【無料】初歩の英語学習用に最適化したローマ字学習ドリル(プリント)を作ったので無料配布します。

(一見地味ですが、実は『革命的アイデア』です。ぜひ中身をご覧ください。)・・・今回のドリル(プリント)は、フォニックスの指導を受けることが難しい環境にある英語初学者(小学生~新中1生)向けに作成した、もっとも効率的にローマ字を学習できるドリル(プリント)です。A4サイズ5枚(読み練習2枚、書き取り練習3枚)で、1時間もあれば答え合わせも含めてすべて終わります!

※このドリル(プリント)は、『英語の勉強のための』ローマ字学習教材となっており、小学校3年生で学ぶ『国語科としての』ローマ字学習教材ではない点をご注意ください。

正直にいうと、地味なプリントです(イラストもなく、デザインも無機質)。でも学習効率は他のどのドリルよりも勝っていると自信を持って言えます。というのは、このドリルは過去に僕がやっていた小学生向けの英語教室で実際に生徒に使って効果を確認しながら練り上げていったものだからです。

英語学習のためにローマ字を学ぶ理由とは?

英単語を文字として学ぶ前にローマ字を学習する理由は、ローマ字の基礎知識があれば、未習の英単語のつづりを見たときに「読みの当たりをつけられる」からです。もし、ローマ字の知識が全くなかったら、英単語を読むことが大変になるでしょう。

例を挙げると、みなさんは「Спасибо」という単語を読めるでしょうか?僕はどう読んでいいのかさっぱりわかりませんでした。答えは、「スパシーバ(ロシア語)」です。もちろん、ローマ字を知っていてもロシア語は読めませんが、ここで言いたかったのは、文字というのは何か取っ掛かりがないと(声に出して)読めないということです。そして、音声が思い浮かばない単語は、ただの文字列(または画像のようなもの)としてしか認識できず、その状態でさらに意味や使い方を覚えるのは大変困難になります。(僕は英語以外の言語も少し学習した経験がありますが、音が思い浮かばない単語を覚えることは(僕自身は)無理です。たとえ発音が間違っていたとしても、知らない単語を見たときは、何かしら「こんな音だろう」というものを頭で鳴らしています。)

僕は、文字を使った英語学習の初期段階でのつまづきの原因の一つは、英単語を目にしたときにその「音」が頭に浮かばない(または、頭に浮かぶのが他の人より遅い)ことにあると考えています。この初期段階で、『スラスラ読める人』との差が大きく開いてしまっていると、学校や塾の授業で出遅れてしまう可能性は大です。最初は「restaurant」を「レスタウラント」と読んでしまってもいいんです。間違っていても「音」が頭に浮かべば「文字列」や「画像」ではなく「言葉」として認識していることになりますから。しかし、英語を習い始めたばかりの人で、フォニックスはもちろんローマ字の知識もない人が「restaurant」の単語を見ると、先ほどの「Спасибо(スパシーバ)」の例と同じようにその単語の「音」がイメージできず、「restaurant」はただの「文字列」や「画像」になってしまうのです。

ですから、フォニックスを学べる環境にない人にとって、(英語学習につながるような)ローマ字を、スラスラ読めるように練習しておくことは、文字を使った英語学習の準備として大切なことだと僕は考えます。


確かにフォニックスはいいんです。でも問題点もあります。

フォニックスを学べる環境にあるなら、『英語学習のためにはローマ字ではなくフォニックスを学んだほうが良い』という考えは正しいと思います。しかしフォニックスのルールが身につくまでには、ある程度の時間がかかります。(子ども向け英語教室のカリキュラムを見ると、1年以上かけて少しづつ習得させるところが多いようです。)

また、フォニックスの学習内容はそんなに簡単ではなく、アルファベットの読み方ひとつとっても、名前読み(エイ・ビー・スィー・・・)のほかに「アブクド読み」も26文字分覚える必要がありますし、フォニックスのルールはこのほかにも数十個あり、さらにルールがあてはまらない単語も結構あります。実はけっこう難しいんです。(難しくならないようにするためには『慣れ』させればいいのですが、それにはかなりの時間を要します。)

ですから、英語の文字学習の最初の時期(これまでは中1で、今後は小5~小6)までに、ある程度フォニックスのルールを身につけておくためには、フォニックス指導を行っている英語教室に一定期間(1年以上)通うか、英語に力を入れている私立の小学校に通うかしなければならず、日本のすべての子どもたちがそれを出来るわけではないのです。

(参考までにフォニックスを学べるスクールのサイトです。)


※『なぜ学校でフォニックスをきちんと教えないのか?』という意見がありますが、公立の小中学校では今後も難しいでしょう。その理由には次のようなものがあると考えられます。

①授業時間が少なく、フォニックスの指導の時間が取れない(一部のルールであれば教えられると思いますが、一部のルールではいろんな単語を読めるようにはなりません。)

②公立校の生徒に分かるように教える場合、英語教室や私立校よりももっと多くの指導時間が必要(英語に興味のない子どももいるし、理解度もまちまちなので)

③フォニックス指導には『正しい発音ができる先生』が必要で、公立小学校はその数が足りていない

ということで、今回のローマ字ドリルは、『英語教室に通ったことがない公立校の子どもたち』に特に使ってもらいたいと思っています。


『英語学習用に最適化』したドリルとは?

これはどういうことかというと、ローマ字表の中で「英単語を読むときには使わないもの」や「英単語を学ぶときに明らかに邪魔になってしまうもの」を除外して学習する、ということです。例えば、「tsu」「kya」「nya」「bya」などを学習から外し、さらに「さとう」のように、「satou」と「sato」で迷ってしまうようなものは学習しません。また、少ない問題数で効率よく学べるように、ローマ字のそれぞれの音がなるべく均等に使われるよう単語を選びました。(下の画像は「読み練習」のプリントと、このドリル専用のローマ字表です。※ ブラウザがInternet Explorerの場合、画像が表示されないようなので、他のブラウザでご覧ください。)

(注)下のプリントの17番の答えは「だんご」ですが、「だんごう(談合)」でも正解です。また、12番を「ばしょう(芭蕉)」と書いても正解です。その辺は柔軟にまるつけをしていました。

First130_Lesson0-1_ローマ字読みテスト_1_sas
B5_ローマ字表_sas_out

このドリルの名前が『ローマ・ジーン』である理由

このドリル、「ノーマ・ジーン(マリリン・モンローの本名)」をもじって『ローマ・ジーン』という名前を付けました。その理由は、書き取り練習が次のような問題になっているからです。また、下の画像のようにアルファベットを並べかえる問題になっていて、正解しやすくなっています。(※ ブラウザがInternet Explorerの場合、画像が表示されないようなので、他のブラウザでご覧ください。)

First130_Lesson0-2_ローマ字人名テスト_1_sas

そうです、ローマ字で「人名」を書くから『ローマ・ジーン』でした。。。

並べかえ式書き取りドリルの効用は?

上の画像のような並びかえ式書き取りドリルの効用は、文字を並べながら「文字が母音と子音で構成されている」ことを体験的に学ぶことができる点です。特にカ行以降の「母音+子音」の組み合わせの練習は、英単語のつづり学習のウォーミングアップとして有効です。また、英語教室などに通って文字学習をしっかりやったわけではない(ふつうの)子どもたちにとっては、こうしたドリルでアルファベットの小文字に慣れておく方が、この後英単語を勉強するときに学びやすくなるように思います。

もう一つの効用は(実はこちらが大事!)、ズバリ、正答率が上がることです。文字を並びかえれば解答できるので、『分からないから書かない』ということはありませんし、実際このプリントを使うと、子どもたちはどんどん手を動かします。並びかえにはパズル的要素があるからでしょう。そして、子どもたちは文字をやみくもに並べているのではなく、並びを考えながら書いています。この『考えながら並べる』ことと、『たくさん正解できる達成感』が学習効率を高めているように思います。

ダウンロードはこちらから↓

今回無料配布するデータはA4サイズのPDFデータです。基本データ5枚(読み2枚、文字並べ替えの書き取り3枚)の他、それぞれの出題順をシャッフルした復習用のデータ10枚も加えています。画像を見て頂けると分かるのですが、ドリルを学習するためには「アルファベットの小文字が書ける」ことが必要となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(こちら ↓ をクリックするとダウンロードページが開きます。)

今回のデータが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

主に英語学習について、みなさんにお伝えしたいことを発信していきます。ご質問・ご意見はコメント欄へ何なりとどうぞ!