見出し画像

現代アート「My fair prisoners!?3」の太宰治さんの調書とエッセイ※全文掲載

この方は、日本を代表する作家の一人で、特に「人間失格」、「走れメロス」などが有名です。 癌(正式名称:すっとこどっこい)にかかり、諦めてしまったのが真実です。太宰治さんです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

           My Fair Prisoners!?調書

囚人番号:20201120091125

名前:実は人間合格

懲役:38年

服役した刑務所:青森県北津軽郡金木村

音楽:ディキシージャズ

映画:「七人の侍」

本:「人間の証明/森村誠一」

罪:小学校時代、国語で赤点を取っていた

喜:本が出版された事、子供の成長

怒:戦争

哀:癌(正式名称:すっとこどっこい)になってしまった事

楽:文章を書いている時間

―――――――――――――――――――――――――――

            「実は人間合格」さん

 「実は人間合格」は、青森県北津軽郡に生を受けた。病弱だったが、身体は当時としては大きかった。11人兄弟の六男、10番目。早くから文学に目覚め、菊池寛や井伏鱒二らを好んだ。その井伏鱒二に師事し、筆で食べていく事を決めた。 初めはなかなか作品が評価されず、苛立ちから自殺未遂を数度やってしまった。本当に弱い人間だと、初めから諦めがあった。 また、逮捕を逃れる為の自殺未遂はしていない。本当に、ただ弱い人間だったために、自殺未遂を繰り返した。 「シメ子さんには、本当に悪い事をしたと思っている。死ぬべきは自分だった」と、「実は人間合格」は言う。

 作品を書いている時間は、幸せな時間だったが、いざ仕事から離れると、自分など生きていても仕方がないと強く思った。それくらい、本当に弱い人間だった。

 「人間失格」は駄作。これが評価された事で、自死を考えるようになったのは事実。もし評価されていなければ、自死は選ばなかったと思う。

 「「病名命名屋・命名屋」君、君の人生を小説にしてもいいかな?」と言われ、まだまだ何も成し遂げていない「病名命名屋・命名屋」は正直返答に困った。「まあ、時間はあるし、気長に考えてくれ」そう言って、真新しい煙草に火を点けた「実は人間合格」だった。(了)

―――――――――――――――――――――――――――

※この方も刑期を終えました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?