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承05 「共感」で社会に存在する様々な問題は解消できる

◆サマリー

今回は、これまでよりも、さらに長い文章になり、読みにくいと思います。すみません。
そこで、最初に、今回のポイントを書いておきたいと思います。
今回は、社会に存在する問題の解消の手がかりとして、
・「共感」して、できるだけ、相手の「環世界」を知ろう
・感情はうつるから、自分の感情に影響を与える相手の感情にも、自分のために配慮しよう
・自分の欲を抑えられなければ、世の中は「ゼロサム=いってこい」、ならば、嫌なことでも、意識して、ポジティブな面に目を向けてみよう
といったことについて、書いてみました。興味を持ったら、ぜひ読んでいただければと思います。

◆問題は、「環世界」の違いから発生する

私たちの社会には、どのような問題があるでしょうか?
今、ぱっと思いついたものが、路線バスの運転手や介護士、教師の不足、増税、宝塚のパワハラなどで、もっと大きく、地球規模の課題で言えば、環境問題、差別問題、戦争など、SDGsに関する諸問題が浮かびます。
これらは、すべて何らかの対立によって起こっているもので、その対立は、当事者たちの立場の違い、前回書いた「環世界」の違いから発生するものだと思います。
例えば、国家、民族の論理の対立によって起こる戦争は、その最たるものと言えるでしょう。それぞれの「環世界」で見れば、正当な言い分ですが、それらが並び立つことができずに、対立している状態です。
これらは、もし、それぞれの当事者が、別の当事者グループの「環世界」を、少しでも理解し、寄り添うことができるとするならば、その問題は、解決、少なくとも、今よりもっと緩和できるではないかと感じます。

◆「共感」で相手を見る

前回、他のものに「共感」することにより、異なる「環世界」を理解し、繋げることができるだろうと書きました。
そして、問題の原因が、「環世界」の違いとするならば、「共感」することにより、自分とは違う「環世界」を覗いて、対立する相手の内面を感じてみることは、その問題の解決の糸口となるのではないかと思います。

◆「幸せ」、「不幸」などの感情は、人から人へとうつることを意識する

相手の癖も含め、その「環世界」を知ることができたら、それを踏まえて、どう考え、行動するか、というのが、次の問題だと思います。
その際の行動は、大まかに言って、以下の2通りが考えられると思います。
・相手の強みを避け、弱みを攻めて、自分が有利になる方法を考え、相手からより多くの価値を奪い取る
・相手の弱みに援助し、強みを生かしながら、自分と共存できる方法を考え、新たな価値を創造する
そして、ここで迷った時に、思い出してほしいのが、「感情はうつる」という法則です。
例えば、空腹な2人がいて、その2人の目の前に、あんぱんが1個あったとします。どちらの人も、そのあんぱんを食べたいと思うでしょう。その時に、どういう行動をとるでしょうか?
前者の行動をとれば、力づくでも、あんぱんを丸ごと食べてしまうことが最良と考え、そうするでしょう。そして、その後に残るのは、一方の満足感と、他方の不満です。やがて、その不満が、恨み、妬みとなり、満足感を持った人を襲うことになり、結果的には、あんぱんを食べた人も、「不幸」を味わうことになるのではないでしょうか?
一方、後者の場合には、相手も空腹で辛いことを感じ取り、あんぱんを2人で半分ずつ分けて食べることになるかもしれません。あるいは、食べてしまった後に気づいた場合でも、謝罪や、何か寄り添う言葉をかけたりや、代わりになる何かを探そうとしたりするかもしれません。それにより、2人は、部分的にでも、満たされ、その結果、恨み、妬みによるネガティブな行動が抑えられれば、前者より、穏やかに過ごすことができるのではないでしょうか。
さて、どちらをとるべきでしょうか?
この時、ポイントとなるのが、空間軸と時間軸の広がりではないかと思います。

◆心に余裕を残しておきたい

自分なら、どうするか、ちょっと考えてみてください。
おそらく、これを読んでいる皆さんは、あんぱんを分けるべきと考える人が多いのではないでしょうか?なぜなら、今、みなさんは、抑えられない空腹感に襲われていることもなければ、たとえ、空腹だったとしても、それほど苦労せずに、何か食べられる状態にあることでしょうから。そういう意味では、心に余裕がある状態にあると思います。
しかし、今の日本を見ていると、全体的に余裕がないように感じます。余裕がなくなると、時間的にも、空間的にも、自分が小さくなってしまいます。
例えば、SNSなどでよく炎上しているのを目にします。直接自分に関係のない不祥事にでも、執拗に、時には、都合のいい部分を切り取って、激しく批判し、叩けるものは何でも、とことん攻撃し、時に、それを楽しむという姿勢さえも見られます。それは、一部の人によるものかもしれませんが、その声が、無視できないほど、大きいと感じます。
ここで、少し余裕をもって、もし、自分が、その批判される立場だったと考えてみたら、どう感じるでしょうか。きっと、激しく批判する多くの人は、そこまで考えていないでしょう。
私も、あなたも、批判される人も、感情を持った人間です。人間である限り、頭から否定されるより、評価された方が、気分がいいでしょうし、気分が良ければ、相手、それがたとえ、反対する者であっても、できるだけその意に沿いたいと考えるのが、人の情ではないかと、私は思います。少なくとも、私なら、頭から否定されれば、人間がちっちゃいので、きっと、相手のことを考える気にもならないどころか、嫌がらせをしたいとさえ思ってしまいます。
これは、SNSという、匿名で攻撃できるメディア、いわば、言ったもの勝ち的なメディアの存在も大きな原因だと思います。
しかし、それ以上に、高度経済成長期、バブル期を引きずりながら、低迷期にアジャストできない焦りが、心の余裕を奪い、自分を小さくし、小さい自分のことだけしか考えられない、小さい「自分」の集まりになってしまった結果ではないかと思うのです。

◆「共感」で、相手もポジティブに。自分のためにも重要です

ここで、もう一度、「共感」の話に戻したいと思います。
しかも、その相手が、自分と何らかの目的で一致できる仲間であれば、その相手は、自分の目的を達成するための存在とも考えられ、「共感」して、相手を知り、その感情をポジティブに保とうとすることは、自分の目的の達成にとっても重要なことです。
一方、その相手が、仮に、仲間の範疇の外であったとしても、自分の周囲にいる人であれば、その人の感情は、確実に自分に影響を与えますので、その意味で、その人の感情も、自分ごとです。したがって、その人にも「共感」し、その感情がポジティブに保たれるようにすることも、面倒なことかもしれませんが、大切です。ちょうど、それは、自分がより良いものを食べたいから、あえて、苦労し、不便を被ってでも、食物となる動物や植物にとっていい環境を作ることを心がけるようなものだと思います。
しかし、ここまで頭で理解できても、他人のために、自分の欲をコントロールすることは、難しいことだと思います。

◆「ゼロサム(Σ0)」という考え方

大した根拠はないのですが、経験から、私は、「ゼロサム」(=いってこい)という概念を信じています。
私が、ここでいう「ゼロサム」とは、ALL or Nothing的な意味合いではなく、どんなできごとでも、いい面と悪い面が同じだけあり、結果的には、その出来事によって受ける、プラスマイナスの和は、いってこいで、ゼロになるという意味合いです。
私自身、この「ゼロサム」を心に留めておくと、意外と、怒りを抑え、心を冷静に保つことができるのだと実感しています。
あんぱんの例でいえば、自分の欲望に任せて、丸ごと1個食べたとすれば、その瞬間、半分に分けるより大きな満足が得られるだろうと思います。しかし、1個を独占したことにより、さらに、欲が広がるかもしれませんし、後々、食べられなかった人から、仕返しなど不利益を受けることになるかもしれませんし、その不安に怯えることになるかもしれません。
一方、半分に分ければ、あんぱんによる満足は低くなっても、分け合った人と良好な関係ができ、そこから別のプラスがもたらされるかもしれません。
さらに、物ごとのプラスの面ばかり見ていると、思いがけないマイナスの面が出た時には、慌ててしまいます。これが、運が悪いで、思わぬところで、あんぱんの仕返しをされた時があたります。逆に、マイナスばかり見えていた時に、思いがけないプラスのこと、例えば、あんぱんを分け合った人が、自分が、苦しんでいる時に、前触れもなく、助けてくれたなんてことが起こると、運がいいとなります。そう考えると、どっちも、プラスとマイナスで、「いってこい」になりますね。
だったら、意識して、プラスの面を見るようにしたいですね。これが、私が考える、心に余裕を持つ方法です。
これは、余談ですが、調子いい時は、隠れたネガティブな面に、意識的に、目を向けて、備えておきたいですね。それに、調子と思うに時は、心に余裕があるので、比較的、悪いことにも、前向きに向き合うことができると思います。逆に、調子の悪い時には、悪い面の裏に在る、いい面を意識的に見ることにより、必要以上に、悪く感じないようにしたいものです。
ただ、この「ゼロサム」という考え方にも、きっとマイナスの面はあるでしょう。例えば、調子よく、イケイケの時に、失敗することも考えていたのでは、せっかくの勢いが削られてしまうとか・・・。
と考えると、結局は、「ゼロサム」、何を受け入れ、何を捨てるかは、自分次第。だったら、自分の心に、行動にいい影響を与える考え方を、常に選択し続けたいですね、どんなにつらく、苦しい時でも。それができれば、立派な、オプティミストですね。
一つ信じたいのは、ポジティブがポジティブを呼び、ネガティブからは、決して、ポジティブは生まれないだろうこと。

◆まとめ

今回は、問題、対立解消の手がかりとして、
・「共感」して、できるだけ、相手の「環世界」を知ろう
・感情はうつるから、自分の感情に影響を与える相手の感情にも、自分のために配慮しよう
・自分の欲を抑えられなければ、世の中は「ゼロサム=いってこい」、ならば、嫌なことでも、意識して、ポジティブな面に目を向けてみよう
以上の3つのことについて、書いてみました。
そして、もう一つ重要なことが、ポジティブがポジティブを呼び、ネガティブからは、決して、ポジティブは生まれないなら、意識して、プラス(ポジティブ)なところを見るようにしたらいいと思います。
次回以降、個別の問題について考えてみたいと思います。

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