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特許事務所の事務作業を改善する仕組み

はじめに

こんにちは Toreru の宮崎です。
今回の記事では、特許事務所の事務作業の改善についてお話します。

簡単な経歴

僕の経歴を少し説明すると、新卒でトヨタ自動車の品質管理部で改善業務を担当していました。その経験が、特許事務所の業務改善にかなり役に立っています。その後、「Toreru」を立ち上げ、自分自身もシステム開発に関わるようになりました。
個人的には、改善はめちゃくちゃ好きです。

特許事務所は改善ネタの宝庫

10年前に知財業界にきてまず思ったのは、特許事務所での作業が繰り返し作業が多く、紙作業もまだまだ多いということでした。(現在はかなりペーパーレスが進んでいます。)

そもそもオフィスでの作業では、工程時間を測ったり、改善するという文化が少ないとも感じました。
その理由としては、そもそも改善ができるとは思われていなかったり、興味の対象が法律分野に集中しているからかなと思いました。
さらに、改善を推進する人がいない、改善に必要な技術がないという組織的な課題もあるとも感じました。
それだけに、僕はこの業界を「改善の宝庫」だと感じました。

改善するためには3つのものが必要

改善を進めるには大きく分けて3つのものが必要です。1つ目は、改善ネタを提案する仕組み。2つ目は、改善を推進する人と時間。3つ目は、改善に必要な技術の習得です。

改善ネタ提案の仕組み

改善ネタ提案の仕組みについては、トヨタ自動車の「創意くふう提案制度」を参考にしています。
この制度の一番の特徴としては、誰でも提案できることです。
提案内容としては、課題、解決策、効果、コストを記入します。そして、費用対効果の高いものから順に着手します。現場の目線でないと気付けないことが多いので、チームで改善する仕組みが作れます。

改善する人・時間を用意

次に、改善する人と時間の確保が重要です。
週に1回は改善会議を開催し、改善ネタを評価します。また、定期的に改善の時間を取るようにしています。

改善する技術を習得する

特許事務所の場合は、改善する技術はほぼシステムを作ることになると思います。そのためには、まずは手軽に学べるVBAがおすすめです。また、SaaSの導入も効果的です。さらに進んだら、ZapierなどのiPaaSを活用すると、より広範な改善が可能になります。

改善のメリット

改善には大きなメリットがあります。それは、生産性向上による競争力の確保です。作業の手間を削減し、作業の速さと正確性を向上させることができます。

改善のデメリット

ただし、デメリットもあります。それは、改善に必要な時間とお金がかかるということです。しかし、その投資は長期的に見れば大きなリターンを生むことになります。


具体的に何を改善するのか?

特許事務所でよくある繰り返し作業を改善すると良いと思います。

  • 報告メール

  • 報告書

  • 書類作成

  • 期限管理

これらは、まずはテンプレートを作るのが手軽にできる改善です。
その後は、自動化を進めるのがおすすめです。メールの自動送信、報告書の自動作成、書類作成の自動化などです。
期限管理は、特許庁に提出したファイルなどを自動で読み込みその情報をDBやエクセルに送れば自動でデータ入力をすることができます。期限管理のデータは重要ですので、データ入力には人の手は極力使わないことが理想です。

さいごに

最後になりますが、改善を通じて得られる「知財」は、特許事務所の差別化において重要な要素となります。
将来的には、特許事務所が自身の技術を出願した特許出願件数がその特許事務所の競争力になると感じています。
この記事が皆さんの改善活動の一助となれば幸いです。ありがとうございました!

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