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介護現場で働いて思う事と、リーダーとしてやっている事。


リーダーとしての取り組み

今、働いている介護現場に赴任して5年が経ちました。
もともと現場リーダーとして会社から異動を命じられ、4年半が経とうとしていた2023年5月に前管理者が会社を辞め、私は管理者兼リーダーとなりました。
5年間現場で働いて感じた事、取り組んでいる事を書き出してみたいと思います。

介護の現場で働く人を見て思うことと取り組み

20代から70代までと幅広い年齢層の方達と接してきました。
採用面接を担当する事もあるのですが、まず思うことがこの介護の業界で働こうとする人は、『介護がしたい』のではなく『介護なら自分でも出来そう・・』と思っている人の方が多いように感じます。
日常生活のお世話とも取れる仕事なので、普段から主婦として家事をこなしていた方や、普通に日常生活を送ってきた定年退職者が第2のフィールドとして考える方が『介護なら出来そう』と思って選んでいると面接を通して感じました。
要は、あまり専門知識や特殊技術、営業などで成績を上げる為に必要な話術がなくとも簡単に入門できるのが介護だと思っている・・。そう感じるのです。
動機は人それぞれ自由なので・・とにかく、そんな人達をどうにかして真面目に現場で働いてもらい、専門的な動きができるように成長させるにはどうしたら良いかを考えなければなりません・・。
取り組み ⇒ 基本的な業務スケジュールの作成。初日には専門的な動きが出来る職員に同行させ、まずは介護職員として身に付けておきたい技術を目で見て学んでもらう。


高齢社会の背景と介護業界の離職の原因について考え対策を取る

実際に働いてみると、思った以上の重労働と気持ちを汲み取る精神的疲労や低賃金といった悪条件で早期に辞めていく方も多くいます。
そして高齢化率29%を超える数字がもたらす介護ビジネスへの参入の増加によって1つの介護事業所で働いて疲弊した人でも『他はもっと働きやすいのではないか?』と介護は続けようとするのに場所を変えるといった現象も起きやすくなってます。
このような心理の流れが起こる事を理解しながらも職員達と接していかなければなりません。
対策 ⇒ 介護経験が浅い人はどうしても専門的な動きができず、独自のやり方で仕事を進めていきたいと思っている人が多い。咎める事が多くなるとやる気をなくし、すぐ辞めて別のトコで働こうと考える為、経験者がさりげなく手本となる動きを見せていく。経験者の動きに納得できてないようだったら意見を聞く。


一緒に働く方達の事を知り、対応を考える

私は、1ユニット(1フロア)の管理者兼リーダーだったので、その時に私の下に就いてくれた方達がどのような考え方を持っているのか、考えながら一緒に業務をしました。

Aさん・・3年半一緒に働いている。昔、看護師の経験を持つ。ここに来る以前は介護支援専門員をしていた。私も介護支援専門員をしていた時期があり居宅こそ違えど顔見知りであり、私の先輩にあたる。医療的な視点で見ることが多い。

Bさん・・10年以上同じ現場で働いている。認知症ケアが上手い。専門的な対応ができ、他のスタッフでも専門的な対応ができるスタッフの事は良い目で見る。

Cさん・・3年一緒に働いている。その場の雰囲気を明るくする性格の持ち主だが専門性に欠ける。仕事が雑な部分が目に余る。

Dさん・・私が管理者に就任した月に入社された。20年以上も自営業でサロンを運営してきた経歴の持ち主。介護は初めてだが頭がキレ、仕事に対する意欲が高い。成長が早い。

Eさん・・私が管理者に就任した4ヶ月後に入社。昔、看護師だったが職を離れていた時間が長い。コミュニケーション能力は高い。庭造りをして入居者を喜ばせようとしたりサービス精神がある。業務マニュアルとは、少し違った動きをし、専門性が少しだけ欠ける。

Fさん・・Eさんと同時期に入社。介護は初めてで不安がるが頭が良い。業務マニュアルを重視して専門的な動きができるようになるまでが早かった。


職員の意欲と能力の揺れ動きを、状況対応リーダーシップ論上で示したもの

Aさんへの対応・・もともとは会社内で先輩的な立場だったのと、私が苦手な医療的な視点を持ち合わせているので、頼りにしている。仕事の流れは完全にお任せしているし、Aさんが入居者の件で異変を感じたら報告してくれるので、それから対応を取る事もある。

Bさんへの対応・・認知症ケアは上手いが、身体介護技術が雑な面がある。しかし10年以上という私の倍以上現場で働いているので、技術不足の面は注意せずにフォローに回る。認知症ケアの仕事に対する自信と誇りを感じるのでプライドは逆なでしない。

Cさんへの対応・・仕事の雑さがあまりに酷い時に注意する。Cさんは気に食わぬ事があったら、すぐに辞めて事業所を転々とする為、注意もそこまで強くはできない。私が専門的な介護の基本を身につけ、私が現場で実践する事で少しずつ真似してくれるようになってくれている為、見て学んでくれる事に期待する。

Dさんへの対応・・入社から3〜4ヶ月は基本を教えたが吸収力と応用力が凄く今はDさんに関して言うことは無し。アドバイスを求めていると感じた時にアドバイスをしている。ユニットの中心的な存在。

Eさんへの対応・・サービス精神が旺盛で、イベント時は盛り上げ役となってくれる。仕事は甘い部分があるが、致命的ではないので注意することはない。(注意をされるとやる気をなくすタイプでもあるから・・。)

Fさんへの対応・・日々のレクリエーションを自分で考え実践してくれるまでになっている為特に言うことはないが、介護の仕事で初めてのケースに当たると不安を感じている為、その時に助言している。


私自身の介護能力は長けてないといけない

介護事業所の運営に関して人員基準が設けられており、とにかく人が集まらないといけません。2023年の高齢化率は29.1%と高い数値が算出され、少子化も進み働き手が少なくなり、その中で介護の仕事をしてみたいという人はあまりいません。
介護ビジネスに参入する企業も増え、その結果ほとんどの介護事業所は人員不足を招く結果となり、どう辞めさせないかを考えながら慎重に職員達と接しなくてはならない状況です。
そんな中でも職員たちの介護の質を上げる為には、介護能力が長けている存在が現場に立ちお手本を見せる必要があると思われます。
現場を問題なく回す基本的な認知症ケア能力や身体介護技術、外出レクリエーションの企画から実行までする行動力、これらをいざという時は1人でも発揮できる体力と頭の回転がリーダーには求められると思っております。

もちろん技術の高さをひけらかす事はせず、職員の性格や感情を考え、働きやすい環境を作る事を意識しながら、さりげなく実行することが大切だと考えます。
上記の事を意識しながら働き続けていたら、私の仕事の一部を自分がしたいと協力してくれる人が増えてきましたので、取り組み方としては悪くはなかったと思っております。


以上です・・。私なりのリーダーとしての行動と考え方でした。

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