マリエリ

音楽、バンド、喫茶店、バーなど、素敵なものの素敵なところを、伝わる形にしておきたい。紹…

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音楽、バンド、喫茶店、バーなど、素敵なものの素敵なところを、伝わる形にしておきたい。紹介記事を書きます。

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【喫茶店紹介】純喫茶キラーズ/志を同じくする人に雨宿りを許す傘のような場所

何かの帰りに「まだ時間が早いし、キラーズに寄って帰ろうかな」と思いつくことがある。 そういう日は、人が多い場所に赴いたのに、誰とも打ち解けた会話を交わしていない日だったりする。 以前は、こういう時、自宅近くのバーによく足を運んでいた。 コンサートを見た後、映画を見た後、観劇の後など、何かを考えた日。 誰かに何かを聞いて欲しい時。 家に帰って一日を終える前に、今日思ったことを整理したい時。 キラーズは、純喫茶(お酒を出さない喫茶店)を冠するだけあって、お酒を供さない。 背筋

    • 【日本料理店紹介】ふぐ舗・にしぶち/人と食べ物がくれる生命力を思う場所

      にしぶちは、東京・阿佐ヶ谷にある「ふぐ・日本料理店」だ。 「ふぐ舗・にしぶち」は法事やお食い初め、食事会などのきちんとした場として愛されているお店ではある。 私自身、「にしぶち」と出会うまで、ふぐは法要など「きちんとした」親戚の集いなどで数度食べた経験しかない高級食材であり、縁遠いものだった。 「自分のお金で、ふぐを食べに行ったことはありますか」 と聞くと、YESと答える人は多くはないと思う。 薄給の会社員である自分にとって、丁寧な美しい日本料理を提供する料理店は格式が

      • 【BAR紹介】大阪・千日前salon夕顔楼/美学に統べられたヴンダーカマー

        正直なところ、客を選ぶBARだと思う。 同時に、この店に一度は運命のように迷い込むべき人たちが居るとも思う。 赤い照明に照らされた薄暗い店内には、耽美と退廃の気配がする。 壁際に収められた数千冊の蔵書。 芸術、音楽、美術、人形、文学、写真、それらの「美しさ」を軸とするものたちは、店主の目によって一つずつ選ばれ、時間の蓄積のようにこの場所で息を潜めている。 赤い別珍張りのソファー。赤い光を反射する物言わぬシャンデリア。 そして終売品を多く含む、二百種程の希少な酒瓶たち。 千

        • 【小説風BAR紹介】駒込VARIANT TOKYO

           近年、薬草系のリキュールが流行っていると耳にした。 「何それ?」 「平たく言えば、ハーブのお酒だね」 「例えば?」 「有名なのはカンパリ。イエーガーやアブサンもそうだね」  バーで隣り合った男性は長い前髪を頬に流し、こちらを向かずにロックグラスを傾けた。 「それは? 今飲んでる黒っぽいお酒」 「……これは、ブレンデッドのアブサン。一口飲んでみる?」  これは何年も前の記憶である。  知人に連れて行ってもらったバーで、隣り合ったきれいな男の人に一口飲ませてもらったアブサンは

        【喫茶店紹介】純喫茶キラーズ/志を同じくする人に雨宿りを許す傘のような場所

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          【LIPHLICH】活動休止前最終ライブレポートNatural New Nix@神田スクエアホール_2024/2/24

          暗転した会場内に、映画のフィルムが回る音が響く。 おもむろについたライトは青から赤へ色を変えた。 ピアノの音が重なる。 シンフォニーの重層で、「リインカーネーション」の『さあ繰り返そう』の部分が会場に満ちる。始まったばかりだというのに、もう大団円のような空気の中でメンバーが一人ずつ入場する。 最後に入場した久我さんがピンスポットでアカペラで歌い始めたのは「航海の詩」の英詞だった。下から上に舐めるようなライト、深い深いお辞儀。 ① 航海の詩 フレーズごとの言葉が活

          【LIPHLICH】活動休止前最終ライブレポートNatural New Nix@神田スクエアホール_2024/2/24

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑩IN SILENCE⑪SELVES

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー②G.③HURT④RA-SE-N⑤LUV U ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑥FOREVER&EVER ◆

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑩IN SILENCE⑪SELVES

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑦1999⑧END OF SORROW⑨DESIRE

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー②G.③HURT④RA-SE-N⑤LUV U ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑥FOREVER&EVER *

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑦1999⑧END OF SORROW⑨DESIRE

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑥FOREVER&EVER

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー②G.③HURT④RA-SE-N⑤LUV U * 続けて書いていきます。 ◆FOREVER&EVER 耳馴染んでいる原曲と比べて立体感が増してい

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⑥FOREVER&EVER

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー②G.③HURT④RA-SE-N⑤LUV U

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE * 続けて書いていきます。 ◆G. セルフカヴァーアルバム『STYLE』の先行MVとして、「G.」がYoutube公開されてから、もう一か月半の時間が経過した。 MV公開当日、TwitterのTL上でSLAVEの方た

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー②G.③HURT④RA-SE-N⑤LUV U

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか ◆WITH LOVE 旧作がリリースされた時、第一声の「せめて 抱き締めて」を初めて聴いたそれまでのLUNA SEAを期待していたファンは、少なからず驚いただろうと思う。 つぶやくように、口ずさむように近距離で歌われる錯覚を覚える声は、これまでのLUNASEAを象徴していたRYUICHIのキャラクターから強さを

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー①WITH LOVE

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか

          ◆『MOTHER』全曲レビューはこちらから ◆『STYLE』はどのようなアルバムだったのか 各曲のレビューを書く前に、『STYLE』はどのようなアルバムだったのか、ということを確認しておきたい。 発売は1996年4月22日。 『MOTHER』が発表されたのは1994年10月26日なので、MOTHER発表の一年半後に発表されたということになる。 その一年半の間にLUNA SEAを取り巻く環境は、大きく変わった。 『MOTHER』発表時には全国的に有名になり横浜アリーナ公演ま

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『STYLE』全曲レビュー⓪『STYLE』はどのようなアルバムだったのか

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑨TRUE BLUE⑩MOTHER

          ◆初めから読む方はこちらから 続けて書いていきます。 ◆TRUE BLUE このアルバムの中で、最も原曲に忠実かもしれない。 表情を増したRYUICHIの歌を中心とする冒頭からの一体感で、有無を言わさず目の前の景色が塗りつぶされる。 ただ、歌の表情が豊かになっただけではなく、一体感の中のそれぞれの楽器の解像度の高さに眩暈がしそうになる。 音の一粒一粒が存在感をもって曲を構成していると強く感じる。 サビの象徴的なメロディーに重ねて秒針のように刻まれるシンバル。 象徴的

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑨TRUE BLUE⑩MOTHER

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑥AURORA⑦IN FUTURE⑧FAKE

          ◆AURORA AURORAは、LUNA SEAのファンではない人に、恐らく最も「LUNA SEAらしくない曲」と言われるだろうな、と思う。 一般に認知されているLUNA SEAは、多分にROSIERであり、TRUE BLUEであり、DESIREであるだろう。その他シングルもそれぞれにロックバンドとしての華やかさのあるものが連なっている。 ノイズの入る導入から、「汚れのない愛があれば」という仮定で、一時に曲が始まる。 一瞬で優しく柔らかい音世界に包まれる瞬間は、水の中に潜

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑥AURORA⑦IN FUTURE⑧FAKE

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑤GENESIS OF MIND

          上記に続いて、⑤GENESIS OF MIND書いていきます。 ◆GENESIS OF MIND ◆献花式のこと LUNA SEAのレビューなのに、別バンドのことを書くことは無粋であることを承知で、この曲については、BUCK-TICKの櫻井敦司さんの件を触れずに書くことができないことを最初にお伝えしておきたい。 大変恐縮ながら、ご了承いただきたく思う。 私事ながら、つい昨日12/9に羽田ZEPPで行われた献花式に、友人と足を運んだ。 体調不良でライブが中止となったとい

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー⑤GENESIS OF MIND

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー②ROSIER③FACE TO FACE④CIVILIZE

          ◆LOVELESSはこちら 上記① LOVELESSに続いて、セルフカヴァーアルバム『MOTHER』の全曲レビュー続けていきます。 ◆ROSIER LUNA SEAの代表曲と言われるROSIER。 LUNA SEAのことを知らない世代の人にも認知されていることが多く、 私は正直「もう一生分聴いた」と思っていた節があった。 新生MOTHERの中でも、ROSIERにはそれほど期待の意識を向けずにいた。 何の気なく音源を再生した時に、耳慣れた原曲との違いが際立って聴こえる一

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー②ROSIER③FACE TO FACE④CIVILIZE

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー①LOVELESS

          29年前の1994年に発表されたMOTHERの再録アルバム発表に先駆けて公開されたLOVELESSのMVを見た時、息が止まった。 中学生の頃、何百回も聴いて、歌詞も内包される曲の細部まで熟知していると思っていた曲が、あれから30年弱が経った2023年に、これほど鮮やかなものとして心臓を掴んでくるとは、正直思っていなかった。 ◆LOVELESS 途切れ途切れの人の声。 静けさに重ねられる爪弾かれる象徴的な光の揺らめきのような音。 ドイツ語での囁き声のカウントアップ。 ゆらめ

          【LUNA SEA】セルフカヴァ―アルバム『MOTHER』全曲レビュー①LOVELESS