムに、と
たくさん応用されながら作られました。
他に、虫アパート(ぼさ・ヨセ)を作ったり
篠竹の藪を刈りとりと始末の仕方をレクチャーしていただきました。
今後もまだまだやれるところがあり、どんな作業になるか楽しみです。

④活動日や活動頻度は?

ほぼ毎月1回程度

⑤参加費は?

4000円
※美味しい珈琲とお菓子付き

⑥主催者

落合俊也(建築家 鳥山カフェマスター)
菊池幸子(事務局長)

⑦WEBページ等


⑧次回開催予定

第16回 鎌田鳥山ワークショップ


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