【最近のブランドコミュニケーションのトレンド】ってなんだっけ?と思ったので、飲み会ネタレベルで3つにまとめてみました。
はじめに
筆者は現在トラベルテックのスタートアップ「Kabuk Style Inc.」にて、コミュニケーションデザイン周辺に携わっております。
弊社のサービス「HafH」は旅のサブスクという素敵なB to Cビジネスモデルですが、さらなるグロースを目指す上で重要なのがブランド及びユーザーとのコミュニケーション。そのためのリサーチの一環として、最近のブランドコミュニケーション施策のトレンドをまとめてみました。
※旅のサブスク「Hafh」では2024年4月30日まで登録キャンペーンを開催しております。ご検討いただけると幸いです。
筆者は過去に広告会社でアートディレクター・CMプランナーをやっていました。アイデア探しや基本的な知識として、世界のブランドコミュニケーションの潮流をおさえることは役立ちましたし、同僚やクライアントと会話をする際にも必要でした。
現在スタートアップにてB to Cのサービスをどう成長させるか?という業務に取り組む中で、まずは改めて世の中の流れをインプットしてみたいと思います。ここでは、世界の広告・ブランドコミュニケーションのNowがわかる「カンヌライオンズ」「クリオ」等のグローバル広告賞を参考に、独断でまとめております。
キーワード1:パーパスドリブン
コミュニケーションの役割が変わっている
かつては「商品やサービスの優位性をどう魅力的に伝えるか?」が広告やブランドコミュニケーションの定義でした。「効果がすごいです」「コスパいいです」といった機能や価格訴求からコミュニケーション戦略を考えるスタイルです。
かたや今のトレンドは「ブランドやビジネスをサステナブルなものにし、どう社会を良くしていくか?」にシフト。そのサービスがどう社会を良くしてくれて、「いいヤツ、必要なヤツ」と受け入れてもらえるかがコミュニケーション戦略。
日本の広告審査員の方のコメントで納得感があったのが
です。そのサービスが解決できる課題、それは社会問題かもしれませんし、ユーザーの不満かもしれません。課題をより明確にし、その解決法をきちん
とコミュニケーションすることが考えるべきポイントだと思います。
個人的に共感したコミュニケーション事例
Anne De Gaulle (2023Cannes Lions Grand Prix)
国際障害者デーである12月の1週間限定で、フランスのシャルル・ド・ゴール空港の名称を「アンヌ・ド・ゴール空港」に改名した施策です。空港名でもある元フランス大統領のシャルル・ド・ゴールは、ダウン症だった愛娘アンヌ・ド・ゴールの死後、アンヌ・ド・ゴール財団を設立しました。財団は長きにわたり障がいを持つ方々を支援してきましたが「同団体の社会的な存在意義」より高めるために同キャンペーンを実施。
結果、200以上の記事が掲載され、約5,000万人にリーチ。100万ユーロ(1.64億円)分のメディア露出を獲得しました。
徹底的に空港中を変えてます。この徹底=本気度が重要なんだと思います。
キーワード2:ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン
ダイバーシティやインクルージョンはわかりますが、「エクイティ」ってこの場合なんだっけ?と調べたら、
と、ありました。
提供するサービスも、例えば同じ機能やUI/UXを全ユーザーに提供することは、もしかして乱暴なのかもしれないと思いました。もちろん様々な状況のユーザーさんに最適なものを提供したいとは思いますが、当然コストや開発リソースの問題が生じます。
コストや開発リソースの問題がある中で、それでも様々な属性のユーザーさんに歩み寄って「何ができるか?」を考え続けることが大事。その姿勢がキーワード01:パーパス・ドリブンにもつながり、社会で必要なブランド・サービスになるのではと思います。
個人的に共感したコミュニケーション事例
Mibanco The Emancipation Loan(2022Cannes Lions Gold)
ペルーでは男性優位主義が根強く残り、既婚女性が銀行ローンを利用するためには夫の署名が必須だったそうです。既婚女性にも自立や起業の機会を提供したいと考えたペルーの銀行Mibancoは、リスクポリシーを変更し、国内のすべての既婚女性を独身と見なす施策を採用しました。
結果としてこの戦略は4,500万以上のメディアインプレッションを獲得し、社会を動かすムーブメントに。まさに実質的な平等を実現させてます。
キーワード3:AI
もはやAIの民主化が進み、仕事においてもAIは欠かせないパートナーになりつつあります。文章・音楽・画像、そしてそろそろ映像までも私たちは手軽にAIで作成できるようになっています。
ブランドコミュニケーションのトレンドにおいても、A Iは欠かせないキーワードですが、それはあくまでツールとしてだと思います。
コミュニケーションの役割がパーパスやダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン等「社会をどう良くしていくか?」であればこそ、そのコアの部分を丁寧にヒトが考え抜く必要があるかなと感じました。
私もそうですが、まずAIありきの発想になりやすいので、あくまでAI=拡張された知性、としてヒトの意思決定をサポートする存在と捉えておきたいと思います。
サービスにおいても、その機能やビジネスモデルの中にAIが入って来ることになると思いますが、「それって、社会をより良くできるか?」「実質的な平等の機会を与えているか?」という視点が大切なのだと思います。
とはいえ、個人的に共感したコミュニケーション事例
Dove Toxic Influence(Clio Awards Gold)
インフルエンサーの美容に関する有害なアドバイス(恐怖訴求や誘因ですね)を真に受け取ってしまう10代の少女たち(自己肯定感が下がっている)と、その保護者に向けた啓発プロモーション。ディープフェイク技術で母親がインフルエンサーの発信内容を喋っている映像を制作し、親子で見てもらう内容です。
こんなこと、実の母親が娘に言いますか?でもあなたの娘はそんな情報を日々SNSで観ているわけです。そう、子どもを守るのは親であるあなたなのです。まさにテクノロジーを使って社会問題を喚起する仕掛けです。
このプロモーション、米国だけでも16億回のインプレッションを獲得し、プロモーション好感度も99%だったそうです。Dove一連の「Self-Esteem」をテーマにした活動は、社会問題の解決(パーパスドリブン)の好例ですが、このアイデアは+AIをうまく使ったケースだと思います。
おわりに
社会に必要とされる存在であること
全ての人に使ってもらえるように配慮すること
テクノロジーはあくまでツール、コアのアイデアはヒトが考える
上記が今回の学びでした。
自社サービス「HafH」についても、
これらのキーワードが当てはまるのか?より近づけるにはどうすればいいか?といった検証もしていきたいと思います。
そしてそれは会社のMissionにも紐づくはず。
弊社のmissionはコチラ
引き続き、ブランドコミュニケーションのリサーチは続けていきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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