【感想】水曜日のダウンタウン『清春の新曲、歌詞を全て書き起こせるまで脱出できない生活』
2024/3/13(水)の22:55頃、今週も『水曜日のダウンタウン』が面白かったな〜と気を抜いていた視聴者の心を次週予告が騒がせた。
今しがた放送されたばかりの『清春の新曲、歌詞を全て書き起こせるまで脱出できない生活』の予告（つまり先週の放送の最後に流れていたもの）が再び流れたのである。
放送事故！？
しかし藤井健太郎はX（旧Twitter）でTVerの見逃し配信告知を呑気にリポストしており特に「ミスです」みたいな説明は無い。
TBSからも何も発表されない。
（総務省から怒られる級のミスではないと思うが、本当のミスなら何かしら対外発表があるはず）
そもそも「コピー元の情報が残ったままだった」というのは文章コピペあるあるだけど（私も何度メールでやらかしたことか）テレビ番組ってそんな作り方してるのか？ｗという疑問も冷静になると浮かんでくる。
で、日が経つにつれてマジで今週も清春をやるらしいというのが確定的に。
お笑いナタリーじゃなくて音楽ナタリーまでｗ
SNS上でも考察合戦が勃発。
正直個人的には何の説かの予想は全然いいとして、これに乗っかって「俺って面白いでしょ？」的な大喜利回答を披露してる人はアレだったが…ｗ
水ダウのスタッフにお笑い的発想力で（しかも募集されてもないのに勝手に）挑むって正気かい？とｗ
いざ、放送が始まるもマジで先週と同じ映像が流れている。
見逃し配信が定着して伏線回収考察ブームのこの時代に本当に純粋な再放送なのか？
そう思いながら画面を凝視し続けていた22:55頃
本日は今年度の番組予算が底をついたため先週と同じ内容を放送させていただきました。
理由ｗｗｗ
本当に予算管理をミスったらならそれはそれで企業として問題な気もするがｗ
年度末予算消化はよく聞くけど。
さらに7個だけ先週の放送分と異なる箇所がある間違い探しが敢行されていたというネタばらし。
昨年テレ東で放送された大森時生プロデューサーによる『SIX HACK』は「打ち切りと見せかけてそれすらも番組側の仕掛け」という大技だったけど、今回のこれもテレビという枠を使った一種の社会実験のようなｗ
以前雑誌の取材で「構造的な面白さがあるものに惹かれる」と語っていた藤井健太郎らしい仕掛け。
47組が選んだ「僕の好きな映画」、TBSプロデューサーの藤井健太郎さんが挙げたのは、ロバート・ロドリゲスの「フロム・ダスク・ティル・ドーン」。映画に限らず、構造的な面白さがある作品に惹かれるという藤井さん。この映画も前半と後半がまるで別モノ。どう別モノかはぜひ自分の目で。 pic.twitter.com/vxIz5v2GOT
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) October 24, 2017
テレビという枠をメタ的に使ったといえば日テレの南斉岬ディレクターが手がけた『緊張と緩和』にもそういう仕掛けがあった。
3/17(日)というちょうど2週連続清春に挟まれた時期に放送。
番組冒頭、企画趣旨の説明中に突然画面がカラーバーに。
よく見れば分かる通りこれはかなりアナログな手法で2枚のパネルを繋げてカラーバーっぽい絵をカメラの前に出してるだけｗ
まぁでも日曜の昼下がりに何となくテレビ見てたら突然この画面に切り替わってあのピー音が鳴り始めたらビビるよなｗ
メディアやマスコミへの信頼が落ちても「とはいえテレビ、特にバラエティ番組は（視聴者にバレない前提で動くヤラセはともかく）目に見えて放送事故になるような変なことはやらないだろう」という視聴者心理を逆手に取った大技。
まぁ『とんねるずのみなさんのおかげです』の伝説の炎上企画『木梨憲武さんを偲んで…』とか歴史を辿れば古くから前例はあるにはあるのだけど。
かと思えば同じく3/17(日)放送の『千鳥のクセスゴ！』ではダンビラムーチョがただただカッパの歌を歌うだけのネタをやるのだからお笑いは幅がエグいｗ
ある意味でテレビをメタ的に考察しすぎたあまり原点よりさらに前に戻ったかのようなｗ
ノブが「植木等さんとかの時代の笑い」とツッコんでたけど、クレイジーキャッツとあれを比べちゃ失礼だろうｗ
（炎上するかと思ったけどそれは無かった）
そんな超絶ハイコンテクストな仕掛けでありながら、それを間違い探しという非常に万人向けなパッケージで包んでるのもニクい。
人気ポッドキャスト『無限まやかし』でも近い話が出てたな。
（話題の発端は全然違うけれども）
ヒトは間違い探しが大好きな生き物である。
リアルタイムで見られなかった人にも（ネタばらしの衝撃は減るものの）楽しみ方を用意。
さらに水ダウ放送の翌々日3/22(金)から公開中の荒木伸二監督の新作映画『ペナルティループ』がその名の通りタイムループもので鑑賞しながら思わず笑いそうになってしまった。
こちらはループする度にカット割りが変わるのでどこが違うか目を凝らす必要は無い親切設計。
世にも奇妙な物語の名作『懲役30日』を彷彿とさせる抜群の掴みで幕を開け、中盤で意外な方向へ進んでいくのが面白かったです。
もちろんタイムループ映画といえば過去にも数々の傑作が作られてきた。
こう考えるとタイムループものって考察するのが好きな人たくさんいる。
それこそベッキーが言うように
こんなにみんな集中してテレビ見たこと無いんじゃないですか？
を実現するにはうってつけ。
いやはや奇想天外なアイデアを思い付き、そしてこれ以上ない見事なパッケージで実現してしまうものだ。
本当に凄い。
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