【小説】作家になりたいんだ【単発読み切り】
ただ、書くことに生きる。そう感じる。作家になるにはどうしたらいいんだ?ただひたすら書きまくればいいのか?
雅(まさ)は、そんな自問を繰り返した。長文何か書けない。最長、4000字。本は8万字。
なぜ作家になりたい?わからない。勝手に手がキーボードを叩くんだ。すると文章になる。
あいつを養いたい。事情があって、会えない、佳代を想う。厳格な家の次女。親は厳しい人。まだ食えない俺はずっと・・・
note。俺の友。俺のキャンバス。俺の夢を叶えるためのツール。
ただ、書く。思うがままに書く。書くことに愛情を感じた。
佳代に会えない。さびしさと、最後の抱擁。あたたかな身体。キス。
わあああああああああ。俺は叫んだ。書ける。でも売れるだろうか。
覚醒。俺はした。病をそのままに、治療を受け、状態を良くして、人に思いを喋りまくった。躁うつ病?それは俺の武器。
カタカタカタカタ・・・ 書くと俺は元気だ。書くんだ名作を。
孤独が俺の友だ。飯は適当に食い、すぐにNEC LAVIE NS300/Kで文章を打つ。
数年前のノートPCも調子いい。ハッキングを食らったり、ウィルス攻撃にあったり、おかげでDVDドライブがいかれちまったあ。
なんのためか。ゲームクリエイターでもあるので開発ファイルをハッキングで盗まれた。でも、馬鹿なことにそれは単体では動かないんだよ。馬鹿なやつ。
心が愉快になってきやがった。意味のある文章なんて、俺に書けるかよ。
感情のままに生きていることを表しているだけだ。
俺はまだ、note作家。本当の作家じゃない。でも挑戦は続ける。
書くことが自分のことばかりだ。これじゃ、小説的自伝じゃないか。
電話はならない。出版社にコネは無い。昔、ある男に手書きのエッセイを見せて、「作家になれるね。出版社のコネがあるから紹介してあげるよ」
その男は後でうそつきだと知った。
もう18年前の話だ。許してやるか。
(終わり)
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